劇場公開日 2021年1月22日

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「非常に見応えのある現代史の実録モノ」KCIA 南山の部長たち 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0非常に見応えのある現代史の実録モノ

2021年1月24日
PCから投稿

見応えのある実録モノであり、各々の人物の感情のうねりがダイナミックに伝わってくる。単に歴史的事実を並べるのではなく、そこに個々の思惑がどう絡み、いかにして79年のあの日、あの時、主人公が引き返すことのできない橋を渡ることになったのかを、時に針のような鋭さで描く。つまり、感情はダイナミックで、演出はタイト。このメリハリが本作では巧みに機能していて、韓国、アメリカ、フランスという広大な場所移動を抱えながら決してバラバラな印象はなく、さらには一つ間違えると複雑さに溺れかねない相関図をあえて最小限にしたのも効果的。本編が2時間弱に収まっている点も含めて、作り手のアングル設定が非常にクレバーなのだ。そしてやはりイ・ビョンホン。メガネ奥の目の動きで、彼の動揺や思惑、意志、覚悟のほどが推し量れる。さらにはベテラン役者陣との絡み合いによって場面ごとに微妙に温度感の異なる化学変化が醸成されていく様は見事だ。

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牛津厚信