罪と女王
劇場公開日 2020年6月5日
解説
仕事も私生活も完璧な女性と義理の息子の禁断の愛を描き、アカデミー国際長編映画賞のデンマーク代表にも選ばれた作品。児童保護を専門とする優秀な弁護士のアンネは、夫と前妻との息子で、問題を起こして退学となった17歳の少年グスタフを引き取ることになる。衝動的な暴力性があるグスタフは家族になじもうとしなかったが、アンネは彼を家族として迎え入れ、正しい方向へ導くため努める。しかし、グスタフとの距離を縮めていく中でアンネは彼と性的関係を持ってしまう。そして、彼女の過ちによって大切な家庭とキャリアが脅かされ、アンネは残酷とも言えるある選択をする。アンネ役を「リンドグレーン」のトリーヌ・ディルホム、グスタフ役を新人のグスタフ・リンが演じる。女性監督が手がけた作品で初めてデンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)の作品賞を受賞するなど高い評価を獲得した。「トーキョーノーザンライツフェスティバル2020」(20年2月8~14日/ユーロスペース)では「クィーン・オブ・ハーツ」のタイトルで上映。
2019年製作/127分/R15+/デンマーク・スウェーデン合作
原題:Dronningen
配給:アットエンタテインメント
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2020年6月3日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
新型コロナウイルスの影響で1ヶ月公開が遅れていましたが無事に日本でも公開されるようです。
本作は、デンマークのアカデミー賞(ロバート賞)で作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞など主要9部門受賞した、まさに2019年のデンマークの代表作です!
しかも、私が毎年注目しているアメリカのサンダンス映画祭で「観客賞」を受賞しているので、これは見ないと後悔しそうだと見てみました。
まず、本作は、題材が選ばれた視点から興味深いのです。
監督が「家族の秘密はどのように生まれるのか?」という視点から「家族の秘密が出来る様子を映画化しよう」と考えたそうです。
そして、選んだのが「性交渉のスキャンダル」。
「性交渉のスキャンダル」において「年上の男性と若い女性の関係」と「年上の女性と若い男性の関係」では、人々は圧倒的に後者の方を「ロマンチック」に捉える傾向がある、と分析しています。
言われてみれば、確かに日本においても、後者の方はセンセーショナルに取り扱われますよね。
そこで、生徒と性交渉を持った女性教師に関する記事をリサーチしながら、本作は形作られていったようです。
本作では、気の強い女性弁護士の一家に、夫の、元の奥さんの子供(青年)がやってきます。
最初は心を閉ざしていた青年が、「ある事」をきっかけに少しずつ心を開いていくのですが、その「ある事」にしても、あまり見たことの無い展開でした。
主人公の女性が頭脳明晰な弁護士、という設定も上手いですね。
そして、物語は想像できない方向に進んでいきます。
なるほど、ここまでしっかりとした作品であれば「2019年のデンマークの顔」となったことにも納得がいきます。
ただ、ストーリーは決して単調ではないですが、ハリウッド作品のように物凄く凹凸を付けて描かれているわけでもないので、刺さらない人もいるでしょう。
なお、モザイクの入るシーンでは、監督が「#Me Too」運動を過度に意識し、男性の俳優に相当に配慮した撮影がなされたそうです。ここら辺のエピソードは、女性監督ならでは、ですね。
本作は、あまり見かけない題材な上に、様々な判断を観客に投げかける良質な作品でした。「共感」「不快」「好奇心」など、どの感情でもいいので、一度は見てみてもいいのではと思います。
2022年1月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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17歳がこの体の女性に何度も発情するって、あり得ないとも思わないし人間って不思議だ…
リナにバレたとき、アンネはグスタフにそれを言わずに急に突き放したけど、見られたってその場で言えばグスタフはあんな行動に出なかったのでは。なんで隠す必要があったのか。
監督/脚本の方が「主人公に嫌悪感を抱く設定にする必要があった」と言っていたが、なんかもう見事に。最初は一応主人公目線で観てたけど、子どもたちがゲームしてる時に同じ屋根の下でって辺りから、アンネへのそれが増すわ増すわ。
自分の立場守るなら旦那に強く出るしかないわなーと思ったけど、「グスタフと出てけ」はなかなか…ひどい……
旦那に全部言っちゃうグスタフ、アンネの裏切りを思えば仕方ないとは思うけど、とはいえ青いですねって感じだった。
結末は想像できるけど、アンネが手を下したのかと思った、ビックリした!
冒頭のシーンに戻る見せ方がとても効果的で良かった。
鳥のさえずりだけのエンドロールもいい。
北欧作品は静かに後味の悪い感じが好きですが、この映画もでした。
仕事も、絶対に気づいている旦那や、愛する娘たちとの生活も守ったアンネだけど、娘たちがグスタフがいた時期の違和感みたいなものに気づかないといいなぁと…思います……
2021年10月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
チョットした昔の昼ドラの様な印象でした。
盛り上がり無く、あっけないエンドでした。
2021年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
夫の前妻との間の子供が問題を起こし、引き取られて来る。
主人公は双子の娘と夫との幸せな家庭を、この義理の息子にかき回されることになる。
弁護士として欲求不満をつのらせていた主人公は・・・。
大人は怖いんだよねぇ。
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