劇場公開日 2021年10月1日

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サウンド・オブ・メタル 聞こえるということのレビュー・感想・評価

全103件中、1~20件目を表示

4.0「ろう」という生き方

2021年3月31日
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鑑賞方法:VOD

メタルバンドの話で、ものすごく騒がしい作品なのかと思っていたら、むしろ聴覚を失ってゆくミュージシャンの物語だった。まあ、メタルバンドのドラマーが主人公なので、最初の印象が間違っているわけではないのだが。
タイトルの「サウンド・オブ・メタル」はダブルミーニングだった。メタルバンドの主人公が音を失っていくという点でメタルの音の物語でもあるが、もう一つは、聴力を取り戻すためのインプラント手術後の音を指している。インプラント手術は簡単に言うと金属を耳に埋め込むようなもので、疑似的に聴力を回復させるためのもの。この音が大変に不快な金属音なのだ。映画は主人公が手術を受けた後の音を観客にも体感させる。世界の音の何もかもが金属の反響音として聞こえてくる。本作は、そんな描写も含めて、「ろう」とは治すべき病気や障害ではなく一つの生き方の実践であると描いている。ろう者のコミュニティが牧歌的な心地よいコミュニティとして描かれているのもその表れだ。音が非常に重要な作品なので、本当は映画館で観たい作品である。

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杉本穂高

4.0Deafness, Strangely, A Theme Seldom Explored in Cinema

2021年1月25日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

It's hard to approach deafness or blindness in the way paralysis was explored in The Diving Bell and Butterfly. How can a film sell if there is no sight or sound to it? Sound of Metal goes in an out of the lead character's head, and to a new realm when cyborg technology takes hold. The film is touching, seeing an authentically portrayed crust punk schooled on community. Also a sad film. Must see!

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Dan Knighton

4.0苦悩の先に答えなんてなくていい。

2020年12月31日
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村山章

4.0すべてを肯定して静寂に身を置くことで得られる平穏

2020年12月31日
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怖い

幸せ

ある日突然、耳がほとんど聞こえなくなる。それも、恋人と一緒にトレーラーハウスに住まい、行く先々のライブハウスでドラマを叩き続けるドラマーがである。当然、彼の絶望感は半端ない。唯一の治療は脳に音を音として感知するチップを埋め込むことなのだが、如何せん治療代が高額だ。そんな八方塞がりのドラマーが、友達の紹介で入所するろう者の支援コミュニティで、仲間たちと手話を介して対話し始める。だが果たして、そこは主人公にとって終の住処たり得るのかどうか?ことはそう簡単ではないことを本人も観客も知っている。しかし、明確な手がかりがある。焦り、もがき苦しむドラマーに対して、コミュニティの創設者がこう語りかけるのだ。「耳が聞こえないことはハンデではない。治すものではないのだ」と。そして、「静寂こそ平穏が得られる場所なのだ」と。音のある世界からない世界へ、豊かさから貧しさへ、勝者から敗者へ。人生は様々な試練(騒音)と無縁ではいられないけれど、もしもそれを肯定できたなら、人は救済されるに違いない。激しいドラムプレーで始まる物語が、無音の世界へとシフトしていく意外性のある構成、主人公の聴力と第三者(観客も)の聴力を区別した録音演出、主演のリズ・アーメッドの痛々しいほどの肉体表現と追い詰められた演技。見所はふんだんにあるが、白眉はコミュニティの創設者を演じるポール・レイシーの、まるで神のような佇まいだ。レイシー自身も役柄と同じくベトナム帰還兵で、ろう者の両親を持つ身であることを考えると、さらにその演技は説得力を持つ。アーメッドとレイシーは共に来年のオスカー候補入りが確実視されている。

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清藤秀人

4.5筆舌に尽くし難い

2024年1月24日
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鑑賞方法:VOD

凍える暗闇から抜け出すため光に手を伸ばし

光だけを見つめ必死で手を伸ばし

凍え傷つく自分に
自分では気付かないから
それを周りの人は温めようとしてくれる

でも、光を手に入れたいから

抗い、もがき、苦しみ、何としてでも
どんな手を使ってでも光を手に入れたい

だから周りの人が温めてくれてることに
気付いているのに、向き合えない

やっとの思いで手にした光

手のひらで見た光は
自分が求めていた光とは違う色だった



後ろに戻る道はない

それでも人生は止まってくれない。

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トント

5.0耳が聞こえないこと。

Mさん
2023年11月9日
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市川團十郎によく似た主人公が耳が聞こえなくなる。ただ、それだけの話なのに、心に残る。主人公の苦しみやイライラが直に伝わってくる。
可能ならば見た方がいい。

