ひとよのレビュー・感想・評価
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演技派
設定がややゆるいというか、そんなことある?的なことがいくつかあるのは一旦横に置いておいて。
俳優陣はみな素晴らしかったですね。
みないい顔して、役にハマりきっていました。
松岡茉優好きだなぁ。かわいくてかっこいい。
さらに死ね、と、復刻してんじゃねーよが
最高でした。
田中さんもとてもいいオーラだった。
自分の人生は自分で決めるんだな。
人の物事の捉え方は人それぞれ。
自分がどう思うのか、自分がどうしたいのか、
自分がしたことにどう責任を取るのか。
周りが何をいうかでも、周りがどう思うかでも
なく、自分が自分に恥じない、後悔しない
生き方をしようと思った。
迫力のある作品
役者の皆さんの迫力ある演技で作品にも迫力があった印象。
人それぞれに色々な人生があって、家族愛、夫婦愛、兄弟愛など考えさせられる作品。
本作はなかなか観られずに諦めようと思ってたけど観賞して正解でした。
相変わらず松岡茉優さんの演技が素晴らしい。カラオケも上手い(笑)
ってか皆さんの演技が凄すぎる。
三人の兄弟が本当の兄弟の様。
田中裕子さんも良かった。
三人の兄弟がタクシーに乗っているシーンが過去のそれと対比させていて印象的。
タクシーのカーチェイスも迫力がありました。
「ひとよ」のタイトルも上手い。
「人よ」と「一夜」と「人世」を表してしるのかなぁ( ´∀`)
子を思う母、路頭に迷う子供、母子の絆の意味。
タクシー会社を営む稲村家の母こはるが、夫を殺害するシーンから始まる。
最愛の3人の子どもたちの幸せのため、酒癖が悪い家庭内暴力夫から守るための犯行だった。
これで、やっと暴力から解放され自由に暮らせる!幸せになれる!、、、はずもなく、突然の殺人事件でしかも母が容疑者、父が被害者。運命を大きく狂わされた次男・雄二、長男・大樹、長女・園子。残された3人の兄妹は、事件のあったあの晩から、心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいた。そして15年後、母こはるは、出所して3人の子供たちと再会する。めでたしめでたし、とはいかない。
誹謗中傷、嫌がらせ、残された子供が背負うにはあまりに重い。SNSの拡散もあったかも(それをやっちゃうと2時間では収まらないからそこは無かった)。
母こはる役の田中裕子は、見事に子供思いの肝っ玉ど根性母ちゃんを演じていた。そして、次男雄二役の佐藤健も実力派俳優と言う名が板についたいえる迫力の演技。
幸せそうに見える家族でも、一夜にして、ガラガラと音をたてて崩壊していく絆。
幸せそうに見える家族にも、いろいろな事情がある、それがいつ爆発してもおかしくない。他人事ではない!と感じたのは私だけだろうか?今一度、家族とは?と考えさせられる作品。
チグハグです
原作、脚本、演出、のやりたいことの方向性が全て違っているのではと感じた。
演劇作品特有のとんがった設定と荒っぽい展開は舞台作品ならではの魅力なのだが映画でそれをやると必然性の低下にしかならない。
これは主として脚本の責任だろう。なにをしたいのかさっぱりわからない。監督はこういうテイストで仕上げたかったのであれば手を入れるべきだった。
俳優は監督の意向だと思うが実在的な存在感を強調した演技をしていてそれはそれで素晴らしかったのだが舞台の魅力のひとつは非実在的な人物造形にある。田中裕子の役どころは多分木村伝兵衛的な要素が必要だったと思うが中途半端に終わっていた。
蒲田行進曲のようにコミカルななかに残酷さを潜ませるような作り方のほうが良かったと思う。
すべての人物に自分の欠片がある
人はどうしても、そこまでは強くなれない。だから間違いを犯すし、そしてその間違いから解放されずに縛られ続ける。そんな家族の話だ。
子どもたちの為に夫であり、子らの父を殺した母。田中裕子が演じる母は「誇らしい」と高らかに宣言し、そして約束を守り15年後に子らの前に戻り飄々と振る舞う。
