ハスラーズのレビュー・感想・評価
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手垢にまみれたストーリーなので
なにひとつ目新しいネタもなく、唯一の発見は、「アメリカ人って、アジア人の女の子が好きなのね」、って点だけでした。
有名女優が主人公なので、なにか褒めるべき点はなかったかと思い返してみたのですが、あまりの陳腐なストーリーのせいで、ひとつも優れた点を見出せなかったです。
男は彼女達の前ではチワワ
リーマン・ショックを境目にストリップグラブで働く女性達がウォール街の男性達を手玉に取る物語。
一般人ならば、コンスタン・ウーは別映画「クレイジー・リッジ」を観たこと無ければ「この人主演?誰⁉︎」と不思議に。
また、ジェニファー・ロペスやジュリア・スタイルズも出ますので「懐かしい✨」と思う映画でもあります。
50歳美魔女ジェニファー・ロペスに驚かされ、彼女達の手の内に落ちていく男性共には面白味を感じますし、時代に流されながらも何とかそのニューヨークを生きようとした彼女達の姿は、犯罪史ながらも自立した女性を応援しているかの様にも思えた。(だから露出も低いんだろうね)
マイナス点はそのストリッパー主体的に露出が少なかった所。(男性目線では必ずしもこうなってしまう💧)
コンスタン・ウー場面をより観たかった所。
社会を翻弄した一時代を彼女らの視点でユニークに映画化。アメリカらしくて良いと思います。
金に踊らされるステージの裏で…
2008年、世界に大打撃を与えた金融危機、リーマン・ショック。
しかし、お金の動きに疎い自分にとっては、今一つよく分からず。この事を題材にした『マネー・ショート』もちんぷんかんぷん。
だけど、本作は面白かった。直接的ではないが、間接的な形で。
しかも、ストリッパーの視点から!
2007年。
新しいストリップ・クラブで働き始めたストリッパーのデスティニー。
生活は苦しく、上手く稼げないでいたが、そんな時出会ったのが、謂わば“女王”。ベテランのストリッパー、ラモーナ。
ステージに上がれば男女問わず目を引き、男たちは彼女に大金をバラ蒔き、ジャンジャン稼ぐ。
トップでスターの彼女と親しくなり、彼女から稼げるストリッパーをレクチャー。
メキメキ頭角を現し、2人で組んで、お金が溢れ出す溢れ出す!
高級マンションの一室を買い、贅沢に高級ブランド品を買い、恋人も出来、お金を貸してくれていたおばあちゃんに返済&孫からのお小遣い…生活は薔薇色に。
向かう所敵ナシ!
…だった。
そして、2008年…。
多くの金融マンが職を失い、財布の紐を固く締め、と同時に店の売り上げもガタ落ち。
それまでの生活からも転落。デスティニーは店を辞め、一児の母親となり、堅気の仕事を始めようとしていたが、世の中容易くはない。今まで甘い汁を啜っていただけ。
子供や生活の為、再びストリップの仕事へ。華やかだった以前から、淫靡な世界になっていた…。
そこで再会したのが、ラモーナ。彼女もまた生活に喘いでいた。
もう一度、かつてのような輝きを。人生再逆転の話を持ち掛けられる。
それこそ、本作の題材。それは…
ストリッパーたちがチームを組み、ウォール街の金持ち男たちから大金を巻き上げる!
リーマン・ショック後の米NYで実際に起きた、驚きの事件に着想を得たのが、本作。
さて、その方法は、単純っちゃあ単純。
まず、標的金満男を定める。この定め方も、顔やスーツなどではなく、身に付けている時計や靴で見定める。
“女の武器”で虜にし、ドラッグを混ぜた酒を呑ませて酩酊させ、その隙にカードで高額を支払わせる。
自分はストリップ・クラブではなく、友達と一時キャバクラによく通っていたが、こんな風に標的にされていたらと思うと、ゾ~ッ…。
まあ自分は、標的三段階の最下層だけど…。
方法は単純だが、やってる本人たちはいつも真剣勝負。
気付かれたら負け。一瞬の気の緩みも負け。
男共に媚びない女たち!
