劇場公開日 2020年6月5日

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「モノクロになってより際立つもの」パラサイト 半地下の家族 モノクロVer. よしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5モノクロになってより際立つもの

2021年1月16日
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【象徴的】ディス・イズ・マスターピース。持論 : "(アメリカ映画に多い)豪邸が舞台の映画は、つまらないものが多い"…を見事に覆された衝撃といったらなかった。《高さ》で見せる画作りが完璧だと改めて思った。すべて繋がっていて一瞬たりとも、一切無駄にしないのスゴいブリリアント。それは濃淡の際立ったモノクロ版でより顕になっている。画面の中の線に目が行く。同じゾーンに、心のブラックボックス。例えば、友人が持ってきた石を見たときや、計画を思いついたとき。真に象徴的で強烈。アイム・デッドリー・シリアス。中の中までしっかりとクリエイティブさという火の通ったウェルダン。
隅々まで《計画》とその意図が行き届いていて、本当によく練られている。前フリが効いているトーキング・アバウト。カットやセリフ、一切無駄がない。効果的なリビールショットも多い。ユーモアのセンスも秀逸。リラックスしたムードから一転するときにはより際立つ。コメディとサスペンス、そして痛烈な社会派ソーシャルコメンタリーを多角的なエンタメに昇華する手腕にひたすら唸る。やはりヤング・アンド・シンプルの逆、まさしくオールド・アンド・コンプレックス。イズ・イット・オーケー・ウィズ・ユー?
あの臭いがする……そう、韓国に負けている、してやられている。においが度を越してやがる。束の間の幸せ満喫タイムから一転、急転落させて哀れ惨めな感じにさせるのなんかも上手かった。突きつけてくる絶対的身分差。ユー・ノー・ホワット・アイ・ミーン?見れば見るほど驚嘆させられる、気づけば夢中に見入ってしまっている自分がいる。ホワイ・ノット?インディアンの格好というのもまた象徴的。痛いシーンは本当に痛そうだし、本当の意味で背筋の凍る怖さと衝撃に全編満ちている。
胸を触るときなぜ時計回りなのかは分からず仕舞いだけど、この屋敷をイチから作ったのはリスペクト!編集で役者それぞれのベストテイクをつなぐというテクニックも採用しているらしい。素直にお人好しでのんびりとした奥さんが好き。信じられる人とのつながりがベスト、信頼の輪。ファイティン!オーバー、それでは…

とぽとぽ