彼女は強そうに見える。何かを悟った風でもある。しかし、いくつか垣間見えるシーンで彼女が、高らかに宣言した程の強さを持っていないことが感じられる。ただの女性だったはずの人が、子どもの為に過ちを犯す。本人も過ちと分かっているけれど、それを出してはいけないのだという、引き受ける者、全てを受け取者としての母親がそこに居る。
三兄妹は母の気持ちを全員受け取ってはいる。しかし表出の仕方が全員異なる。受容、拒絶、鬱屈。綺麗に分かれたその感情全てに理解できる部分がある。母が父を、自分たちの為に殺した、という事実。その後の生活にもたらされた暗さ。そして何より、「自由」は意外なほど彼らを縛る言葉だったのだ。
恥ずかしながら中盤からずっと涙が止まらなかった。何故だかは分からないが、母も、三兄妹も、他の人物も、全てにどこか感じ入る欠片が存在したからだと思う。全く理解できない者がいない。どこか分かる。人間の情の形をそこはかとなく見た気がした。
シリアス一辺倒かと思いきやくすりと笑える要素を入れたり、カーチェイスを入れたり(それも綺麗に伏線としている)、きちんと娯楽映画として機能させながら、それぞれの人の形が出ていて、やはり笑いながらも泣いてしまった。
役者が全部良い。どことなく型に嵌ったような振る舞いなのに、きちんと魅せてくるのはやはり役者の力が強いからだろう。
ハイペースで撮り続けている白石和彌監督、最近なんというか作風が安定してきたような気がする。それが喜ばしいことなのかは分からないが...。
まさかの「でらベッピン」の使い方
松岡さんはやっぱりいいな。インタビュー記事の言葉を借りれば、「頼りにならない鈴木亮平」「かっこ悪い佐藤健」であるが、松岡さんは何だろう…大洗で大笑いのヤンキーかな。ポンコツ酒乱とか。ゲロとか。墓地でのくだりとか。田中裕子も今更だがスゴイ女優だと思った。
松岡さんはベロベロでも歌上手い。選曲も後から考えると意味深か。
かつての家族を思い温かい涙が流れた
子供たちに暴力を振るう父を母が殺した。子供たちを守った自分が誇らしいと言って警察に向かった母。母を必死に追いかけたが見失った子供たち。
15年後の再会がくすぐったかった。
世間からのバッシング、そして何より時間そのものが父親に対する憎悪や母親への思いを曖昧にしたが、家族を取り戻すのに時間はかからなかった。
4人のポートレートが実にくすぐったかった。離れるときに寂しいと感じる家族。そんな家族があったことを思い出した。温かい涙が流れた。
「ひとよ」の霹靂
この映画は、ある家族に起きた「ひとよ」の霹靂から生まれた、家族の「崩壊」
そして、「ひとよ」の霹靂から生まれた、家族の「再生」を描く物語。
家族に起きた事件をそれぞれの想いで背負い、生きていく、母と三人の息子と娘。
四者四様の葛藤や想いを抱えながら、
最後には四人の想いはひとつになる。
「家族」とは、との問いを投げ掛けられたような気がしました。
現実
こういう「底辺」を描いた映画はありだと思う。
「焼肉ドラゴン」や「万引家族」みたいに話が進むにつれ現実から離れていったのとは違って、最後まで「現実」を残してくれたのがうれしい。
「楽園」・「閉鎖病棟」と続き、平和な暮らしが忘れている「今」を教えてくれた映画だと思います。
あと、田中裕子がすごい。
批判を恐れずに言うと、もう、女優としての需要はないと思っていた。
それがこの映画では、スクリーンに田中裕子が映っただけでその場の状況を観ている人に理解させてしまう。
「年齢を重ねると言うことはこういうことなのか」、そう思いました。
松岡茉優さんもそんな俳優になると思います。
俳優さんのレベルが高い作品でした!
15年前の夜、DV主人を殺めた母が子供達の前に現れ殺人母と子供達の葛藤を表現した作品ですが、演じた俳優の演技が光っていた。小説家を目指すどこか斜に構えた次男の雄二役の佐藤健や夜の仕事をする長女役の松岡茉優もいい味を出してた。まさにはまり役です!
長男役の鈴木亮平さんも難しい吃音の役柄だったので良く演じてたと思います。
母親役の田中裕子さんも年齢に応じたいい演技でした。
麻薬の運び屋役の大悟もいい味でした!
