劇場公開日 2020年12月11日

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「ピ、ピ、ピーヨコちゃんだ・・・」Away kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ピ、ピ、ピーヨコちゃんだ・・・

2021年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ある島にパラシュートで不時着した少年。巨人の魔の手から逃れ、楽園のような入り江で楽しみながらも骸骨となった人のバイクを拝借し、人が住んでいる町を目指すロードムービー。

 セリフは一切ないけど、ヒヨコ(?)が相棒となり、「ピー、ピー」という機械音が和ませてくれた。輪郭線もないCGぽい絵は、違和感があるものの次第に心に溶け込んでくるかのような錯覚にも陥ってしまう。一匹の巨人から逃れ、ヒヨコとともに成長を続ける姿は事故から一人だけ助かったという自責の念も感じられるし、孤独から希望へと変化を遂げる姿が清々しかった。

 巨人の風貌は、『風の谷のナウシカ』の巨神兵、『もののけ姫』のデイダラボッチ、『千と千尋の神隠し』のカオナシをも想像させるような謎の存在。監督(製作、編集、音楽)のギンツ・ジルバロディスも日本に影響を受けてると述べていることから、宮崎アニメを見たことがあるに違いない。さらにウユニ塩湖風の映像やドローン撮影したような背景とキャラの動かし方に新しさをも感じる。

 少年が苦難を乗り越える壁のような存在、巨人。島をゆっくり移動するカメや自由に空を飛び回る鳥と、ヒヨコの存在も少年に勇気を与えるのだ。キーポイントとなった寂れた橋への石落としとヒヨコのピンチにはハラハラさせられたし、緊張感と平穏のコントラストを絶妙に表現するテクニックも上手い。気持ちの良いアニメだと思います。

kossy
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2021年4月22日

ラトビアのアニメなんですね。
日本のアニメに慣れてると、いろいろな部分が新鮮かもしれませんね。

ぷにゃぷにゃ