劇場公開日 2020年6月12日

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「公開時に見逃した私が馬鹿だった」あなたにふさわしい タカシさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0公開時に見逃した私が馬鹿だった

2021年8月18日
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公開時に、脚本:高橋由信の名前を見たときから是非観たいと思っていたけれど、それを見逃した私が馬鹿だった。
とんでもない傑作だった。
ハッピーアワーや王国(あるいはその家について)で素晴らしい脚本を書いている高橋の名前を見て、直ぐに映画館に駆けつけるべきだった。2組の夫婦が休みで一軒の家に泊まる5日間で明らかになる夫婦の亀裂について、端整に描いた作品。
一組(飯塚)は夫が先走り、勝手に判断をしてしまう。また、もう一組(林)の夫婦は妻が仕事人間でプライベートの時間が作れない。この二組の夫婦の繋がりは飯塚夫と林妻が同じネーミングの会社に勤めているので知り合ったらしい。別荘に着いて直ぐに客先からの無理な注文で林妻は飯塚夫に相談して、一から仕事をしなければならなくなり、2人は一緒に休日返上で仕事をしなければならなくなった。そこで2人は近くのカフェで仕事をするため別荘を抜け出すのだか、残った飯塚妻と林夫は不倫関係にある。飯塚妻は三行半をしたためて、それを林夫に渡して読ませる。
粗筋はこれぐらいにして、タイトルにもなっている「あなたにふさわしい」は仕事のネーミングでふさわしい言葉を探すことに由来している。
不倫についてのみ描いた作品だがここで描かれる濃厚な人間関係と聡明な二組の夫婦に感動した。
林妻のようになんでも言葉にすることが出きる頭のよさに憧れるが、それが夫を窒息させてしまうこともある。

タカシ