楽屋やプライベートでの姿もリアルで、これは赤裸々であると同時に素でもある。
再び生活が潤ってきたデスティニーやラモーナたち。
華やかな生活を自分の手で取り戻した。
が、無論忘れてはいけない。彼女たちがやっている事は、犯罪。
悪い事は長続きはしない。
罪を犯したら、必ず罰せられる。
次第に“仕事”にボロが出始める。
“標的”が恥を忍んで訴えを出し、警察が動き始める。
そして…
デスティニー役に、オウクワフィナと並んでハリウッドで活躍著しいアジア系のコンスタンス・ウー。
セクシーな衣装に身を包み、ポール・ダンスも披露、複雑な内面も体現して、新たな魅力を見せているが、劇中さながら圧倒的な存在感を発揮しているのが、
ジェニファー・ロペス!
スゲーよ、本作のジェニロペは。
数ヶ月トレーニングを積んだというポール・ダンスは超セクシーでド迫力。
話題の磨き抜かれたナイスボディは、“奇跡の50歳”と呼ばれるに偽り微塵もナシ!
カリスマ性、一人娘を育てる母性、若いストリッパーたちの面倒を見る姉御肌。
もう敢えて、姐さんと呼ばせて貰おう。
誰もがこの姐さんに惹き付けられ、虜になり、ついて行きたくなる事間違いナシ!
姐さ~ん!
そんな面だけじゃなく、演技も素晴らしいのだ。
女優として低評価の多い姐さんだが、その才能を光らせる役に巡り合えなかっただけ。
男たちから金を巻き上げるストリッパーという、女優なら一瞬躊躇しそうなキワモノ役を引き受け、堂々と。
賞モノだ。
実際、賞レース快調だったものの、オスカーではまさかのノミネート落選。
何故!?
理由は幾つか挙げられているらしい。これまでの女優としての低評価、女優/歌手の二足のわらじ、この役柄…。
それって、差別や偏見にならないかい!?
受賞は『マリッジ・ストーリー』のローラ・ダーンが大本命だったので難しかったかもしれないが、ジェニロペ姐さんのノミネート姿を見たかった。
作品は快テンポ。
特に音楽が、オリジナル・スコア、ヒップホップ、クラシック、オールド・ソングなど彩られ、ノリノリ。
それらに乗せて、一見はスキャンダラスな女たちの犯罪ムービー。
でも実はなかなか、深いドラマ性もある。
男尊女卑や職業偏見もチクリと。今映画界で流行りの格差問題。
後悔も。
もし劇中で、やった事を後悔なんかしてないなんて言ったら、自分の評価も低かったろう。重ねて言うが、彼女たちがやった事は犯罪。
デスティニーが語る、よく見るという悪夢。やった事へ対しての後悔、重責。それに押し潰されそうだったのだ。
展開はデスティニーの回想スタイル。
主に語られるのは経緯と事件と、ラモーナ。
事件以降、完全疎遠に。
あんなに仲良かったのに。心から信頼し合っていたのに。姉妹…いや、家族も同然だった。
一体、2人に何があった…?
再三言うが、犯罪は犯罪。
でも彼女たちも、あの世界的金融危機によって人生を狂わせられた。
お金で踊らされる人々、踊らされる国、踊らされる世界。
そんな中で、初めて出会った時、寒い屋上で毛皮で包み込んでくれたような温もり…。
純粋に欠けがえのない友達として、久し振りに連絡を。
ラストシーンも良かった。
うーん…ちょっと期待外れかも。
ディスティニーとラモーナたちがやった犯罪の内容がよくわからなかったのと、リーマンショックを日付だけ見せられてもピンとこなくて、全体的にそんなにはまらず。
飽きずには見られたし、シスターフッドにほっこりもしたけど、わたしはずーっとお金ないし、あの頃は良かったと懐かしめる過去もないしなー。
ストリッパー時代の小銭、大事にしてたらよかったんちゃうん?とおもってしまった。
胸糞悪い映画。
終始胸糞悪い気持ちにしかならなかった映画。
なんだこりゃ。
アジア人の主人公が、整理整頓のコンマリにしか見えなかった。彼女が人気ならコンマリが人気なのはわかる。
男が悪いって設定だけど、極悪人がいないじゃん。
もっと虐げられてる女たちが痛快に見返す映画かと思った。
ゴージャスでセクシーな攻め型美女の競演
ゴージャスでセクシーな美女達が、男を手玉にとって転がしまくる。ストリップクラブの異世界感や音楽の使い方、ファッションなど目と耳でたっぷり楽しめるのも良かったです。
でも男のダマし方が思ってたより過激で、あなたも楽しんでたでしょではちょっと可哀想かな…。笑
ざまあみろ! 女の友情は最高だ!
