劇場公開日 2020年10月9日

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「日常の話なのに引き込まれます。」82年生まれ、キム・ジヨン バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日常の話なのに引き込まれます。

2020年10月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

特に女性の共感を多く得られる作品なのではないでしょうか?
主人公の境遇は僕の友人の多くにもあります。
ですが、韓国の(いや?世界中?)家族事情、親戚事情もあり、女性が受ける
精神的なストレスは僕自身、見ていて「こりゃぁ、辛いにもほどがある」って思いましたもん。
こんなに辛いんだ?出口の無い迷路。
それに、男性には良いクスリです、観ることは。
男性はわかっているようでわかってない、、、
あぁ、身につまされました。

作品が終始主人公に寄り添うような視点で描かれているので
どんどん主人公の気持ちに気持ちが重なっていきました。
日常の細やかなポイントでの「受ける圧力」「生きづらさ」「ストレス」「モヤモヤ」「差別」
などが綺麗に拾われていきます。
そしてそれらには必ず、自身の生活や生い立ちに関連付けさせていくので
より説得力が増していきます。
日常生活の中に存在している女性にとっての残酷が
折り込まれて描かれていきますから、辛いんだけど
引き込まれていくんですね。

そしてこの作品は韓国はじめ世界中の男性主体の環境に対してのアンチテーゼでもあり、女性が生きづらい
世の中である訴えなんでしょうね。
でも、後半になっていくに従い、徐々にではあるものの変わっていく家族の描写は、世界の環境への変わって欲しいと言う願いなのかな?

押し付けがましくなく、流れるような展開で
それをなんとか泳ごうとする強くて脆い、いち人間が上手に描かれていました。
夕日でたたずむシーンが印象的です。全編で。

ただ、苦言を言えば「病気」ということをクローズアップしすぎちゃったかな?と
なんか「病気」への感情が強すぎて、それを引き起こしてしまったことへの
フォーカスがちょっとボヤけてしまった感があります。
「病気」が治る、治らないってような感じになっていくところが、ちょっとどうかな?って。

バリカタ