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M

4.0自尊心をブッ壊す凄まじい葛藤と静寂に心打

2023年11月2日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

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The silk sky

4.5タイトルを見返した

2023年8月20日
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鑑賞方法:VOD
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ティム2

4.0オスカー候補の秀作

2023年7月27日
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耳の聞こえなくなったドラマーの葛藤と周囲の人との協調と軋轢を、時折挟まれる無音シーンなどを駆使してキリキリ揉まれるような印象で演出していますが、一方、悲惨過剰にならないようなバランスも絶妙です。

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越後屋

3.0音響賞を取っただけあって

2023年7月12日
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悲しい

怖い

知的

音がすること、しないことの日は感覚。映画は音、映像共に素晴らしく、全編リアリティーが凄いので、自分がこうなったらどうするかとずっと考えさせられる。

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ブロディー署長

4.0静から動への変換! ドラムの音がSeoulと共鳴し合う作品

2023年7月7日
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鑑賞方法:映画館

ドラマーであるルーベンが聴覚を失い、路頭に迷うなか、ハンデを抱えながら自分の聴かせたい音楽をどうやって、人に伝えていくか
と言うストーリーでした。
日々の暮らしのなか、路頭に迷うルーベンが
恋人のルーの勧めもあり、聴覚障がい者の
コミュニティーに参加する場面は、
手話を通して自分と人とのコミュニケーション
を、少しずつしていき、自分の音楽と共鳴し合う!
自分の音楽を表現することが出来る!
ほとんど音が聞こえないなか、静寂から
音を振動で感じる、ルーベンが新しく一歩
踏み出す姿を見守っていきたい気持ちで
見ていました。

教会の鐘、街のざわめき、無音のなか
父親と再会できた喜びは人生の再出発を
嬉しく思うシーンでした。
補足、耳のインプラントの手術を初めて知りました。
映画館にて観ましたが、レビューが遅くなり
すみませんでした。

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美紅

4.5重みをもった感覚

mさん
2023年6月28日
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映像がどれだけ感覚に近づけるか、そういう意味ではかなり成功していると思う

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m

4.0何が正解なのかを考えさせられる作品

2023年5月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

とにかく切ない。状況により人は生き方を変えねばならないのだろうが、変えるにしても何をあきらめ何を優先すべきか。果たしてそこには答えはあるのか…本作は多面に渡って語りかけてくる。
彼の苦悩からの必死の決断、そして彼女の不安からのやむを得ない現実的な判断。このカップルを誰も責めることはできないだろう。
正解を暗示させるラストシーンも余韻を残す。

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いけい

4.5障害を受け止めるということ

2022年7月21日
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失ってようやくその恩恵に気付く 職業的な突発性難聴のお話だと思っていたのですが、もう治らないんですね そう人間(?だけじゃないだろうけど)の聴覚はスグレモノなのだ 大音量の中で人と会話しててもちゃんと会話だけ聴き取れるし(カクテルパーティー効果)、何も聞いていないようでも、気になる言葉が耳に入れば注意を向ける、無意識の内に選択的に聞けるにようなっているのだ ルーベンが人工内耳の手術を受けてからのくだりは、祖母の補聴器の話を思い出しました すぐに落ちたり、音が全部が全部大きくなってどうにも不愉快だったらしいです 聾のコミュニティの教えを受入出来なかったのが残念でしたが、最後は哀しいけど、悟ったようですね
しかし難聴になる人とならない人の差が? アルコールとドラッグ関係あり?

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ゆう

3.5じわじわ食らってくるラスト

2022年7月18日
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突然降りかかる障害に向き合うのはほんとに難しい、と、言葉で言うのは簡単。

主人公の苦悩は計り知れないだろう。

その中で、耳が聴こえない事をハンディと捉えないという施設が出てきて、手術をして恋人に再会もして、主人公が迎えるラストシーンが秀逸。

どのようにも解釈できるラストシーン。ただ一つ言えるのは、人生は続いていく、っていう真理。徐々に食らうラストでした。

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トニー

3.5聴こえなくなったら!