女の友情は男のそれよりも希薄だというイメージが強いのは何故だろう?と不思議に思う。時に女の友情なんてないと言い切る人までいたりするから尚更。女同士の関係に厄介なことが多いのは理解できるけれど、しかし女同士の友情は確かにあるし、それが男のそれよりも希薄だなんて絶対に思わない。この「ハスラーズ」を観て私はその思いを強くした。この映画で一番強く印象に残るのは、女たちの友情であり、絆だったからだ。
この映画に描かれる「女 対 女」の関係性がとても真摯で誠実ですごく良かった。世間は(というか特に男性は、と言った方がいいのかもしれない)女同士をすぐに対立構図に仕立て上げたがる節があるのを度々感じるのだけれど、この映画に描かれる女たちにそんなめんどくさいことをする人など存在しない。全員がタフで清々しくて気持ちのいい人ばかりだ。人種も入り混じってベタベタするでもなければ裏で手薬煉を引くでもなく、そこには男同士の仲間意識よりもあっけらかんとした友情がある。やっていることは犯罪だし、許されることではないにしろ、なんて気持ちのいい友情だろうと思ったし、なんて気持ちのいい映画だろうと思った。
犯罪映画として考えれば手口が甘いし、その犯行シーンの爽快感というか外連味のようなものはやっぱり少し薄味かもしれないと思うけれど、私はこの映画を女の友情の物語だと思ったし、そう思えば大満足の映画だった。
そして今回はジェニファー・ロペスがとにかく良かった。今まで何を間違えたかロマコメのヒロインみたいな全然似合わない役ばかりやってその都度こき下ろされていたロペスが、ようやく原点に戻ったかのように名演を見せている。忘れている人もいるかもしれないけど「セレナ」のあの名演こそ彼女本来の才能である。本人に付随するDIVAのイメージを逆手に取るかのように、そしてまた一流のアーティストだけが持つ絶対的な「華」を活かしてトップストリッパーであり主犯でもあるラモーナを体現。コンスタンス・ウー演じるデスティニーの先輩であり、親友であり、時に姉となり、時に母となりながらすべてを受け止めていく大きくて深い演技の素晴らしさ。ロペスをこんなに見直す日が来るなんで思ってなかったけど、この映画のロペスは最高にクールだった。
ジェニファー・ロペスが圧巻!
女性の連帯と友情、優しさを力強く描いた映画でした。
最近、第3のフェミニズムの波が来ていると感じます。それはハリウッドも然り。「スキャンダル」でも女性たちが勇気をもって男性に反旗を翻す過程を描きました。
この映画では何といってもジェニファー・ロペスの存在感が圧巻。あれが地なのではないかと思えるほど、自然で、これまでのどれよりもはまり役でした。強くて、パワフルで、美しくて、大きな母性で皆を包み込む姉御的な存在。ジェニファー・ロペスというと、マドンナと同じく、特別美人でも歌や芝居の才能がずば抜けているわけではないけれど、持っているものはすべて利用し(性的な魅力とか)、成功を手に入れてきた人一倍の野心家というイメージがあり、いつも一番前で注目されたい人かと思いきや、最後のエンドロールではコンスタンス・ウーの名がまず最初にクレジットされていたことに彼女の懐の大きさを感じました。映画の中でもアジア系である彼女の容姿や知性を認め、励まし、肯定します。仲間の「ゴージャスな」女性には、アフリカ系女性もいます。人種的にも配慮している作品だと思いました。
期待外れだったのは、ストーリーにひねりや深みがなく、中盤から中だるみし、もう少しコンパクトにまとめた方がよかったのではと思える点です。ジェニファー・ロペスのポールダンスは、ご本人より細身に見えたので、お顔が見えない部分は代役かな? それでも、ジェニファー演じるラモーナが彼女に重なるほど、母性と愛にあふれた、苦境にもめげない強い精神力を持った女性像を見事に体現し、女性の友情と連帯に拍手を送りたい気持ちになりました。
犯罪行為だろうと、自分の人生は自分で決める女たち
製作にアダム・マッケイが絡んでいるということもあってか、全体的なルックは、女性版『マネー・ショート』といった印象。
ただ、『マネー・ショート』は男達が頭脳を使ってウォール街を暗躍しようとするのに対し、こちらの女性達は頭脳と体を使って、快楽に溺れるウォール街の男達から金を吸い取る。
やってる事は間違いなく犯罪だが、冒頭で流れるジャネット・ジャクソンの「コントロール」で歌われるように、自分の人生のためだから、彼女達はやるのだ。
とても50代には見えないJ.Loの、「この国はストリップクラブよ」というセリフが実に重い。
とてもよかった
今見ると、だからコロナで何万人も死んじゃうんだよと思うほどの濃厚接触でハラハラする。けっきょく行きつく先はこん睡強盗団で、まったくひどい末路なのだが、しかしどんなに裏切っても久しぶりに会うとハグで迎えてくれるジェニファー・ロペスに涙が出る。あんな心強い存在がいるのは羨ましいな。
女友達とワイワイするのって何よりも1番楽しい。
リーマンショックの影響で生活の苦しい女たちが、金持ちの金融マンを騙して大金を稼ぐ話。
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この男の騙し方が、酒に強力なドラッグを混ぜて男がラリってる間にクレジットカードを勝手に使うっていう。おっそろしい(笑).
