劇場公開日 2019年5月10日

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「天使のはしご」僕に、会いたかった kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5天使のはしご

2020年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 公開当時、観ようと思っていたのに時間が合わずに断念した作品。島留学って何なん?島親って?と疑問だらけの序盤の展開。里親制度といっても、高校生たちは寮住まいなので、映画を見る限り、里親にたまに会いにいく程度のようだ。そんな中でも、愛美は里親である高橋さんの家に全然行かない。コンビニを恋しがってる高校1年生なのだ。また福間雄一は東大医学部を目標に掲げていたが、島に来てから成績が落ちる一方・・・

 主人公・池田徹役のEXILEのTAKAHIROの演技は記憶を失った寡黙な男なのですが、かなり似合っている。12年前の事件をきっかけに漁にも出られなくなり、周囲の人たちの温かさによって無理に記憶を取り戻そうとしないところがいい。

 雲の切れ間から太陽の光が差す「天使のはしご」(薄明光線)が全体を穏やかに包み、これが徹の病気を見守る温かさにも繋がる。逆に考えれば、亡くなった人を迎えに来るようなイメージでもあるのです。結末を知ってしまえば、そのまた逆とも思えるのが素敵でした。

 高校生3人はそれぞれ悩みを抱えていて、高校教師たちもそれについては触れないでおこうとする優しさもあり、次第に地元島民と仲良くなっていく姿が眩しいくらい。そして、里親となった池田家も徹の母(松坂恵子)が親身に彼らの世話をするのです・・・あぁ、徹の記憶はどうなるのか。期待もせず見てたのに、思わず涙腺決壊。不自然なところもあったけど、このストーリー作りは上手い!のひとこと。

kossy