劇場公開日 2020年11月21日

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「「復興」の過程を伝え続けるラジオパーソナリティー」空に聞く chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「復興」の過程を伝え続けるラジオパーソナリティー

2020年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

関西に住む者にとっては「阪神淡路は忘れない」と思っていたのに、もう25年となります
寅さんが菅原市場でロケをしてくれて以降、震災を題材にした映画もたくさん作られました
サトエリ主演の「その街の子ども」は毎年神戸のミニシアターで上映されるし、最近も「れいこいるか」という新作も公開されました  震災が人々にもたらしたものを作品として今日観ると、その場で暮らし体験した者が、次の世代に伝える責任を感じます
関西に住む者にとって「東北」の震災は、どこか「他所事」に感じていることがあるのかもしれません
関西に比べて被害の内容は異なるけれど、津波が街を呑み込み、そこにあった生活をすべて奪い、まったく新しい街をつくらなければならないという事実、そしてパーソナリティは「今」を伝えなければならない、  まったくの素人だった阿部さんの姿を通して、阪神とは違う東北の人々の苦悩に触れた思いがしました  長年受け継がれてきた「まつり」が失われかけたのに、新しく整理された土地で復活しようとしている姿、そこには希望ばかりではないことを私たちは知っていますが、希望を持ちたくなる作品でした  東北の震災も数多くの映画で描かれました  人々の暮らしにあまりにも大きな影響を与えて震災、何とかしなければというそこで暮らす阿部さんの思いが伝わってきました(12月17日 京都・出町座にて鑑賞)

chikuhou