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やっぱり1番信用できるのって家族よりも彼氏よりも女友達の場合あるんだよな。女性ならではの悩みを共感し合えるし、言わなくても理解し合える。
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1対1じゃ男に勝てなくても、女同士が共鳴して協力し合えば何よりも強いと思う。高校野球の団結力より強いと思う(笑).
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この映画見て地元に戻って友達とワイワイしたくなった。ホームパーティの様子とかまさに女子会あるあるの光景でしょ。ギャーギャーギャーギャー騒いで(笑).
やめといたほうがいい
ただモヤモヤが残る映画。賢く欺くのかと思いきや、ただの茶番で終わったし、稼いだお金をファッションに使うシーンもなにをみせたいのかよく分からない。
同じお金をはらうならチャーリーズエンジェルをお勧めします。
コンスタンス・ウー好き❤️
あまり評価が良くないこの映画。犯罪映画だからでしょうか…。まあ、犯罪シーンは、いただけないし、共感もできないので、分からなくはないのですが…。
個人的には、ショーのシーン好きでした。バブル全盛期の華やかな世界、ちょっとワクワクしました。
それから、主演のコンスタンス・ウー、初めて見る女優さんでしたが、なかなか好きでした。ジェニファー・ロペスが、とても貫禄のある体型と存在だったので、とても対照的で良かった。私、何故か、こういうアジア系の女優さん好きなんですよね。黒髪ロングのチャンツィーとか…。ボディーも、ジェニファー・ロペスのボン・キュッ・ボンに比べると、薄っぺらい。でも、その感じが好き。しかも、ジェニファー・ロペスに比べると、賢かった。俄然、応援したくなるんです。良い、良い。
…とは言いつつも、ジェニファー・ロペスの貫禄には、恐れ入りました。思わず、年齢確認して、びっくりしてしまいました。あの歳で、あの体型に、あの動きって、流石としか言いようがありません。やはり、努力していらっしゃるんでしょうね。
試写会で
Hurt people hurt people... 真理。胃がキリキリするシスターフッドの傑作。『オーシャンズ8』もSATCはじめ皆がNYに抱く幻想も気持ちいいほど打ち砕く、さながら"全員"女性版『グッドフェローズ』・ミーツ・最下層『マネーショート』! ジェイロー(= デニーロ?)ことジェニファー・ロペス姐さんキャリア史上最高の名演技が始終素晴らしいし、彼女演じるラモーナの言葉・セリフ一つ一つの重みがスゴい。それはもちろん実話を基にした脚本の良さもあるけど、いちいち画が引き締まっていて格好良く独自の空気・雰囲気テンポを紡ぐ演出と、製作も兼ねた彼女自身の入魂の演技力&人生経験バックグラウンドに依るもの(そして両者に共通するものは伊達じゃないストリート感覚 ex. カーディ・Bの存在も)。自宅にポールまで置き猛練習に励んだほどで、体は所謂セクシーとかって表現を優に超えるほどバッキバキの筋骨隆々に仕上がりまくりで真の意味で人としてセクシー。背筋エグすぎ体の線太すぎるだろ! 彼女が傑作『アウト・オブ・サイト』以降、役者としてパッとしない出演作ばかりだったけど、本作であの輝きが幻などではなくまだまだ磨けることが証明された。またコンスタンス・ウー( = レイ・リオッタ?)も『クレイジーリッチ』と、本国1億ドル突破の本作でドル箱スターの地位更に強固に。ただゴキゲン&セクシーみたいにポップな作品を期待したら(良い意味で)肩透かしを喰らい、このウーマンパワーに懐持って行かれる!
