劇場公開日 2020年7月10日

透明人間 : インタビュー

2020年7月13日更新

「透明人間」演じたオリバー・ジャクソン=コーエンが明かす大爆笑の撮影現場とは?

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ソウ」シリーズの脚本家として知られるリー・ワネルが監督、「ハンドメイズ・テイル 侍女の物語」のエリザベス・モスが主演を務めたサイコサスペンス「透明人間」が、7月10日に公開される。透明人間役を演じたオリバー・ジャクソン=コーエンが、笑いの絶えなかった撮影現場の様子や、「あれほど恥ずかしい思いをさせられたことはない」という透明人間になるための“試練”を明かした。(取材・文/小西未来、編集/編集部)

ゲット・アウト」「アス」を世に送り出したブラムハウス・プロダクションと、ワネル監督がタッグを組む本作は、最先端の技術で恐怖と狂気に満ちた“透明人間”を描く。天才科学者の富豪エイドリアン(ジャクソン=コーエン)に束縛されていたセシリア(モス)は、ある夜、計画的に脱出を図った。悲しみに暮れたエイドリアンは、やがて手首を切って自殺。莫大な財産の一部は、セシリアに残されていた。その後、エイドリアンの死を疑っていたセシリアの周囲で、不可解な出来事が起こるようになる。命の危険を伴う脅威となって迫る“見えない何か”――セシリアは死んだはずのエイドリアンに襲われていること証明しようとするが、徐々に正気を失っていく。

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――これまでに何度となく透明人間というキャラクターが描かれていますが、過去の作品は参考にしましたか?

確かに、これまでにさまざまな透明人間が登場している。子どもの頃、「透明人間」を見たのをはっきりと覚えているよ。たぶん1933年版の「透明人間」で、クロード・レインズが出演していたものだったと思う。いまでも彼の演技を見ると驚くし、発見がある。ただ、今回の映画に出演するにあたって、過去の作品をリサーチする必要性を感じなかったんだ。この物語の核は家庭内暴力だし、透明化する新薬が登場するわけでもない。ワネル監督は、透明人間という設定を、信じられないほどリアルな物語のなかで描くことを選んだ。だから、リジー(モス)や僕にとって大事なのは、家庭内暴力の問題に取り組むことだった。過去の作品を参考にするのではなく、この関係を可能な限り正直に描くことに力を入れたんだ。

――映画「推理作家ポー 最期の5日間」や、テレビドラマ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」など、あなたの出演作にはホラーが多いのはなぜですか?

必ずしもホラーというジャンルが好きなわけじゃないんだ。たとえば、「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」の場合は、僕に言わせれば子ども時代のトラウマとその影響についてのドラマで、それがあまりにもよく描かれているので、ぜひとも参加させてもらいたいと思った。あれがNetflixのドラマとして大成功して、次に何をしたらいいかと思っていたときに、この映画のオファーがあったんだ。このジャンルにまた挑戦すべきかどうか悩んだけれど、リジーとはぜひとも仕事をしたかった。詰まるところ、ホラーというジャンルのなかには、語ることができるたくさんの素晴らしい物語があるってことなんだと思う。家庭内暴力というシリアスな問題も、ホラーというジャンルのなかでは、口当たりの良いエンタメとして描くことができる。子ども時代のトラウマだってそうだ。また、ホラーには魅力的なキャラクターが不可欠だ。役者にとって、そうしたキャラクターを演じるのはまさに本望だしね。

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――透明人間の場面は、いったいどうやって演技をしたのですか?

正直、最悪の経験だった(笑)。

――なぜでしょう?

撮影の1カ月程前に、リーに聞いたんだ。透明人間になった僕の場面をどうやって撮影するの、ってね。すると、リーはただ「大丈夫だから」と言うだけだった。当日、現場に着いて衣装部屋に行ったら、蛍光グリーンの赤ちゃん用パジャマを渡された。あれほど恥ずかしい思いをさせられたことはなかった。セットにいる誰もが僕から目を逸らすんだ。笑われるならまだいい。でも、そのパジャマを着て現場に足を踏み入れたら、誰も何も言わず、目を逸らすんだ。笑い飛ばせるレベルを超えているほどみっともなかったんだよ。リーはこのことを知っていて、あえて僕になにも言わなかったんだ。まったく。

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――現場での雰囲気はいかがでしたか?

正直言って、撮影現場でこれほど大笑いしたことはない気がする。 リジーとリーと僕は相性が良すぎた。実際、誰もクビにならなかったのが不思議だ。いつまでも笑い転げていたから。映画がシリアスなだけに、精神のバランスを保つために本能的に正反対のことをしていたのかもしれないね。

――ワネル監督との仕事はいかがでしたか?

最高だよ(笑)。いや本当に。とても魅力的で、ファニーだ。彼の最大の特徴は、かつて俳優だったので、役者の気持ちを理解していることだね。脚本家兼監督と仕事をしていると、当然のことながら、自分で書いた脚本を大事にしすぎる傾向がある。でも、リーは信じられないほど協力的で、こちらの意見を積極的に取り入れてくれた。彼自身、脚本の完成度はあくまで8割で、残りを埋めてくれる人として僕やリジーを雇ったと言ってくれた。役者にとって最高の監督と言えるね。

――もしも透明人間になれたら、何をしたいですか?

実は、(取材を受けている)ここ数日、同じ質問を多くの記者にされていて、そのたびに返答に困ってるんだ。正直に言えないから(笑)。

――悪事に使う、ということでしょうか(笑)。

その通り。内容は、想像に任せるよ(笑)。

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