劇場公開日 2021年9月23日

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「韓国人や日本人には、とても刺さる内容。」整形水 チキ太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0韓国人や日本人には、とても刺さる内容。

2022年7月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

容姿が幼い頃からコンプレックスであり、それが原因で性格がひがんでいる主人公。
彼女は整形水を手に入れて裏方メイクから人気芸能人に。
容姿が端麗になったものの、内面までは変わることができなかった。
迫ってくる男たちを外見・収入・社会的地位など表面だけで判断しており、差別意識が根深い。また、両親への態度も酷く、しつこく整形のための金銭を要求し、それが失敗したときには両親の肉を使って体を再生した。その際には感謝の一言もなかった。

容姿を変えることはできたが、自分自身を愛する方法。本当の幸せを見つけることができなかったのであろう...
常に周囲の目線ばかりを気にしていて、その評価次第で自分の価値が決まると思っている。外見は人それぞれ個性があり、やはり美醜の基準というものも存在する。それに抗ったり、変化をもたらす(整形)も一つの手段であろう。ただ、外見の美しさがゴールになってはいけない。
私たちが追求するべきは外見のみならず、人間を形作る全てを醸成させることだろう。
外見のみに執着することは、我々を形作る「人格」「徳目」「教養」などをおざなりにしてしまう。外見至上主義の風潮に流されることなく、上記を含めた総合的な自分を高めることが、末長く幸せに生きるためには必要なのではないか。

チキ太郎