劇場公開日 2019年4月19日

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「【”抑圧された情念”を持つ人々が広大な屋敷で”育んでしまったモノ”・・。】」アガサ・クリスティー ねじれた家 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”抑圧された情念”を持つ人々が広大な屋敷で”育んでしまったモノ”・・。】

2020年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

単純

知的

 ”この家に住む人たちは”抑圧された情念”を持つ人々なの・・”と、イーディス・デ・ハヴィランド(レディ・イージス:グレン・クローズ)は言う。
 (詳しくは述べられないが、不審死を遂げたアリスティッド・レオニデス(一台で財を成した高圧的な富豪)亡きあと、レオニデス家を高所大所から見ている人物:アリスティッド・レオニデスの前妻の姉。)

 - 今作が勿体ないのは、レオニデス家に住まう人々の関係性の描き方が上手く機能していないところである・・。-

 故アリスティッド・レオニデスからその聡明さを見込まれていたソフィア(アリスティッドの孫)は、私立探偵家業のチャールズ・ヘイワード(マックス・アイアンズ:かつてのソフィアの恋人、というかカイロに留学か何かで行っていたソフィアの監視役だった(元CIA):今作、そこらへんの描き方も曖昧・・・)に警察の捜査が入り、世間に醜聞が流れる前での解決を依頼する・・。

 まあ、このレオニデス家の息子達を含めた多くの人々が、”虚栄心” ”嫉妬” ”猜疑心” ”無品性” を持ち合わせた人々であることが劇中”中途半端に”描かれる。

 そして、彼らの関係性がコレマタ”中途半端”に描かれる。
(もうちょっと、ちゃんと描いておくれよ・・。原作を読んでいるから付いて行けるんだよ・・。)と思いながら、鑑賞続行。

 ー 肝心のイーディス・デ・ハヴィランド(グレン・クローズ)が劇中、レオデニス家の広大な庭を荒らす、土中の”モグラ”を撃ちまくるシーンは”成程・・”と思いながら鑑賞する。ー

 そして、悲劇的なシーンの後の”アリスティッド・レオニデス”の自画像のアップ・・・。
 (”犬神家の一族”かな?)

<今作の原作は”アガサご自慢の一品”であるが、(伝承:私はそこまでかなあ・・というのが率直な感想。)
 何故に、”オリエント急行殺人事件”は近年の、サー・ケネス・ブラナーがリメイクした作を含めて人々に愛されているのか、
 ”ナイルに死す”も”ナイル殺人事件”として何故に愛されたのか を”イギリスネット配信版”として作成されたとはいえ(他意はないです・・・)製作に携わった方々には考えて頂きたい作品。

 フォローになっていないかもしれないが、作品内の調度品、意匠、役者さん達の演技は見応えがありました・・。>

NOBU