劇場公開日 2019年12月7日

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リンドグレーンのレビュー・感想・評価

全11件を表示

4.0ピッピ

2021年7月20日
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長靴下のピッピが小学生の時より好きで、そんなぶっ飛んだ事が出来ない自分にとっては憧れを持っていた。そんな中この映画を見て作者について何も知らない事にびっくり。きっと天真爛漫に育ち、サクサク児童文学者になられたのかと思っていたので、10代でそんな波乱万丈の人生を歩んでいたとは、本当に驚き。なんだかんだで大変だったけど周りの人達の暖かい手によって子供を引き取る事が出来、リンドグレーン氏とも出逢えて良かったね。いずれにせよ子供は可愛い。

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GAB I

3.0「長くつ下のピッピ」や「ロッタちゃん」

2021年7月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「長くつ下のピッピ」や「ロッタちゃん」の原作者、アストリッド・リンドグレーン女史の若気の至りを描く。
地方新聞でバイト、発行者と不倫、子供が出来てしまう。
姦通罪の恐怖から、隣国デンマークで出産するが・・・。
みんな子供のために。

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いやよセブン

4.5感性

2021年1月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

リンドグレーン作品集 1 長くつ下のピッピ 岩波書店 1964 のち岩波少年文庫、大塚 勇三によってはじめて翻訳がでた。(Google での検索が間違っていなければ)。1964年だから、私は中学生だ。でも、この作家をしらなかったし、リンドグレーンの本を一冊も読んだことがなかった。自分の過去を紐といってみてるが、一向に記憶のない児童作家だ。でも世界で5本の指に入るらしい。

私は、農村地域の文学家庭に育ち、小学生からの楽しみは父が借りてきてくれる文学全集で、特に、世界文学全集だった。アンクルートムの小屋、ジェンエアー、嵐が丘などかなりの(子供のためにかえられた文学)本を読んで育った。それなのに、なぜリンドレーンを知らないのか?不思議でならなかったので、娘に聞いたら、彼女は『長くつ下のピッピ』を知っていると。??? そして、『長くつ下のピッピ』をYouTube でみたら、児童文学の子供の夢や理想より現実化したユニークな作品なんだと感じた。

『気性が激しく』『Spontaneous自発的な』『パワーフル』リンドグレーンを描写するとしたら、この3つが当てはまると思う。芸術家の特性を持ち合わせているような気がする。3年間である、16−19歳の彼女の生活で、彼女の将来を予測することができる。

千九百二十三年のスエーデンを知れば、もっと彼女がモダンガール(髪をきったり、仕事をしたり)だとわかるかも知れない。ヴィンメルビューで、育ち、大家族に恵まれ、自然の中で感性を磨き、母親の厳格さ、でも、父親は伴侶とアストリッド狭間でも、愛情を娘に注いでいるのがわかった。特に種芋を空に投げで、子供たちと遊ぶところなどは、アストリッドの感性と共通すると思った。 1923年に16歳。この年は日本では関東大震災の年。スエーデンの社会背景はよく知らないが、彼女の宗教、男女、などの考えは、その当時の封建思想からかなり遺脱していると思う。映画では日曜教会の出席者も多く、これでは男、女の服装からして、現在のモルモン教にように、女性は長いスカートを履き、男女共に正装をしている。もちろん、不倫なんて最悪。これをやってのけるアストリッドの感覚は宗教や道徳違反というより、思ったことは/感じたことは全て実行に移すという挑戦心に見える。

スエーデンは性的同意年齢が15歳なので、新聞社の彼はそれを児童性愛ではなく、姦通の罪だけで、金を払って、刑務所に行かずにすんだが。この件を彼に対する怒りに変えていくところが前後左右考えずに思うがままに突進するというユニークさだ。封建的で宗教に縛られ現状維持の社会の中好き勝手に生きていく。好き勝手に生きていくように見えても、周りの恩恵をこんなに受けている。はっきりいって神の恵みを受けているんだなあと思って映画を見終わった。

最後に雇用主のリンドグレーンと1932年に結婚するわけだが。
これはウィッキペヂィアからで信憑性にかけているかもしれないが雇用主のリンドグレーンは当時既婚者であったが妻の元を去って彼女と結婚したと.

