劇場公開日 2019年11月30日

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種をまく人のレビュー・感想・評価

全12件を表示

4.0演技と暗示的な映像が凄くて見入った

2020年1月2日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

幼い子から年配に至るまで、全ての演者のパフォーマンスが素晴らしくて、複雑な構成や内容にもかかわらず、かなりの集中力で観賞しきったという印象。特に子役の2人は凄かった・・・
流暢な演技とか台詞というのは少ない。それ故に妙なリアリティーがあって、見ていてかなりつらい。決していい話ではなく、むしろ個人的にはこの設定やストーリーに嫌悪感を持ってしまったけれど、表現したいところは強烈に伝わってくるだけに、作品そのものを嫌だと投げ捨てることはできない。それどころか、随所に見せつけられる映像での展開の見せ方、象徴や暗示といった表現力には秀逸さを感じて、表面的ではない作品の質の高さを思い知らされた。
しかし、どんなに美しく導こうとしても、あのストーリーでは希望は見えず絶望しか感じないというのが率直な感想。
凄い作品だとは思ったけれど、自分の中ではいい映画としてとらえることは難しい。

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SH

4.5久しぶりにインディペンデントな日本映画の登場

2019年12月30日
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ディズニーやピクサーといつたハリウッド系の洋画と、一度ヒットアニメの焼き直しや人気俳優を並べて原作を映像化した作品が多いなか、原作・脚本・監督までをひとりの日本人がここまでの完成度で作ったことが嬉しい!
けど、どちらかというとミレーの「種をまく人」とかぶりました。

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susumu akahoshi

5.0種をまく人、映画の醍醐味を味わう

2019年12月21日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

昔の人は、チャップリンなどの無声映画を楽しむことが出来る感性を持っていたのだろう。そんな感性の持ち主であれば、堪能出来る映画だ。
現代人は情報が溢れ、簡単に調べることが出来る便利過ぎる時代になって、人間の感性が退化しているように思う。
セリフが少なく、情景や役者達の演技、表情によって何を汲み取ることが出来るか。
自分の心が試されているようだ。
家族、子供の心理、親子関係、障害、人との違いや個性、様々なことが2時間に凝縮されていた。
久々に心を動かされる映画を観た。
映像の力を考えると、映画館で観る価値がある映画だった。ただ話の内容が分かれば良いわけではない、それが映画の良さなのだと思う。

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幸一

5.0種をまく人を見て

2019年12月16日
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鑑賞方法:映画館

映画を見た🎥いつぶりだろう?友人の勧めで普段なら興味を持たないであろう単館上映の映画館へ。映画館で映画を見るのは…子供達の映画を一緒に見て以来。ゆえに恐ろしく強烈に心を揺さぶられた。2時間で最初の30分は仲睦まじい家庭の風景をほのぼのと心地よく感じていたところ、そこからは自分の人生振り返りながら人それぞれの価値観と様々な想いを感じ考えながら見ていたらあっという間に終わってしまった。
ネタバレ出来ないので中身には触れられないが役者皆さんが素晴らしかった。
後々知ったが海外で評価されている通り素晴らしい内容であった。
私の両親も聴覚障害者である。しかし私に何も不自由を感じさせる事なく育ててくれたことに対し改めて深く感謝を感じる事が出来た。
池袋にふと寄れる圏内の方は是非見ていただきたいです。2千円しないで濃密な2時間を過ごせます。この映画に臨むにあたり想像絶する減量をした岸健太朗さんの演技。劇中違和感なく際立った存在感でした。中島亜梨沙さん初めて拝見させていただきましたが、最も憎らしく、最も美しく、目を離せませんでした。他SNSで拝見しいっちゃんが元気そうでとても可愛かったです。
#種をまく人
#sowermovie
#岸健太朗
#竹内洋介
#中島亜梨沙

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赤星敦

4.5向日葵に託す明日への光

2019年12月14日
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知的

難しい

幸せ

 この世界ではなかなか生きるのが難しいと目されるも根底には不器用さと寡黙のうちに弛まず流れる優しい人々のあたたかみが常に流れる難しくも救いそのもののような映画。
 要所であらわれる美しい映像とじっくりと対象と向き合うカメラワークは丁寧に命をたちあげる。
 向日葵が死んでいった幼子の生命の象徴であるか、いや 罪を被った光雄の祈りそのものか。
 世界各国で賞を受賞したとのこと。インディペンデント映画でここまでのクオリティを出し、仕上げるのは監督や映像監督などセンスといいべきか。そこもまた驚きの一つ。
 上映館が少ないのが残念、上映館 上映時間ともに増えますように。

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hugo

4.0生きるとは

2019年12月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

全てを受け入れて種をまき続ける光雄の姿が全てを物語っている。

何があっても受け入れ前に進むしかない。
でもそんな容易く受け入れられるわけもない。
愛する人を恨むかもしれない。
と自問自答しては光雄の姿を思い浮かべる。

じっくり自分自身について考える機会を与えてくれた映画

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いいちゃん

4.0とても考えさせられた

2019年12月10日
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感情や悩みというのは、大人だけではなく子どもにも当然あるが、子どもが小さければ小さいほど、大人はそれを軽くみてしまうところがあるように思う。

