劇場公開日 2022年7月20日

  • 予告編を見る

「良い映画だけど、傑作ではない。評価に迷う作品。」あなたと過ごした日に いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5良い映画だけど、傑作ではない。評価に迷う作品。

2022年9月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

映画チラシを読んだときから、この作品に惹きつけられた。息子から見た父親を描いた映画。
つい、私の父親と比べてしまう。

この映画の父親は、子供想いの優しい良い親だ。子供は6人いるが、唯一の男子である長男を溺愛している。私の父と比較すると、信じられないくらい優しい。日本の昭和の父親達の中にも、このような父親は存在していたと思う。でも、少数派だろう。愛情表現が下手なのだ。

父と暮らした日常生活が延々と描かれていく。くどいくらいに。観る人によっては退屈かもしれないが、監督が意図的に撮っている。それで上映時間が3時間近くとなってしまうが、それなりに工夫して眠らないように作っている。

私の不満は、父親を余りに理想化してはいないか。欠点をさらけだした方が、人間らしくていいと考える。白黒やカラーを使い分けている。終盤は白黒になり、何の意図があるのだろうと考えていたら、ドキュメンタリー仕立てにしたかったと思いついた。

コロンビアの政治状況が分からないと、すぐには理解できないだろう。ラテンアメリカの文学も、背景に政治状況が見え隠れしている。

私が大好きな映画「ベニスに死す」が2回スクリーンに映る。主人公が本当に好きだったのだろうか。ひょっとして監督の趣味かと感じた。原作を久しく読んでいないので、読みたくなった。

父親の背広から出てきたメモは、ボルヘスの詩だ。
観て損はない映画である。

いなかびと