劇場公開日 2020年4月3日

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ケアニン こころに咲く花のレビュー・感想・評価

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3.5新型コロナウイルスだけではなく、介護や認知症も非常に大事な問題!

2020年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

おそらく映画ファンの中で、この作品を知っている人は少数だと思われます。
2017年に「ケアニン〜こころに咲く花〜」が公開され、医療関係者や医療に関心がある人を中心に見られ、いわば「医療の入門書的な作品」なのです。
私がこの作品を知ったのは、「ケアニン〜こころに咲く花〜」のスピンオフとして作られた2019年の「ピア~まちをつなぐもの~」からでした。
特に予備知識もなく“在宅医療と介護”をテーマにした「ピア~まちをつなぐもの~」を見た際には、「映画」と「教育用の広報映像」との違いについて考えさせられました。
正直に言うと「ピア~まちをつなぐもの~」の時は「映画」というより「教育用の広報映像」のような印象を持ったからです。
ただ、エンドロールでは、協力者(監修者?)として私の知人の名前が大量に出ていたりと(思わず笑ってしまいました…)、医療的な知識の面ではしっかりとしている作品です。
さて、本作「ケアニン〜こころに咲く花〜」では、(国の補助が大きく、安くて競争率の高い)特別養護老人ホーム(通称「特養老人ホーム」)が舞台となっています。
そもそもタイトルの「ケアニン」とは、「介護福祉士」のことですが、「介護福祉士」という言葉は堅苦しいので、「ケアする人」ということで「ケアニン」という通称があるのです。
まず、結論から言いますと、本作に関しては「教育用の広報映像」を超えて「映画」として成立していました。
ただ、いわゆる「映画ファン」のように映画を見慣れている人には少し物足りないかな、と思われます。そのため、映画ファン目線での評価は★★★くらいでしょうか。
ただ、「介護」や「認知症」について興味がある人には★★★★くらいの価値はあると思います。
そこで、評価は3.5にしています。
この作品は、「介護と経済効率性」について深く考えることができます。
例えば、少人数制の介護施設であれば、食事は本人が食べたいときに本人のペースで食べさせられたりと、「一人ひとりに寄り添う形の介護」ができたりします。
ところが、大規模な特別養護老人ホームのような形になると、「ルール」を徹底しないと事故が起こったりしますし、「経済効率性」が問われたりします。
例えば、オムツの交換は、本来の「自立支援」を考えれば、いかに自分で出来るようになるのか、が大切なのですが、「経済効率性」を考えると、「ルール」の下、定時に素早く「作業」としてオムツ交換を行うようになり、「自立支援」とは逆行する面も出る訳です。
このような「理想と現実の狭間にある大きな問題」は、普段の生活では、なかなか考える機会がありません。
それらの介護の本質的な問題などを本作を通して考えてみると、自分や、自分の家族の場合はどうしたらいいのか、など、いろんなことが考えられるようになると思います。
また、世界一の高齢化率を誇る今後の日本では「認知症」というのが非常に重要な課題になります。
この「認知症」についても種類があることなども、本作では触れています。
ちなみに「認知症」についても、まだ決定打となるような治療法は見つかっていません。
さらに言うと、大きな原因とされているものも、まだ仮説程度のもの(アミロイド仮説)だったりします。
ただ、「化粧療法」だったり、自分を取り戻す試みはなされたりしていて、それらは本作で知ることができたりもします。
特に「介護」や「認知症」について考える機会が欲しいと思っている人には、おススメしたい作品です。

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細野真宏

3.5介護現場での苦労の一部が体験できた

2022年3月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

萌える

介護福祉士の大森圭はスキルアップのため、小規模施設から大型の特別養護老人ホームに転職した。そこでは、多くの利用者に対応するため、効率やリスク管理を優先する運営方針であり、小規模施設との違いに圭は戸惑った。そんな中、認知症の美重子が入所してきた。これまで妻を自宅で介護してきた夫の達郎は、施設を信用できずに、担当である圭にも厳しくあたった。しかし、圭は施設に友人の美容師を呼んで美容サロンを開催するなど、美重子や利用者のためにと、喜んでもらえる事を探し実践していた。そんな行動が職場のチームワークを乱していると、圭は上司や理事長から叱責されてしまった。さてどうなる、という話。
前作は観てなくても特に問題なく入れた。
介護福祉士のことをケアニンって呼ぶとは知らなかったので、勉強になった。
小規模と大規模での対応の違いで効率優先とか、事故防止のために門にカギとか、実際にそうなんだろうなと思わせる内容だった。
美重子の夫役の綿引勝彦の存在感が光った。
圭の上司役の中島ひろ子が良かった。
圭の元先輩でケアマネ役の松本若菜が相変わらず綺麗だった。

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りあの

3.0わざとらしい感じ

2020年6月18日
iPhoneアプリから投稿

厚生労働省おすすめだからかもしれないけど

綺麗事ばかりでちょっと引きました。

私も介護当事者なので。

これから、介護職につきたい人が見ると

明るい気持ちになれる映画ですね。

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花

5.0もうずっと涙ボロボロでした~!

2020年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

もうずっと涙ボロボロでした~!

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nyanagi

4.0涙の伝播

2020年4月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 新型コロナ禍で映画鑑賞も自粛した方がいいのかもしれませんが、敢えてコロナワールドで3本鑑賞しました。その1本目。座席は市松模様じゃなくて一列飛びの縞模様。朝一の回の客は4人だけでした。

 ケアニンとは介護福祉士のこと。前作は観てませんが全く問題ありませんでした。利用者の人口でいえば特別養護老人ホームは60万人で介護士は30万人。有料老人ホームよりも安いけど、競争率が高くて中には10年待ちという方もいるとか・・・

 キャリアを積むため小規模施設から100人規模の特別養護老人ホームに転職した大森圭(戸塚)が主人公で、ある意味彼の介護士としての成長物語でもある。一人一人の入居者に応じたケアを心がけていた圭だったが、上司からは「もっと効率的に」と叱られる。老人たちの食事のスピード、居眠り、排便時間などを考えていたからだ。時間がかかると、事故にも繋がるなどと、過去の反省からも効率主義に甘んじることになるのだが、幼なじみの美容師に出会い、ボランティアで施設の中に美容室を設置してみたりする。

 そんな彼の試練はモンスター家族の存在だった。女性を男介護士が看るのか?散歩したら母が可哀そうでしょ!などなど文句の絶えない木下美恵子の夫と娘。さらに理事長(小野寺昭)や施設長、主任からも叱責される。そんな要介護度4のアルツハイマー型認知症・美恵子の担当となり、徐々に心を見せてくれる彼女と夫に長年の思い出をプレゼントしようとする圭だった。

 同じ列に座ったおじさんが、多分夫の木下達郎(綿引勝彦)の気持ちに完全に同化したみたいで、わんわん泣いている様子が伝わってくる。その嗚咽、慟哭の度に座席が揺れて、こっちにまで感染してしまいました!いや、泣いてしまいますよ、このストーリー。俺だって母親がこんな感じだったし、もっと心をわかってあげられればと、泣きたくなりました。いや、泣いた。完全に感染してしまいました。

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kossy