劇場公開日 2022年12月3日

「懐かしくも新鮮な味わいを凝縮させた傑作」THE FIRST SLAM DUNK 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5懐かしくも新鮮な味わいを凝縮させた傑作

2022年12月31日
PCから投稿

何も情報を入れずに観て本当によかった。まさに目から鱗。子供の頃から心と体に染み込んでいるはずの物語がこれほど新鮮に感じられるとは衝撃だった。本作を観て改めて気づかされたのは、そもそも「スラムダンク」の本質が5人の主人公たちが共に織りなす群像劇だったということ。筆先から生み出される横一線に並び歩く姿そのままに、各々が濃密な個性を打ち鳴らし、それが合わさることで疾風怒濤のハーモニーが生まれゆく。その上、本作に限っていえば、伝説の山王戦に時間軸を定め、さらに5つの視点の重心を変化させることで、我々が慣れ親しんだハーモニーから”これまで聞こえてなかった響き”を鮮やかに抽出してみせる。これは原作者だからこそ成し得た画期的なアプローチと言えよう。公開から約一月が経つのに人気が衰えない。年の瀬らしく僕の観た劇場では家族連れや地元の古い仲間どうしで鑑賞する人も多く、その様子がもう一つのドラマを生んでいた。

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牛津厚信