劇場公開日 2019年8月2日

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「繰り返し浸りたい作品」あなたの名前を呼べたなら noriofilmさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0繰り返し浸りたい作品

2020年7月17日
iPhoneアプリから投稿

雇い主の結婚が破断し、主人公のメイドが休暇先の実家から呼び戻されるところから話は始まる。
前情報が全く無い状態で見ると、2人の関係性を掴むのに時間がかかるが、脚本を書く上でどこを切り取ったら面白いか、その切り取り方によっては説明的になってしまい、一気に興醒めしてしまうが、この作品は伝わりにくいかも知れないが説明的ではない。作られた演出が抑えられ、リアリティが感じられた。

単なる『上流社会のカップルとメイドとの三角関係』に留まらず、階級社会とインドの風習の中で、メイドが雇主を名前で呼ぶまでの、2人の関係の変化をたっぷりと堪能できる作品であった。

雇主とメイドという関係から恋愛感情が生まれていく過程もナチュラルだった。同じ家で暮らす雇用関係にある女が、傷心した男を癒し、やがて贈り物を渡し合う間柄になり、恋愛感情が芽生えていく。社会レベルで超えられない障害を、2人でなんとか乗り越えてゴールインする、そんな恋愛サクセス物語でないのがいい!

間仕切りの少ない開放的なリビングと、深緑を基調としたインテリアが素敵。

主人公の変化とともに衣装が少しずつ変化してるのも楽しい。

もう少し見たい、もっと浸りたいと思える作品。

noriofilm