劇場公開日 2021年5月28日

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「冒頭の映像が一番度肝を抜かれる一作。」アオラレ yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0冒頭の映像が一番度肝を抜かれる一作。

2021年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

もちろん、『グラディエーター』(2000)のマクシムス将軍と同じ人物とは思えないほど様変わりしたクロウの異様な迫力が見所の作品なんだけど、邦題やポスターの文句が強調するような「あおり運転の恐怖」よりも、簡単に個人情報が入手できてしまう恐ろしさの描写に力点が置かれた作品です。

巨漢の操る巨大なピックアップトラックが迫ってくる迫力は凄まじく、派手に破片が飛び散り、車体が面白いように回転するクラッシュシーンは、もしこれが4DXなら間違いなく身体をのけぞっちゃうだろうと思うほどです。音響も素晴らしいレベルで、主人公の女性の恐怖を同時に体験しているという感覚となります。

どう考えてもクロウの車は悪の権化にしか見えないので、この車(F-250)を提供したフォード社の太っ腹ぶりには感心します。本作がむしろ車の宣伝になっているとしたら、それはそれで米国の車社会はどうなっているんだ、と思ってしまいますが。

クロウは冒頭から常軌を逸した極悪犯ぶりを発揮していて、さらに全く自らの命を省みないという捨て鉢な恐ろしさも加わって、共感する要素はほぼゼロなんですが、彼に追い詰められる主人公のレイチェルも、急いでいたとはいえその交通マナーはどうなんだ、と思うところ多々あるので、最初の彼らの接触場面では、少しクロウに同情してしまいました。

第三者がここまで簡単に個人情報が入手できてしまうとは!という恐ろしさが本作のもう一つの見所なんだけど、これはすでに『search/サーチ』(2018)がかなり詳細に描写してしまっている上、本作の方はクロウがごく短時間にそこまで仕込むという手際にもちょっと無理を感じるので、リアリティの弱さがちょっと気になるところでした。

yui