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Socialjustice

4.0【アストリッド・リンドグレーンの児童文学が長く長く子供たちに愛される理由。】

2020年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 冒頭、老いたアストリッドの後ろ姿を映しながら流れる男の子の声
 ”何で、お婆さんなのに僕たちこどもの気持ちが分かるの?”
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 アストリッドは18歳。両親は熱心なキリスト教徒で、躾に厳しい。
 が彼らが、子供達に注ぐ愛の深い事が、冒頭の数シーン、特に家族で囲む食事風景を見れば分かる。

 だが、アストリッドが街の新聞屋に文才を認められ、彼のもとで働く事になる。おさげ髪を切り(母親の言葉:地獄への片道切符、その後の展開を見ると言い得て妙である。)、今風のスタイルを身に纏うアストリッド。

 今作で秀逸なのは、要所要所で挟み込まれる男の子の”アストリッドの本”を読んだ素直な感想の流し方である。

 彼女は、親の深い愛の中で育てられながら、様々な”辛い”経験をし、”自分の子供とともに過ごす”今しかない時間”の大切さを知る。

 その想い及び子供たちに気付いて欲しい事を”長くつ下のピッピ”シリーズ、”やかまし村の子どもたちシリーズ”に込めたからだ、と私は思う。

 後の夫となるリンドグレーンもさり気無く”良い人”として登場するし、何より彼女が子供を連れて帰郷する場面、家族で教会で祈りを捧げる場面は沁みる。

<物語も勿論素晴らしいのだが、
 今作で初めて観た”アルバ・アウグスト”の16歳から、19歳で出産した子を養子に出し、(養母マリーが又、良い。)再び引き取って一緒に暮らし始める20代前半までの表情の変化が素晴らしい。
 デンマークの方なので、中々お目にかかれない可能性もあるが、是非次作を鑑賞させて頂きたい女優さんである。>

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NOBU

4.0母性あふれるリンドグレーン

2020年2月20日
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鑑賞方法:映画館

映画の出来がどうというよりも彼女の半生そのものがすごい。

今やスウェーデンは、社会福祉や人々の権利意識が世界でも最も進んだ国だが、100年前にシングルマザーとして生きていくのは想像を絶する大変さだったと思う。

社会的通念や因習を打ち破って逞しく生きてきた女性一人ひとりの歴史があるからこそ、今がある。

彼女の溢れる母性に共感して切なく、涙した。自分自身の幼少期や子どものことが思い出された。

彼女の人生後半、結婚してから作家になるまでも映画化してほしい。

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ピンクマティーニ

2.5“リンドグレーン”はどこにいる?

2020年2月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

何を書いてもネタバレになってしまうような単純な話。

予告編の冒頭にあるように、老いたリンドグレーンの元に届いた少年少女のファンレターが読まれるので、かろうじて“リンドグレーン”であることが示唆されるのみ。
作家になる手前で終わってしまい、作家になる経緯は不明。
後年に書く作品の着想がどこから来たのか、どういう少女時代を送ったのか、といった“作家性”とも無関係だ。

当時の保守的な「教会」や田舎のコミュニティのあり方と、そこからはみ出して自立して生きる女性を描いた作品とは言える。
しかし、それだけでは映画にならないと思う。
映画になったのは、主人公が“リンドグレーン”だからだが、我々が知りたい“リンドグレーン”はどこにもいないのではないだろうか?

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Imperator

3.0母は強し、というより強くならざるを得ない

2020年1月22日
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泣ける

幸せ

アストリッド・リンドグレーンが作家になるお話かと思っていたら、それよりもずっと前の仕事や恋愛の話でビックリ。
娘の同級生に手を出すクズはともかく、アストリッドが辛い思いをしながらも諦めず自分を貫く姿に、同じ母として涙が出ました。
結婚すれば夫婦になれたり子どもを産めば親子になるわけではなく、模索しながら作っていくものなんだなぁ。
観終わって改めてアストリッドの本を読んでみたくなりました。

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アンディ・フク

3.5関連性

2020年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

スウェーデンでは紙幣になるほどの有名児童文学作家、リンドグレーンを描いた今作品。内容は彼女のわずか16歳から10年に満たない間の人生を切り取った内容なのだが、いかんせん、どの様にして児童文学作家になったのか。その過程がわからないのが残念である。
特に波乱万丈にとんだ人生というわけでもなし。単に若くして(日本で言う高校生?大学生?)で一児の母親となったのだが、そこをことさら強調されてもリンドグレーンなる人物像があやふやで、輪郭が見えないのがこの作品の弱いところでもある。
でも、まぁ退屈じゃなかったからいいや。

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オクやん

4.0一日中映画館に居る。好きなだけビールを飲む。

2020年1月11日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

それが大人流。「一日中木登りして、好きなだけソーダ水を飲むのが子供流」に対抗シテヤル!

