「アクション作品、意欲的ではあるが粗い」インフィニット 無限の記憶 tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アクション作品、意欲的ではあるが粗い

2022年4月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

前世知識を活用した秘密組織の戦いを描いたアクション作品

「いやいや、それはない」が多数ある。
細部が粗いのを許容できないならおすすめしない。
本作の数少ない笑いどころだ。

主演マーク・ウォールバーグに監督アントワーン・フークア
『ザ・シューター/極大射程』でも見た組み合わせ

マークの老化が気になるが、肉体づくりをして挑んだ作品なのか、CGかわからないが
半裸シーンはかなりの努力がうかがえる。
ただマークである必要性があまりない、若手にするべきだったと思う
年齢にふれることもあまりなく、人生の描写が不足している。
生まれ変わりというテーマでマークほどのキャストを選ぶならそうした描写を入れるべきだった

アクションを描きたかったというのがよく分かる。
好きなシチュエーションやアイディアが多数盛り込まれているのだろう
冒頭のカーチェイスや格闘は見応えあり(かなりツッコミどころはあるが)

面白かったのは冒頭のカーチェイスでのレンガ飛ばし
終盤の壁に刀で傷をつけながらの鍔迫り合いくらいか、
あとは珍妙なガジェットや武器が多数あるが割りとよくある印象

SFとして”生まれ変わり”というテーマを扱っているが、
そこに絡む諸問題(性別、年齢、他の動物など)には触れることがなく
人間関係についても薄い描写で、テーマ性が弱い

単純なアクション映画としたかったなら他にいくらでも設定があった
おまけに敵側の動機づけが弱くなる武器の登場は流石にない
トラウマの植え付けや認識汚染をするなどの方法を取ったほうが良かった

記憶の復活という目的で展開する映画は多々あれど、本作はかなり残念な展開
水責めで記憶再生は『キングスマンゴールデンサークル』などで既出

「前世の知識を生かして」というのであれば、もう少し人脈、知識、技術で感心させて欲しかった。
また刀を使った戦闘を描きたかったのならチャンバラにすればよかった

アクション映画としてはそこそこに楽しめる。
SF風味の映像も良い。
それなりに費用がかかっているが、うーん・・・もう少しなんとかならなかったか

tabletap