劇場公開日 2020年2月7日

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「最高の温かさで包み込んでくれるロードムービー」ザ・ピーナッツバター・ファルコン ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0最高の温かさで包み込んでくれるロードムービー

2020年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

雄大な河が、海へと注ぎ込む辺り。この映画のあらゆる登場人物は心に何かを秘めて生きている。ここからどこかへ旅立ちたい。目の前の壁を突き破りたい。でも現実を考えるとそんなことは不可能・・・。そんな思いを全て背負いこむかのようにダウン症の青年が介護施設を飛び出し、途中で出会った仲間とともに、夢にまで見たあの場所をひたすら目指す。

本作は障がいといった要素を扱いつつも、しかし決してお涙頂戴には陥らない。むしろそこに生きるあらゆる人々の姿を平等に見つめ、全てを温かなユーモアで包み込みながら旅を続けていく。その視座がなんとも素晴らしい。目的地で待ち構える一人の俳優もまた素敵だ。もしや本作の監督は、同じロードムービーの先輩にして大傑作『サイドウェイ』へのありったけの敬意をここに込めたのだろうか。一人で始まった旅は、いつの間にか二人、三人へと増えた。海へ注ぎ込む河のように、その姿は堂々と光り輝いている。

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牛津厚信