作品としてもゴージャスやスキャンダラスという以上に骨太で、痛快爽快というより最後は胸締め付けられて切なくもなる。リーマンショック後を主に描きながら、そこに格差社会からの最下層=移民の変遷、母親という存在(デスティニー ≒ ラモーナ)まで込めしまう。正直オーディエンスフレンドリー抜群な作品ではないけど、例えば本作の製作に名を連ねているアダム・マッケイ(&ウィル・フェレル)監督『マネー・ショート』が届いた人にはハマるはずの傑作だ。時に居心地悪くもなったけど、それでもなお前のめりに見入ってしまったし、言うなら傷跡はまだジンジンズキズキ疼くのについつい触ってしまって気づけば抉っているような。だから気分が沈む瞬間もあるし、鑑賞後の余韻のまま今の社会を憂う事になるかもしれないが、だからこそ良いし見る価値がある。世の中を見据えて革新を突き刺してくる強烈な一打を見事にエンターテイメントとして昇華している、言うなら警鐘促す社会派エンタメ。ジェイローの言葉は最後の最後まで響く。そんなジェイローの尽力あってかサウンドトラックもこれまた豪華で、個人的には好きなロードの代表曲で出自を歌ったRoyalsが流れるタイミングが完璧だった。
人間の尊厳
誇り高く生きた女の人の話として観た。
ラモーナの美しさ、しかも見た目を磨くとかではなくフィジカルなトレーニングを積んだ先にある美しさにリスペクト。母性とよぶべきか?わからない、すごく大きな包容力。気丈に生きる彼女らの、自分を偽らずに、どんな手を使ってでもサバイブしようとする生命力に大きな魅力を感じる。
被害者はどっちなんだろうと思わずにいられない。
もちろんJ・ロペスの美しさは絶賛に値するが、主演の誰もが際立っている。
ジェニファー・ロペスとスクリーンで再会したのは『ザ・セル』(2000)以来だから、実に20年ぶり。当時も素晴らしく美しい容姿だと思ったけど、現在はゴージャス感も加わってより輝きが増していました。
彼女と共演しているもう一人の主人公、デスティニー扮するコンスタンス・ウーは、ストリッパーとしてはなかなか芽が出ないという役柄上、最初は控えめな演技が目立ちましたが、J・ロペス演じるラモーナとの共同ビジネスに乗り出すあたりから俄然輝きが増します。脇を固めるカーディ・B、リゾらもそれぞれ見事に役柄を主張しています(各方面での活躍ぶりからすると当然ですが)。
このように多様性、ボディポジティブムーブメントに強く配慮した配役である一方、Hustle(客引き)の餌食になる男性はみな一様に白人のビジネスエリートで、言動も罠にかかる経過も判で押したように同じであるという点で、演出上のバランスの悪さを感じました。もちろんラモーナらはウォール街で暴利を貪っているエリート証券マンを標的にしていたので、ある程度男性像が似通ってしまうのは仕方ないことです。しかし、幾つかのアクシデントを除いて男性達が同じ手口にだまされ続けるため、途中で少し退屈を感じてしまいました。目論見を見抜かれて危機に陥る、という場面が一つでもあれば緊張感が保てたと思うのですが。だまされた側の男性は友人の誰にも手口を明かさなかったのか、という疑問も残りました。この辺りは現実の事件の経過に忠実だったのかも知れませんが、必ずしも実際の出来事に忠実である必要はなかったかと思います。
映像も俳優も(パンフレットも)、非常にきらびやかですが、パンフレットでジェーン・スーさんが指摘しているように、彼女らの夢は必ずしも叶えられた訳ではありません。むしろラモーナとデスティニーがこのビジネスを手がけたのは、それ以外の夢が潰えたから、とも言えます。その点を踏まえると、本作は女性の力を全面的に信じ、称賛している訳ではなさそうです。結末でラモーナの手から舞い散るあるものが、彼女らの夢や努力のはかなさを象徴しているように思いました。
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