世の中は色んな人がいて、世界は広い…けど住んでいる世界は意外にも狭い。
そして、子どもは経験や知識も少ないだけにその世界はさらに狭く感じ、悩みがあれば、大人以上に深刻に考える子もいる中で、この映画は両親を含めた周りの目、自分の置かれている状況、子どもの感情を、とても上手く表現している。

けして他人事ではなく、考えさせられる映画だった。

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krkk

4.5いつまでも味が出る映画だと思う。

2019年12月10日
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悲しい

知的

難しい

人間は単純な側面をもちながらも、強い感情が入ると途端に複雑な考えや行動を取ったりする。
極端な例でいえば、、、
相手を愛するあまり完璧を求めてモラハラをしてしまったり、病に苦しむ姿を見れず愛する人を殺めてしまったり。と言うように、気持ちとは真逆と取れる行動に出てしまうことがあると思う。

この映画で起こる「病や障害を持つ人がいる一族の負の連鎖」も似たようなところがあるような気がした。元々はどこにでもある明るく幸せそうな家庭であるのに、ひとつのきっかけが大きな歪を生んでしまう。

それでいて、最後まで語られていないのに確かに救われたような気分になるのは、終盤の描写によって緊張から一気に解放されるからなのだろうか?

この映画は良く噛み締めて観るべきであり、いつまでも味が出る。
今まで出会った事のない映画だった。

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カモメ

2.0病んでる

2019年12月8日
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単純

難しい

精神病者の話で、病んでいる人たちの話。脚本が甘くて、寝てしまった。演技は良い。

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ys

1.0秘匿

2019年12月2日
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悲しい

寝られる

両親が仕事で不在の折、10歳の女の子と妹でダウン症の3歳の女の子と、子守りを頼まれた旦那の兄が訪れた遊園地で起きた悲しい出来事から巻き起こっていく話。

兄=伯父さんがトイレに行き帰って来ると既にことは起こっており、後に何が起きたのかを問い詰められた少女は嘘をついてしまう。一方、伯父さんは何も語らずという状況で展開していく。

非常に重く悲しく痛い話であり、それを強調したい為であろう長~いシーンや間は判るけれど、演出やリアクションに教則ビデオの様な古臭さとか安っぽさを感じてしまうし、何をしたいのか、何でそうなるのかが良くわからないシーンもチラホラ。
子供に何を背負わせるつもりだよと感じるチグハグな母親のリアクションの件とかを考えると、何を伝えたいのかもわからなくなってくる。

結局、伯父さんをみせたかったのか、それに対する少女をみせたかったのか、母親を発端とする家族の変化をみせたかったのか、その全てをみせたかったのか。

これだったら嘘をついたところまでの設定を投げ掛けて、後は勝手に想像して下さいでも大して変わらない様な気がする。

色々中途半端で余計なものを削りまくって一点を強調し、半分以下の尺でつくった方が伝わるし、冗長にならずに済むんじゃないかな。

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Bacchus

3.0みなまで言わすな

2019年11月30日
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鑑賞方法:映画館

この映画の面白いところは、台詞が少ないわけではないが、説明的にならず、「みなまで言わすな」とばかりに、台詞のない演技で状況を語らせ、ストーリーを展開させるところだ。
寡黙であるべき兄・光雄や長女・知恵だけでなく、他のキャストも同じで、そのためドラマっぽくならずに、リアルに迫ってくる感じがある。

始めから1/4くらい進んだところから、もはやストーリーは大きく動かないが、たっぷり時間は残っている。
そこで、残りの時間は4人のメインキャストと、彼らの間の関係性の変化を、丁寧に描いていく展開になる。

そうであるがゆえに、「みなまで言わすな」が最後に裏目に出たのか、じっくり描かれたストーリーのラスト15分くらいが理解できなかったのは残念だった。
なぜ光雄は病院から・・・。知恵の罪は、罰は?
自分が不注意だったのだろうか? そうかもしれないが・・・。

2015年に撮影され、海外の映画祭を回って、そして今回公開となったようだ。次女・一希役の子は、今や7歳である。
「みなまで言わすな」の映画が、以心伝心の日本ではなく、2016年に海外で賞を取ったというのは興味深い。
沈黙の演技であっても、描写が具体的であったためだろう。

なお、ゴッホの「ひまわり」や「種をまく人」の絵、東日本大震災、ダウン症については、この作品の着想源になったようだが、いずれもこの完成作品に直接的な関係はない。
もちろん“種をまく人”は出てくるのだが、それらを当てにして観に来ると、期待外れになるだろう。

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Imperator

5.0家族と親子の姿を描いた本年最高の邦画

2019年9月23日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

難しい

幸せ

種をまく人 は家族や親子を描いた作品としては、本年一番の邦画作品だと思う。
どのような人であっても誰かには尊い存在であるということを母娘、家族、社会からのフィルターを通して見事に映している。
鑑賞後は、幸福な肯定感に包まれることも本作の深い魅力だろう

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松沢直樹