劇場公開日 2021年10月9日

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「子供が描いた絵にケチつけるのは野暮ですよ」Cosmetic DNA 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0子供が描いた絵にケチつけるのは野暮ですよ

2021年10月16日
PCから投稿

子供の絵がデッサン狂ってようが、動物が二本足で歩いていようが、植物や太陽に顔があろうが、人間を緑色に塗ろうが、キャンパスから絵の具がはみ出ていようが、折り紙を貼り付けていようが、何をしても自由ですよね
子供の描いた絵に対して、大人があれがダメ、これがダメなんて言うのは野暮ですよ

ただ、本気で映画監督になろう、映画業界を変えてやろうと思ってるなら、一から映画を勉強し直したほうがいいと思いました
タランティーノはもう来ないのに、何時までもゴア系映画を有り難がってる夕張だから評価されたのであって、一般的に商業的には本当に酷い出来です
映画と呼ぶべきかも躊躇います
ゴア系の血や暴力を有り難がる癖も許容されるべきだとは思いますが、タランティーノは脚本がちゃんと成立していて抜群に面白い上に、血が少し過剰に飛び散ってるだけですからね
脚本がリアリティのないゴミなら、血も殺人も暴力もレイプもゾンビも、悪趣味の羅列でしかないです

まず最も大事な脚本レベル、それに役者の演技力、監督の演出力が圧倒的に足りていません
なのに、それを照明や撮影や編集やグレーディングや音楽や衣装メイクで、ぜんぶ個性的ということにして誤魔化してる
変わった服装や身なりをしていても、中身が薄っぺらい人間はやっぱり薄っぺらいんですよ
まず中身で他人に興味を持って貰える人間にならないと
テーマや作家性、それを最も効果的に伝えられる脚本、そして、それを演じる役者
大事な要素の上位がすべて欠落していることを下位の要素を厚塗りにして誤魔化しすぎです
コスメティックだけにね

一つだけ良かったのは、フェミニズムをテーマにしていたこと
愛だの青春だのありきたりなテーマばかりでどれも似たり寄ったりな自主映画とは一線を画してました
ただ、テーマに対する答えは上手に導き出せていません
何が言いたいのかは本当に支離滅裂な映画でした

東鳩