劇場公開日 2021年4月3日

「観てよかった、心が洗われる。」ブータン 山の教室 あささんの映画レビュー(感想・評価)

5.0観てよかった、心が洗われる。

2021年6月18日
iPhoneアプリから投稿

ブータンの人々の生活や習慣を目にする機会がそんなに多くない我々にとって本作はブータンの人々の生活を知ることのできる貴重な作品である。その生活といったら、資本主義経済である日本で生まれ育った我々にとっては到底考えられないような質素で簡素な暮らしぶりだ。

なのに、なぜだろう、その生活や人々の存在が美しく尊い。この地球にこんな神々しい世界が存在するんだと。本作を見れば見るほどにひたすら消費し続ける私たちはなんて愚かな存在なんだろうと思わずにはいられない。

また“先生は子どもたちの未来に触れることができる”というセリフからも教育のあり方、教育者とは何ぞやという課題も問いかけている。

“幸せ”とは何だろうかーー。

紙一枚さえも貴重、勉強できることが幸せだと感じる人や場所がある一方で、資本主義国に住む私たちは生まれた時から多くのものを与えられ欲しがり、もっと、もっと、といった欲や煩悩に囲まれて生きている。その対象は人や物、多くの経験をすることにも向けられている。だけどもっと、もっと、とその底なしの欲望は延々に満たされることはないのかもしれない。

多くのものを知らないからこその幸せ、与えられた物や場所で精一杯生き抜くことも一つの幸せ、いや真の幸せではないだろうかと気付かされる。ため息の出るような美しい山々と生命あふれるヤクや愛くるしい子どもたちの笑顔に心洗われる貴重な作品だ。

あさ
NOBUさんのコメント
2021年6月18日

今晩は
 “幸せ”とは何だろうか・・。
 ”今作、絶対に面白い筈!”と、僅かな経験値を頼りに、わざわざ大都会まで車を走らせ観に行きました。
 ■結論
 仰る通り、現代消費社会に生きる私には、とても心に響きました。都会にの生活に染まった先生が、本当に大切なモノに気付いていく過程。先生を待ち望んでいた村の人々の笑顔と、もてなす心。級長の女の子の父親が酒浸りなのに、弾けんばかりの笑顔、そして別れの際の涙と先生への手紙・・。
 お客さんは、たった4名でしたが、心に残る映画になりました。
 映画って素晴らしいなあ・・、と改めて思った作品でもありました。
 では、又。

NOBU