劇場公開日 2021年2月19日

「マンガだからこそ成立しやすい世界で実写化困難なはずが、演技力と演出で巧く成立した恋愛映画。」ライアー×ライアー 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0マンガだからこそ成立しやすい世界で実写化困難なはずが、演技力と演出で巧く成立した恋愛映画。

2021年2月18日
PCから投稿

まず、正直なところ、この企画は実写映画では無理そうだと思っていました。
テンポがコントロールしやすいマンガだからこそ成功するもので、これの実写化はリスクが大きすぎると危惧していたからです。
ところが、人格等が文字通りコロコロ変わる役柄を松村北斗と森七菜が見事に演じ切り、かなり自然にストーリーが流れていて、実写化に成功していました!
本作では松村北斗と森七菜がメインですが、周りの配役もしっかりしていて、特に森七菜の周辺の男女2人が良かったです(男性の方は、見慣れていたはずでしたが、メガネ効果でエンドロールまで別の俳優かなと思い、名前を見て「あ、そうだったんだ!」状態でした)。
この作品の面白さは、人格等がコロコロ変わるのには実はキチンとした理由があるところで、それも含めてしっかりと描けていました。
松村北斗は本格的な俳優人生がこれから始まるかどうかの指標になりそうな作品ですが、当初はかなりクールな感じで表情に乏しいイメージがありましたが、本作ではそんなイメージを壊し、これから期待できそうな雰囲気です。
森七菜も落ち着いた役柄が多かった気がしますが、本作で様々な顔を見せ、これから幅広い演技が期待できそうです。
「ライアー」×「ライアー」の方程式が導き出した答えも含めて、本作は王道系の恋愛映画ながら、化学反応が面白い作品でした。
エンドロール中でも物語は続くので最後まで席を立たないようにしましょう。

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細野真宏