劇場公開日 2020年1月10日

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「じきに彼の声が聞こえるよ。「しっかりしろ。前を向け」って。」マザーレス・ブルックリン 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0じきに彼の声が聞こえるよ。「しっかりしろ。前を向け」って。

2020年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画の雰囲気がとてもいい。ミステリーでありながら哀愁が漂い、主人公の切なげな生い立ちが、古き良きNYによく溶け込んでいる。チック症の彼は、人の気持ちをうまく受け取れない軽く自閉症のきらいもあり、そのせいか女性ともうまく付き合うことができなかったトラウマもある。そんな自分につまずきながらも、その内面を見てくれる女性にも出会えた。
正義がどこかしら影があり、悪が悪なりの理屈がある。その理屈に負けそうにもなるが、その悪を「巨人の刀を持つのは素晴らしいが、その刀を巨人のように使うのは暴虐だ」と切り捨てる。きっちりと締めるところは締めてくくれる。
そしてなにより、探偵ものにはJAZZがよく似合う。

栗太郎