配信開始日 2020年12月25日

「【extraordinary】とびっきりの愛=相手(の夢の実現)を想うこと」シルヴィ 恋のメロディ よしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【extraordinary】とびっきりの愛=相手(の夢の実現)を想うこと

2020年12月29日
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【extraordinary】とびっきりの愛に --- あなたのようなにとびっきりな作品には一年の内にそうそう何度も出会えるものではない。60年代らしく、まるで実際その時代に作られた作品のような趣でありながら、実際は当時、黒人にここまで本当の意味で目を向け理解した作品は無かったろうから、そういう意味で実は新しいという画期的さ。ある意味無きものとして黙殺されていたようたロマンス。
カルテットのように洗練された調和が織り成す映画の祝祭。美しい映像と思わず酔いしれるようなムード、見事な雰囲気作り。滲み出るハイセンスさと温かな眼差しが観客を優しく包み込む。すごく綺麗にまとまっているし、何より表現としての真摯さが伝わる。優しい嘘、相手を想っているがために黙っていること --- 一緒にいられなくても互いの幸せを願う。愛という古今東西あらゆる方法で語り尽くされた題材だからこそ、純粋に際立つものがあるし普遍的。黒人(文化)の歩みへの広義の愛、音楽愛とりわけジャズへの愛。今お気に入りの曲は?See you later, alligator.
HELP WANTED フレンチライトは恋に落ちる暗示 --- 最高に真っ直ぐロマンチック。婚約しているテレビ好きの主人公テッサ・トンプソンは、父のレコードストアで、事情があって形式だけ置いていた従業員募集の看板を見て入ってきたサックス奏者のロバートと出会う。デートはおやすみのキスまで。そしてフレンチフライのパリへ旅立つ。彼は第二のコルトレーンに、彼女は一番のファンになると約束した別れ。それから5年後、劇場の前で二人は運命的な再会を果たす。彼は夢を叶え始めており、彼女も結婚し家庭を持ちながらテレビという好きなもので夢を叶えようと頑張っていた。「今日にピッタリ」と言うのは簡単だけど、当時の(家庭もある)黒人女性がそういう風に仕事で夢を叶える、自己実現することがどれほど厳しかったか、難しかっただろうか。自分で作るときは言ってくれ。楽しみが待ってる、見逃さないで。そんな二人の前に障害が立ちはだかる。妊娠や仕事 --- けど一緒にいないと幸せになれないとしたら?After a while, crocodile.

P.S. 勝手に教訓:軽口は叩く相手を選べ
モンクの新譜。ウェイアウトウエスト、シーユーレイターアリゲイター
モナ・リザが言ってた、シルヴィが離婚したとな
「俺に家族は無理だわ」

とぽとぽ