全体的に父親のDV描写は必然性があったと思いますが、劇中2回の濡れ場シーンは私は不必要だったのではないかと思います。
もう少しソフトな描写でもいいと思いました。
私が観た最近の邦画では見応えがあった作品です!
軸となるテーマが分からなかった
正直言って悪い意味で裏切られた作品。予告編を見た時は期待値が高かったが、実際見てみるとあまり面白くなかった。まず、この作品の軸となるテーマがいまいち良く分からない。贖罪でも家族愛でも無かったような気がする。なのでぼんやりとした軸の無いブレた内容に感じてしまった。
俳優の演技、映像の質感、音楽が良かっただけに非常に残念。
人の命を甘くみてはいけない。
正義のために命を奪うという軽々しい問題にはならない。
人間としての生き方、家族のかかわり方を学んだ気がする。
「親の背を見て子は育つ」
いまの若い親達にぜひ観てもらいたい作品。
演技には引き込まれるが、最後まで感情を揺さぶられることはなかった
実力派の俳優を揃えただけあってそれぞれが演じる役の心の機微は伝わってくる。けれども、最後まで感情を揺さぶられることはなかった。
映画を見終わった後、なぜだか振り返ってみたのだが、まず、夫殺してしまった田中裕子演じるこはるが、取り乱すことなく「これからは自由に生きれるから」というセリフがしっくりこない。子供を守るためにやむを得ず夫を殺めてしまったとしても、子供に対して冷静にこれからのことを話すことは、いくらなんでも出来ないと思う。ついでに言えば、あの程度の衝撃じゃ死なないと思う。
もう一つは、元ヤクザの運転手のサブストーリーを重ねたことによって、本筋の家族の葛藤がぼやけてしまったと思う。
千鳥の大吾がヤクザの役を演じるからコントに見える。千鳥は大好きだけど、映画には全く不要。
役者さんがみんな良かった
難しかったです。正直設定に??となるとこあり、台詞だけ浮いてるように感じるところもあり。。
事件を起こした場所から動かないとかなかなか考えにくく、15年立っての再会というのも、甥とはコンタクト取っていなかったのかなとか余計なことに気持ち囚われたりしました。
ただ、事件が起こった夜は子供たちそれぞれのそれまでの価値観が覆されるひとよであり、それからの人生を変えるひとよであったことは間違いなく。
終盤、佐々木蔵之介演じる堂下さんの取った行動はもしかしたら異常な反応ではないのかもしれなくて。
でも、どんな事があっても、閉じこもらず人との繋がりを信じていこうと思える作品でした。
母と娘、母と息子の距離感、男性と女性の物事に対する受け止め方の違い等が絶妙にリアルでした。
稲丸タクシーの皆さんが素敵すぎる。
「事件の事を謝ったら…」
DV を繰り返す夫を殺した妻(母)が15年後に兄妹達の元に帰ってくる話。
15年後に帰った家では、妻にも心を開けなくなった長男、逃げるように家を出た次男、美容師になる夢に挫折した長女(酔って唄うのは岡村孝子「夢をあきらめないで」!)と子供たちは両親の事件にとらわれたままであることを知る。
父親の暴力から自由にするために起こした犯罪が間違っていたと認めてしまったら、「自分たちの為に母親に殺人を起こさせてしまった」と子供たちを更に昔のまま立ち止まらせてしまうだろう。
そんな母親が、家族の事を売ってでも前に進もうとする次男との会話で「事件の事を謝ったら…」と言いかけて言葉を飲み込むシーンが沁みる。
女優陣が凄い
父から虐待を受けている子供たちを助けるために、父を殺した母。ショッキングな設定だが、児童虐待がクローズアップされる中で、現実に起こり得るかもと感じてしまう。
設定は「ビジランテ」と共通しているが、アクションで見せるより、子供たちの感情により焦点を当てて、丁寧に描いている。
とにかく俳優陣の演技、特に女優陣が凄い。冒頭から、田中裕子の表情、セリフ回し含めて、存在感が圧倒的。松岡茉優もとても良いが、周りの筒井真理子、韓英恵、MEGUMIもみな見せ場と味わいがある。男優陣も熱演しているが、佐々木蔵之介の力演ぶりはちょっとフィットしていなかったかな。
シリアスな中でも、ふっと笑いがこぼれるエピソードを入れるなど、緩急のある演出で、これまでの作品と比べると薄味ではあるが、白石和彌ならではの後味の良さがある。
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