セイント・モード 狂信

解説

患者の魂を救うことに取り憑かれた看護師の狂気を描いたイギリス製サイコホラー。看護師の女性モードは、病に冒され余命わずかな有名ダンサーのアマンダの緩和ケアのため、彼女の豪邸に住み込みで働きはじめる。信心深いモードはアマンダの魂の救済こそが自分の使命だと考え、献身的に彼女の世話をする。しかしモードには、神のお告げを信じて問題を起こした過去があった。やがてモードは、自分がアマンダのもとに派遣されたのは神の意志を全うするためだと確信。信仰心を暴走させた彼女の看護は、手段を選ばない危険な行為と化す。モードを「クロール 凶暴領域」のモーフィッド・クラーク、アマンダを「コンテイジョン」のジェニファー・イーリーが演じた。

2019年製作/84分/イギリス
原題:Saint Maud

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
ローズ・グラス
製作
アンドレア・コーンウェル
オリバー・カスマン
製作総指揮
サム・ラベンダー
ダニエル・バトセック
メアリー・バーク
脚本
ローズ・グラス
衣装
ティナ・カリバス
編集
マーク・タウンズ
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映画レビュー

3.0”宗教勧誘はおやめください”と言う注意喚起

2023年8月23日
PCから投稿

※端的なレビューが難しいのでこれから見る人には優しくない文章です⚠️

ラストシーンが狂おしいほど好き。
5回リピートして見直した。

【あらすじ】
勤務していた病院でトラブルを起こし転職、末期患者を自宅看護することなった主人公。
エターナルケアを行う段階で患者をキリストの道へと導こうする・・・

主人公が異常なほど盲目的😰

キリストへの熱心な信仰心という題材だけでなく、どんな人間が狂信に走り易いのかという定義をされた気分。

残された謎として、彼女が狂信者になったきっかけはハッキリと描かれないため心残りではあります。

ただ察するに”自分勝手”で”利己的”そんな部分に嫌気がさして友人が消えていき、孤独と対峙した時に信仰に救いを求めたのでしょう。

本来は自分も快楽主義なのに、我儘に人生の終焉を迎えようとする患者に昔の自分を投影し、同族嫌悪に陥っただけでしょうね。

担当した患者が快楽主義者かつ末期患者と言うことで、性を弄び、最後を好きに生きる自由がある以上、我々が攻めるべきは主人公の看護師一択なのである(笑)

めっちゃ関係ないけど、この映画に登場するゴキブリには"ナンシー"という名前があってエンドロールにも記載がある🪳

Nancy/Cockroach
ナンシーが"ゴキブリ役"をしたってことね笑

まさにトレーニングコックローチ🏋️‍♂️

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二ノ前

2.0手がつけられない

2023年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公は看護婦で、末期患者の世話のため住み込みで働くことに。
主人公は、自分は魂を救うため神から使わされたと強く思い込んでいた。
次第に激しさを増し・・・。
こんな救済はいかがなものか。

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いやよセブン

3.5孤独の弊害

2021年11月4日
PCから投稿

物語を創作するばあい、日常を書いても、おもしろくないので劇的にする。
劇的にすると、日常性が失われるので、ホラーってことにする。
だから映画作家のキャリアスタートがホラーなのは理にかなっている。

ホラーにくふうを凝らすことで、アスターやワネルやピールやデヴィッドロバートミッチェル・・・そして本作も、脚光をあびた──わけ。である。
くふうを凝らす際、キャラクターにじぶんや、じぶんの見知っているにんげんを投影する。それが、映画の味わいを深める。

がんらい、作家はホラーではなく、キャラクターにじぶんや、じぶんの見知っているにんげんを投影したドラマを描きたい。ところがそれじゃ他人様が見ておもしろくないし、じぶんのキャリアはまだ確立していないからホラーにした──わけである。

ちなみに、映画づくりの素養が不確定にもかかわらず、作家活動の初っぱなから、キャラクターにじぶんや、じぶんの見知っているにんげんを投影したドラマをつくってしまうのが日本映画。

映画づくりをべんきょうしてホラーからはじめることをおすすめしたい──がシライサンの監督みたいに他分野で著名だと「栄誉監督」ができちゃう日本ならではのシステムもあるし、最初から大作を任される七光りパターンもある。日本映画界にはよくもわるくもセオリーがない。

Rose Glassという女性監督の長編デビュー作。本作のまえはショートフィルムもしくはオムニバスのセグメントしかない。Rose Glassでけんさくするとロゼワインのはいっているワイングラスの画像がいっぱいでてくる。w。

海辺の街。信心深い女性モード。失態をして病院をくびになり、住み込みの看護人になる。ロングアイランドのようなおもむきのある街だが、イギリスらしく陽光感はまったくない。看護するのは女性舞踏家アマンダ。華やかな交遊とキャリアだったがリンパ腫で残暦わずか。モードはアマンダに取り入ろうとするものの激しい自意識によってふたたび失職する。
孤独で、思い込みがはげしいモードは、しだいに現実と非現実が見境なくなっていく・・・。

篤信が狂気に変わっていく孤独な女。かのじょがどれほど孤独か──気が滅入るほど巧く描かれている。そして、ほんとに怖かった。
なによりRose Glass監督の特異な持ち味が表出していた。ちなみに「特異な持ち味が表出」は、映画監督になろうとするひとの必要条件。

世評の高い新進の外国映画を見ると、つくり手の動機がよくわかる。なぜ映画をつくりたいのか、どんな映画をつくりたいのかが──とてもよくわかる。
(外国褒めに寄せて、いちいち牽強付会なディス日本映画をさせてもらっているが)新進の日本映画を見ても、動機がわからない。

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津次郎
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