劇場公開日 2019年7月27日

「映画と思えない」アマノジャク・思春期 CorCaroliさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映画と思えない

2020年7月6日
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いま、特設サイト有料配信で観ることができる。 まったく映画のように思えない異色の作品だ。
観ていると、いつの間にか、子どもをとりまく現実に引きずり込まれている。気がつくと、そこに登場している大人が、自分より背丈の大きな大人に見えている。
光くんに襲ってくる出来事に、(教室で起こるトラブルや、同級生の目線、親たちの声に)、凄く既視感がある。遠い昔自分にも訪れた心配や不安、訳の分からない感情がそこにある。
そう感じさせるのは、きっと教育論的な主張を排除し、演出の仕方に注力しているからだと思う。
こうした映画によくある、こうしましょう的示唆がない代わり、世界はこうなってる=動かし難い現実そのものが、突きつけられてくる。それをどう咀嚼するかは、観た人次第だ。
僅か30分強の作品だが、濃密な30分間だ。2回繰り返して観た。

Procyon