なんか、今日は何でも刺さる日みたいです。朝から「ダンス・ウィズ・ウルブス」「マザーレス・ブルックリン」とコレ、全部刺さってるからw

才能に溢れる奔放な少女が輝きを失うまでの物語と、輝きを取り戻すまでの物語。地味です。本当に地味な進行と演出。クソです。マジでクソです、あの男。娘の同級生に手、付けます?付けられます?マジ死ね。って言いたくなりますが、恋は盲目かいな。

守らなければならないモノ、それが本当に守る価値があるものだったのかはさて置き、そいつらはアストリッドの輝きをくすませて行き、最終的に、彼女を孤独と絶望の淵にまで追い詰める。ヒトの善意と好意と愛が彼女を救い、ラッセへの限り無い愛が、輝きを取り戻すキッカケを作ってくれる。

「リンドグレーン」って言うタイトルが、はなからネタバレですやん!って言うツッコミ殺到のイケメン登場シーンには苦笑いしたけれど。

良かった。地味に泣けてw

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bloodtrail

4.0悔し涙は流しても、後悔の涙は流さない

2019年12月8日
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鑑賞方法:映画館

作家の半生、というと最近ではトールキンさんの映画がありましたが、今度はスウェーデンの児童文学作家・リンドグレーンさんです。恥ずかしながら私は知りませんでした。
作品の名前は『長靴下のピッピ』というのを聞いたことがありましたが、読んだ記憶もなく作者の名前ともども何も知らずに鑑賞(よくもまあ⁈)。

厳格な宗教観に包まれた小さなムラの、その中でもひときわ倫理観に敏感な家庭で育ちながら、奔放さを失わず、男性社会の旧弊と闘う姿。

一言で要約すると〝差別や偏見と闘う女性〟というありきたりな類型に当てはまるのだと思いますが、さにあらず。

どんな時代背景であっても変わらない思春期の好奇心からくるヤンチャな振る舞い、ちょっとわたしオトナをしてみた、というはたから見ると危なっかしい冒険。
でも、彼女の場合、すべてが本気で、すべての結果に責任を負う。己の非力さへの悔し涙は流しても、やったことへの後悔の涙に明け暮れることはない。

中途半端に大人の社会に慣れてしまった目から見れば、想定される最大のリスクに備えながら、結果的に最小のリスクで済んだ(1000クローネで手打ち‼️)ことは成功の部類と思われるが、子どもを取り戻すための彼女の戦いにおける勝ち負けの判断基準の度量衡には存在しない概念だったということなのだと思いました。

【余談】
スウェーデンは人口1000万人ほど、つまり、人口比では東京都よりも小さな国。
それなのに知財の発揮度合いは凄く高いように感じてます。
自動車のサーブやボルボ、通信のエリクソン、ファッションのH&M、家具のIKEA。
リンドグレーンさんだけでなく、ドラゴンタトゥーの女などのサスペンスなど映画の原作も結構ありますよね。

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グレシャムの法則

4.0女性監督ならではの、主演女優との阿吽の呼吸

2019年12月7日
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小学校のころにピッピや名探偵カッレのシリーズを読んだ。その女流作家アストリッド・リンドグレーンの若かりし時代のエピソード。ペアニル・フィシャー・クリステンセン監督の丁寧な演出を受けて、主人公の悲しい青春を細密画のように演じる女優アルバ・アウグストの演技が清々しい。撮影のエリク・モルバリ・ハンセンがいい仕事で、美しい北欧の風景を描いていく。なかなかの逸品。春に上映していた「田園の守り人たち」から岩波ホールの作品は、逆境の人生に立ち向かって生き抜く女性と家族を描いた作品が続く。本作もそんな流れに相応しいと思う。

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t2law