劇場公開日 2021年6月25日

  • 予告編を見る

「女子高校生とメイド喫茶、津軽三味線の三題噺」いとみち ショコワイさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5女子高校生とメイド喫茶、津軽三味線の三題噺

2021年9月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

萌える

1 内気な女子高生の家族との日常やアルバイト先での出来事を通じて成長していくさまを描いた青春ストーリ

2 主人公は、小さいときに母がなくなり、青森の母方の祖母に育てられた。そのため、土着の年寄り並に津軽弁がキツイ。また、津軽三味線の奏者として鍛えられた。学校では友人がおらず、家では亡き母のことを想い寂しさを覚える日々。ある日、三味線の稽古をさぼり、胴体の手入れミスから音が歪み祖母から厳しいお小言。そんな彼女が三味線の修理代稼ぎなどからメイド喫茶で接客アルバイトに入る。言葉づかいなどで苦労するが、店長や同僚のフォローにより彼女にとって大事な居場所となる。喫茶店が存続危機に陥ったとき、彼女は三味線ライブを思い立つ。

3 主人公と父親との親子関係は、とても淡白。母親の死後、娘を長らく祖母に預けたままにしていたのだろう。そして、その後同居したが、主人公と心の距離は縮まらなかった。その後、娘のバイトを巡り、互いに背を向けあうが、喫茶店で真正面から向き合うことでわだかまりが氷解し、ようやく心が通い合う。コ−ヒ−を飲みアップルパイを食べる。言葉はなくともとても良いシ-ンとなった。三味線のライブ演奏やラストの山登りのシーンでは、主人公の顔付きや表情が様変わりしており、内面の成長が見て取れた。

4 横浜監督は、女子高校生とメイド喫茶、津軽三味線という三題噺みたいなリアリティに乏しい設定の中で、親子が関係を見つめ直し、人間的に成長する様を真面目に描いたと思った。
また、配給会社はロ-カルな話をよくぞ全国配給した。とはいえ、主人公や祖母などの津軽弁の会話は、理解できないことが多く、字幕での表示があればと思った。

ショコワイ