劇場公開日 1990年11月

「社会派劇の張り詰めた空気の演出」Q&A Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0社会派劇の張り詰めた空気の演出

2013年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

難しい

ストーリー:75点
キャスト:75点
演出:80点
ビジュアル:70点
音楽:70点

 真面目な社会派映画。派手な演出や見せるためだけの場面を多用していないのだが、ギャングやらゲイやら悪徳刑事やら善人面した検事やら登場人物の多彩さによって腐敗や裏社会を生々しくも生き生きと描いていく。上司や刑事からの重圧や、それによってこの世界における自分の将来への不安などもあったことだろう。それでも張り詰めた空気の中で自分の仕事を追及していく姿の演出が緊張感があって楽しめた。
 最後の結末は必ずしもすっきりと納得するものではない。大きな社会の壁にぶつかるのは仕方がないとしても、その内容がどうもあまり本筋とは関係がないような気がする。最初はぼやけていて夢の世界なのかとすら思った。仕事で大きな壁にぶつかったから、打ちひしがれた後にせめて私生活で安らぎを求めようとしたということなのだろうか。

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Cape God