配信開始日 2020年7月10日

「見応えあり!洋上の「ブラック・ホーク・ダウン」か!?」グレイハウンド じょぉさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見応えあり!洋上の「ブラック・ホーク・ダウン」か!?

2020年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

コロナ禍の影響で劇場公開を見送ってしまい、Apple TV+でオンデマンド公開になってしまったトム・ハンクスプロデュース、脚本(!)・主演の入魂の映画。
ネタバレは避けるが、ショートな上映時間1時間30分ほどのほとんどが第二次世界大戦、連合軍の船団護衛 vs Uボートの正に手に汗握る攻防である。
もう、洋上の「ブラック・ホーク・ダウン」とでも形容したくなるくらい、対Uボートとの戦闘、戦闘、戦闘が続き、連合軍とともに休む暇がない!
現代戦と違う、第二次世界大戦当時の対潜水艦戦はものすごい緊張感、緊迫感で迫ってくる。
その描き方は特徴的(見てね)
そしてその描き方によって自分も駆逐艦に放り込まれたかなような緊張を強いられる。
描写は、奇を衒わず、アクションを丁寧に、時にダイナミックに見せる。
おそらく、船団、駆逐艦、Uボート、そして海など、ほぼ全てCGだろうが、かなり見事にできている。
実写で不自由に撮ることも(ダンケルクとか)それはそれでいいが、きちんとスケール感も含めて描写するためにはCGは避けられなかったことだろう。
トム・ハンクスは、過去に第二次世界大戦のドラマシリーズをプロデュースしているが、それらの作品にあった目を背けたくなるリアルと思わせる惨状は、かなり控えめな描写。
特徴的な描き方に控えめになった理由があると思うが、ひょっとしたらグロ表現を嫌うApple TV+で公開するため、少々割愛されたのではとも勘繰れる。
それでも、敵も味方も生死を分ける戦闘から戦争の恐ろしさはにじみ出る。
Uボートを撃破できれば一気に50人、死ぬわけだ。
駆逐艦や物資運搬船がやられれば、一撃を逃れても逃げ遅れたり溺れたりして相当数の犠牲者が出る。
下手をすればマスゲームのような映画になってしまうところをきちんと処理したトム・ハンクスの脚本はお見事。
反戦を声高にいうでもなく、ある意味淡々と、ある洋上の殺るか殺られるかの戦闘を描くことで戦争の恐ろしさを伝える手法。
やはり洋上版ブラック・ホーク・ダウン的興奮を覚えた。
自分は絶対に戦場に行きたくない、行っても使い物にならないであろうことを思い知らせてくれる。行きたくないから、兵士教育を受けた誰かを人殺しに出撃させたくないから反戦を願う。

世界同時公開したばかりで字幕版オンリーだが、近いうちに日本語吹き替え版もアップされる模様。

じょぉ