劇場公開日 2020年7月17日

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「すっげえよ、これ!娯楽として楽しい!」WAR ウォー!! CBさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5すっげえよ、これ!娯楽として楽しい!

2020年7月30日
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鑑賞方法:映画館

俺は、映画は文化だと思うが、俺にとってのインド映画は純粋に娯楽みたいだ。きょう観てきた「WAR!」は、その点で満喫させてくれた。よかったら、以下のレビューでその感覚を味わってください。

まずは、007やスパイ大作戦を意識しまくったかっこいいオープニング音楽。インドっぽさの混じる旋律が嬉しい。う~ん、ちょっと前、つまり古さを感じるのは、俺の思い込みかな? お、この登場の仕方はなにかを思い出す… そうか、マンガだ。子供の頃に読んだスパイマンガだ! 横山光輝先生もそんなの描いてた時期があったのを思い出したぞ!

いいねえ、迫力の銃撃戦と軽業的肉弾戦を交互に繰り広げる中で「何故、いま撃たないの?」のオンパレード! 途中まではそれを説明する「畜生、弾切れだ」的なシーンも交えてたけど、途中から面倒くさくなったのか、そんなシーンはなしだ。これぞ、ちょっと前のアクション映画だ!気持ちいいくらい振り切ってるぞ! 軽業的肉弾戦の激しい動きは見事の一言! なのになぜか俺は微笑んでしまう。いやあ、いいよ、最高!

そしてしぶい男の背景音は、耳をつんざく大音量の重低音だぜ!副主人公の大活躍の後は、主人公の登場! 10mほど歩くシーンのスローだけで1曲終わるぜ。この調子で151分見てたら、低音の響きでお腹がキュルキュルしてきちゃいそうなくらいだ!

もうとにかくすべてのシーンに音楽か効果音がついてるぜ。やっぱ、ちょっと前のアクション映画だ! 観客の心の動きを誘導してくれる親切効果音だ。「ここは主人公登場ですよ」「ここはしんみりする場面ですよ」手取り足取り効果音と音楽が教えてくれるぜ。俺は、単純なので、音の通りに引っ張られるぜ!もう最初から最後まで、映画の言いなりだ。ベタに音で引っ張る、まさに昭和の手法だ!

軍人だったが国を裏切った父をもつ副主人公ハリード。その父が撃った相手であり彼の師匠、主人公カビールが今度は国を裏切る!どうするハリード。国のために父親代わりのような関係までになっていたカビールを撃ち、真相を明かさせられるか!

古今東西のアクション映画すべてからいいとこ持ってきたような映画だ! 銃撃戦と肉弾戦はさっき言ったが、バイクでの山道チェイスから街中チェイス、もちろんあります! 後部ハッチを開けた航空機内での格闘! 航空機からの自動車でのダイブ! もちろんあります! 氷上のカーチェイス! もちろんあります! どれもちゃんと金をかけてちゃんと撮った見事なもの! どうだ!インドだって、これだけのアクションを撮れるんだぞ! いやあ、わかりました。参りました。凄いです。ほんとに凄いです。ホントにこれだけやってるのは凄いです! ただ、全部どこかで観たシーンって感じなんで、俺は感心する一方で、微笑んじゃいます。

先に書いたように151分です! 「疲れるだろ」 てことでか、インターバル映像も入れてくれたよ。あんな男くさい男が、娘?と仲良くしてるシーンを、幕間みたいにつけとくから観といてね、みたいなシーンで一服させてくれたよ。 休めた? 休めたら再びアクションの嵐の再開だよ! こんな調子で最後まで、ぶっ通し走り続ける!!

さすがに、この手のオールアクション映画では、インド映画の特徴である「歌と踊り」は封印か? と思ってきた頃! やはりあったぜ「歌と踊り」。 ハリードとカビールが紆余曲折を経て信頼しあえたシーンで、フルコーラスでの歌いまくり踊りまくりだ! 「ないわけないだろ」とでも聞こえてきそうだぜ!(あらためて思った。インド映画の踊りは "心象" の表現なんだろうな。「うれしいぞ!!」という気持ち=踊りまくり、なんだろうな...)これでなくっちゃ、インド映画じゃないぜ!

後半もずっとアクションだよ。どんどん規模が大きくなってくよ! おお、川を下るこのシーンは「地獄の黙示録」じゃないか! そして最後の決闘シーン。銃撃戦なんて、もう、芸術だよ! もう、ほんと最後まで楽しめます。馬鹿になって楽しめます! とにかく、すげえ金額をつぎ込んだんだろうな。そういう映画。

あ〜、気持ちよく、疲れた。

...惜しむらくは...
すべてのエピソードはちゃんとつながっている。どんでん返しもあり、さらなるどんでん返しもあり。いったい誰がいいヤツで誰が悪者なんだ!? というドキドキもある。そんなわけで脚本もがんばった! だけど、なんだかなあ。映画はこんなに楽しめるのに、なんでストーリーはもうひとつな感じがするんだろう? 多分に以下の部分なのかな、と思う。
後半、敵の豪華な自宅を見張る主人公。敵の自宅のほとんど全ての箇所に、カメラ・盗聴機を仕掛けることが出来ていて、相手の動きは手に取るようにわかる。そこまでカメラを仕掛けることは出来たのに、パソコンだけは触れなかったらしく、わざわざ人を送り込んで、USBを挿してもらわないと、敵の悪事が見抜けない、というところかな? ノリノリで観ている俺でも、「これだけカメラ仕掛けられたなら、そのついでにパソコンもやってくればよかったのに」と、気付いちゃったからか? そうなのか? そしてそのために敵陣に送り込むダンサーのナイナに起きることが、あまりに理不尽だからか?

たしかに、もうひとつ、本作をナイナの視点から見ると、ひどい映画だからな。単なる悲劇でなく、ただ一言、「ひどい」だ。この扱いは日本の70年代くらいだろうか?「エンタメのためにここは犠牲にしてもいいだろう」と考える部分が、古いんだろうな。

CB
kossyさんのコメント
2020年7月30日

CBさん、コメントありがとうございます!
インド映画も色んなジャンルのものが観ることができるようになってうれしい限りですよね。
さすがに長かったので疲れました・・・

kossy