「小学生男子にオススメしたい痛快ジュブナイル」クエスト・オブ・キング 魔法使いと4人の騎士 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0小学生男子にオススメしたい痛快ジュブナイル

2019年2月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公のアレックス君はややぽっちゃり系の優しい少年。いじめっ子コンビに親友のベダーズがいじられているところを助けたところ今度はいじめの標的となってしまい、追いかけられた果てに逃げ込んだのは工事現場。そこにあった岩に突き刺さっていた剣をサクッと引き抜いたところ、それは伝説の聖剣エクスカリバー。かくしてアレックス君はアーサー王の後継者として悪と対峙すべく円卓の騎士を集めなければいけない羽目になりました。
アーサー王伝説ってよっぽど欧米の子供達に大人気ってことなんでしょうか、ガイ・リッチー監督の『キング・アーサー』もありますし、『トランスフォーマー 最期の騎士王』も何気にアーサー王伝説がベース。その辺が正直ピンと来ないので『キング・アーサー』はスルーしたわけですが、これは監督・脚本がジョー・コーニッシュ。団地住まいの不良少年達がエイリアン達と戦う英国産SFアクション『アタック・ザ・ブロック』が大好きなのでこりゃ面白いに違いないと踏みました。
何気にスピルバーグの『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』の脚本にも参加しているだけあって、子供達が活躍する物語のキモを知り尽くしてるなという印象。学園ヒエラルキーの最下層からヒーローが誕生する話は青春映画としても鉄板だし、コメディリリーフとして健闘する少年魔術師マーリンが時々パトリック・スチュワートに変身(でも着ているTシャツはツェッペリンのまま)するツイストも軽快で、ハリポより親近感が湧きます。オチは想定内で特に新味もないですがアレックス君と父親の関係性は身につまされるテーマを内在していて、少年が大人になる通過儀礼としての冒険譚は細かいギャグも相俟って実に爽やか。全国の小学生に自信を持ってオススメする良質なジュブナイルです。

よね