劇場公開日 2020年7月10日

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「「アフターピル」や「選択式男女別姓」に反対するヒトは、本作の悪役と同類だと自覚せよ」透明人間 みっくさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「アフターピル」や「選択式男女別姓」に反対するヒトは、本作の悪役と同類だと自覚せよ

2020年8月4日
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最近、ある芸人の「トイレ不倫」が話題になった。
その件で「彼は不倫SEXがしたかったのではなく、女性を支配したかった。」と論じていたブログがあり、とても納得ができた。
なぜなら、ホテルでゆっくりと愉しむこともできたはずなのに、トイレという場で、短時間で済ませる、つまり、(相手の同意があったとしても)女性の人格を無視し、辱め、そして『支配』することが目的の行為であり、これは、痴漢とか、パワハラ、セクハラと類似の行為。
目的は性的快感じゃない。

別の話。
ネットで「アフターピルの是非」が議論になった。つまり、レイプや避妊の失敗の際、処方箋なしでアフターピルを買えるようにすべきか否か、という議論。
私は「選択肢が増えるので反対する理由はない。」と賛成だが、反対がビックリするほど多かった。
理由は「安易な性行為が増えて、貞操が乱れる」等だった。
でもこの理由はおかしい。
同じ理由でコンドームを否定してないのに、アフターピルに反対するのはおかしい。
本当の反対理由は、「妊娠の主導権(決定権)を女性に奪われることに反対」だろう。
つまり、避妊方法がコンドームだけであれば、男性側に主導権がある。妊娠させたくないのであれば、使用するし、そうでなければ使用しない。

ネットに限らず、法廷でも議論になる「選択式男女別姓」について。
私は「選択肢が増えることは賛成」
しかし、主に保守派では「家族観が崩壊する」「子供の名字が‥」として反対する意見が圧倒的に多い。
保守派がいくら否定しても、現状は(実質的に)女性に男性側の姓に変更を求める制度である。女性側に自己決定権・対等・平等は認めないぞ、という。

で、本作。
「透明人間」と言いながらも、主題は「DV・支配欲」であり、「男女平等」である。
「男女平等」は現代では当たり前、と思うだろうが、上記のアフターピルも選択式男女別姓にしても、男女平等を認めない勢力は強い。特に日本では。
件の芸人にしても、アフターピルや選択式男女別姓に反対するヒトは、(本人は認めないだろうが)、本作の悪役と同類である。
(特に、作品中に、主人公が使用していた避妊薬をすり替えて、妊娠させていた。それも「子供が欲しい」ではなく、相手を「支配」する「手段」として、相手を「逃さないため」の手段としての「子供」を求めた。このことからも、『同類』というのは明白である。)

みっく