劇場公開日 2020年9月4日

  • 予告編を見る

私たちが生まれた島 OKINAWA2018のレビュー・感想・評価

全1件を表示

3.0在沖米軍基地問題はオキナワ固有の問題ではない

2020年9月5日
iPhoneアプリから投稿

上映時間141分とドキュメンタリーとしてはかなり長い内容。都鳥伸也、拓也兄弟を中心に少人数スタッフで制作されたそうだが、映画そのものの構成としてはラフでやや冗長な印象を受ける。

しかし、沖縄基地問題を若い年代の視点で捉えて、その世代の関心を拡げていくと共に、県外の人にも日本全体の課題として捉えて欲しいとの問題提起に強く共感する作品。

米軍基地に関するイシューで一番懸念されることは、周囲の「無関心」や「あきらめ」だ。「国には絶対逆らえない」、「結局はなし崩しで押し切られるだけ」とこちらから白旗をあげてしまっては、ますます相手(政府)の思う壺。今の沖縄にとって、未来の沖縄にとって本当に必要なものでなければ「NO!」と言い続けることが必要だ。それを考えるのに若い世代が中心になって取り組むことはとても大切なこと。ミライの沖縄は彼らが担っていくのだから。

「(オキナワの基地問題は)沖縄の人たちの問題であって、自分たちの問題ではない」と「日本の安全保障上、オキナワの基地は絶対に必要」という主張は明らかに矛盾している。安全保障上、米軍基地が重要だというなら、本土の日本海側地域や北海道、首都圏近郊への移設を検討すべきである。これ以上の負担を沖縄県民だけに押し付けることは、あきらかに地域差別的な内容だ。

本作は多面的に基地問題を考察し、若い世代が考えるきっかけになる映像テキスト。
主張が一方的だとの意見があれば、反論するドキュメンタリーをぜひ作って欲しい。
議論が活発になることはとても良いこと。

市民の意見を無視して、一方的に負担を押し付けるのは、どこかの赤い独裁国家となんら変わりない。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
atsushi