2022年4月3日
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大阪ぶたまん

3.0障害を描き切れていない惜しい作品

2022年2月21日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

 アカデミー賞音響賞を受賞しただけあって、音の表現は圧巻です。主人公そのものを生きることができる作品はそう多くはありませんが、この映画はそれに成功した作品の一つでしょう。

 ただし、この映画が社会に何らかの問題意識を共有したい作品である(監督自身もそれを目指している)ことを考慮すれば、主人公ルーベンやその他の聴覚障害者の苦しみが描ききれていなかったように感じます。もちろん、個人的な苦しみ(ドラマーとして聾者になること、療養中に彼女が前へと進み始めていたこと、手術を受けても生活は元通りには戻らないことなど)は繊細で洗練されたものとして多くの人の記憶に残ったでしょう。ですが、社会的な苦しみはあまり描かれることはありませんでした。それはこの社会がいかに聴覚障害者にとって生きづらい世界かという、社会のデザイン側を問う視点です。
 障害学には、障害の「医学モデル」と「社会モデル」という概念が存在します。医学モデルは、障害は本人にあり、医療によってそれを治療しようとする考え方です。一方で、社会モデルは障害を社会の側に帰属させる、すなわち、様々な身体的制約のある人々の生活を拒むような障害が社会の側にあるとすると考え方です(「バリアフリー」という言葉の「バリア」はこの意味で使われています)。障害学は、医学モデルを批判し、社会モデルをその立場としています。
 この映画では、「障害は治すものではない」という医学モデルの否定まではありました。ところが、「結局は当人の考え方次第」というところへ帰着してしまい、社会の側を問う描写はほとんどありませんでした。もちろん障害者に対するセラピーはとても重要ですが、そればかりにフォーカスすると障害というものを個人に背負わせてしまいます。障害者理解を広げるためならば、社会モデルもきっちりと扱うべきだったと感じます。

 とはいえ以上のことが、音響のダイナミクスや役者の素晴らしい演技を否定してしまうわけではありません。鑑賞後は劇場で、騒がしいほどの静寂を楽しみました。

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Allan

2.0アカデミー賞受賞作品と聞いて…

2022年2月11日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

第93回アカデミー賞のノミネート数が6つとやけに多かったので気になって観ることにした。この時点で間違いだったのかもしれない。この映画はまるで値段は高いが身体に良くなく絶品とも言えない食べ物を口にしているようだった。後味はしない。何もかも中途半端でやり過ぎず、かといってやらないわけでなく色々と頑張った感が目に余る。思わず見入ってしまう映画ではあるが観終えてもう一度観たいと思うのは、あの目のパキってる主演のリズ・アーメッドの腹筋だけだ。唯一“障害はなおすものではない”という言葉が考えさせられた。個々で存在して生きている私たち人間は、もっと対等な関係で価値観を共有すべきではないのだろうか…

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ぴち

2.0普通

2022年2月1日
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意外に真面目なロッカーをして最新式補聴器の性能を問う一本。普通。

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きねまっきい

4.0生きるって何だろう

2022年1月6日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

難しい

自分も含めて、人には色々な人生がある。
生きるということが、物心がついた頃からだんだんと当たり前になってきて、自立して仕事に追われるようになってからは"生きている"というより毎日がまるで何かルーティンで動いているような感覚におちいる。
ただし、そのルーティン化された毎日の作業工程のような人生はその動力源である身体が正常に作動していることが前提条件である。
昨日まで正常だった機械が突然故障したら?
部品交換や整備で直らなかったら?
ルーティンは何一つ欠けても成立しない。
だけど人生は続くのだ。
だとしたら、生じた不備は不備と思わず、むしろこの状態がデフォルトだと考えて、新たなルーティンを構築していく。
健康で何一つ不自由なく毎日を過ごせたら、もちろんそれに越したことはない。
しかしながら、人生何かに"つまずくこと"も少なくない。
そんな時こそ、何かを変えるという考え方を受け入れなければ先には進めないのではないだろうか。

まさにそれこそが生きると実感する瞬間なのだ。

と、肯定的に捉えるべきである。

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ヒックス伍長