劇場公開日 2019年7月27日

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「システム化が必要な農耕、シンプルな狩猟」北の果ての小さな村で 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5システム化が必要な農耕、シンプルな狩猟

2019年8月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

先日観た『風をつかまえた少年』の舞台はアフリカのマラウイという国で、植民地時代の宗主国はイギリス。だから英語で知識を学び、簡易ながら風力発電のシステムを作れたし、今後も生きていくのに(安定した収穫のシステムの確立…穀物の収穫・保管・物流・販売・設備投資と発展していくこと)英語は必要だと思う。

グリーンランドも植民地だったことがあり、当時の宗主国はデンマーク。だからデンマーク語の教師が出てくる。
だけど、グリーンランドのイヌイットの生活ではデンマーク語がなくてもあまり困らなそうだった。
たぶん最小限の暖房装置や電気系統設備の取り寄せやら電話注文のためには必要だけれど、犬ゾリで狩りをするのには必要ないし、これからも生きていける。

つまり、この80人の村にはグローバル化で恩恵を受ける、みたいなことはほとんど想像できないし、この村のおとなの責務が「生きていくのに必要なことを伝承することだけ」だとしても充分だと思う。それを鹿爪らしい哲学や思想や理論に置き換えることにもさして意味はない。
『デンマーク人は難しく考えるんだな』
とイヌイットの人が言ってましたが、極寒の地で生きていくのに必要なのはシンプルにやるべきことをやるだけで、生き甲斐とか使命感みたいな概念は無用なのですね、きっと。

世の中のことを難しく考えて深刻に悩んだ時には、極寒の地でなくても、シンプルに生きていくためにやるべきことをやるだけでいい場所がきっとあるはず、とこの映画を思い出すといいですね。

グレシャムの法則