「美しい台南の、偉大なる庶民のファミリーヒストリー。大傑作。」弱くて強い女たち エクさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5美しい台南の、偉大なる庶民のファミリーヒストリー。大傑作。

2020年11月9日
Androidアプリから投稿

作品を観て、すぐに地下鉄に乗った。

家路を急いだ。

あまりの感動をすこしも漏れ出させたくなかった。

昨今流行りのヘビーな喪失の物語ではない。

偉人の出ないファミリーヒストリー。でも偉大な愛と愛嬌があふれでる。

家族もそれぞれがそれぞれに愛おしくて、どこか切ない。僕が好きなのはさみしがりやの次女だ(笑)ちょっと恋心が湧いてしまった…。

埋められない喪失を家族が何とか埋めあっていく。すれ違いながら埋めていく。傷つけあいながら埋めていく。性格も生き方も特徴付けられることになる。

取り戻せない喪失は、時々痛みを運んでくる。愛を信じきれなくなっている自分を見つけたりもする。でも、愛をふたたび見つけられるのも家族だからこそ、なのかもしれない。

この作品を観て、とても勇気付けられた気になった。

なにがあったって一生懸命生きりゃあいいんだ。

届かなかった愛だって、巡り会えたことに感謝できる日がきっとくる、切ないけどね、そんな気持ちにさせてくれた。

美しい台南の、はるかに遠い台南の、でもとっても身近な偉大なるファミリーヒストリー。大傑作だと思う。

映画の素晴らしさが詰まっていた。

エク