劇場公開日 2020年7月3日

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「カンフーは花拳繍腿か?」イップ・マン 完結 うにたん♪(コロナが当たり前の世界)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0カンフーは花拳繍腿か?

2020年12月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

ここまでストーリーが極端に作られると内容の重厚さは無くなったが、カンフーは本当に強いのか?カラテとどちらが強いのか?ほんの40年前には本気でこんな事を考えた人が沢山いたのを思い出す。
作中で黄色い奴らと連呼され、差別され続けた華人の不満は理解しやすいものの、どこの国にも当たり前にある差別を解決するのは難しいのが悲しい。
何せ中国人同士でも面子一つで揉めるのだ。
思想も文化も違う外国人同士では尚更である。

で、映画のメインになる部分はなんなのか?となるが…異種格闘技戦、カラテ(米軍)VS中国拳法(中華街)である。
冒頭からブルース・リーと胡散臭い白人カラテ家が激突しヌンチャクを使うシーンや怪鳥音まで飛び出すサービス振り。
中秋節には軍隊から差し向けられたマッチョカラテマン(笑)が中華街師範たちと対決。ボコボコされる師範たちが物語を盛り上げてくれる。
何せ聞き覚えのある拳法が多い(鷹爪拳、八卦掌、七星蟷螂拳、形意拳、白鶴拳、譚腿)ので期待したが、見事なやられ役。蔡李佛拳は初耳でした。
形意拳の女性師範だけがそこそこの抵抗して熱かった。
そこからは武術の荒っぽい交流が繰り返される。

現実にいざ闘うとして、体格差は如何ともし難いのは誰しも理解出来ると思うが180センチ100キロのカラテ家と170センチ70キロの拳法家が闘えば、やはり体格のある空手家が勝つだろう…と想像がつく…だが悲しい。何か悲しい気持ちになる。
勿論、ラストは期待通りではあるが、叩き伏せた相手の先に何が残るのだろうか?と考えさせられる結果であった。

イップマンと太極拳師範の対決では左手を負傷しているイップマンに合わせて太極拳師範は左手を後ろ手にしてハンデを無くして勝負した。
イップマンとカラテ家の対決では負傷を気付いたカラテ家はそこを狙って攻撃した。

どちらの対決も武術をもっての争いであったが、どうにも後者は受け入れがたい。美しくない…と思ってしまった。
中国人の知り合いは居ないが、中国の人はどちらの闘い方を支持するのだろうか?少し気になった。

うにたん♪(何観ても文句書きそうな気分)