劇場公開日 2021年5月21日

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「ここでもアメイジング・グレイス」やすらぎの森 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ここでもアメイジング・グレイス

2021年7月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 1週間前、亡父の忘れ形見でもある愛犬(16歳)が天寿を全うした。ペットロスにならないかと思っていたけど、どうしても喪失感だけはやや残る。ご主人様と一緒に旅立つのが犬にとっても幸せなのか?などと思い巡らせ、あのシーンでは恥ずかしながら号泣してしまった。一見残酷なように思えるけど、両者とも幸せだったに違いない・・・と思う。

 カナダでも山火事が多いのか、山と緑に囲まれたのどかな湖では考えられないような内容だった。ボイチョクが遺した絵画の数々はその悲惨な光景を抽象的に描いていた。日本人の感覚からすれば、空襲にあった都市のようにも思えるし、災害から生き延びた人の心の苦しみをも訴えてきてるかのよう。

 個性的なじじいたち。閉ざした心は互いに開こうとしない。プライベートなルールを守って、犬たちと余生を楽しんでいる。犬の名前を呼べば湖に飛び込んできて、一緒に泳ぐ。釣りをして、ギターで弾き語りして、ハッパを育ててエンジョイする世捨て人たち。3人のうち、テッドが心臓発作で亡くなり、そこへ思いがけない来訪者が現れるといったストーリー。

 閑散としたホテルの支配人スティーブ、美術館からやってきた写真家のラファエル、そしてスティーブの叔母でもあるジェルトルードが彼らの生活に絡んできて、それぞれの死生観も浮き彫りになってくる。「自分の死ぬ日は自分で決める」。彼らはそれぞれ青酸カリも持っているのだ・・・驚き。

 ジェルトルートのつらい日々を感じるより、むしろチャーリーやトムの生き方に共感を覚え、老人になったらこうありたい!としみじみ思う。

kossy
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2021年7月17日

コメントありがとうございました。
私も飼い猫が逝った時は3日くらい涙が止まりませんでした。
でも、自分が先に死ぬのは最悪なので、猫が先で良かったです。

この映画のじいさんは、強いですね。
ノマドランドの人たちより、ずっと。
自然を相手に生きるのは、スキルが高くないとできないし。
強いから、決断もスパっとするんですかね。すごいなあ。

ぷにゃぷにゃ
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2021年7月16日

ワンちゃんご愁傷様です。
そのタイミングではあのシーンは響きますね。
泣くと心が軽くなると思います。

ぷにゃぷにゃ