劇場公開日 2019年6月14日

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「ダンテの小舟で殺人を叫ぶ」ハウス・ジャック・ビルト カメさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ダンテの小舟で殺人を叫ぶ

2020年3月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

個人評価:4.0
ニンフォマニアックで強い性的欲求を掘り下げ、次は殺人の欲を掘り下げ追求する。
残酷な殺人を繰り返すジャックの内面も同時に描き、芸術の域まで殺人を引き揚げようとした行動を肯定的に描いている。
神曲を書き上げたダンテかの様に、殺人によって素材を採取し、亡者で家を築きあげる。
最後に作り上げた自ら採取した死体の家。まさにダンテの小舟で亡者にしがみつかれる様子を描き、そのまま地獄に堕ちていく。
殺人を芸術と捉え、肯定的に描き、最後にはナチスの効率よく銃殺できる方式まで取り入れ、人が人を殺す行為が、ある種 罪ではない時代を引き合い出す事で、理由ある殺人と人間の罪を描いているとも感じ、最後のダンテを引き合いに地獄に堕ちるジャックの罪と罰も描いている。
人間の欲の末端を描くラース・トリアー節が存分に味わえる作品。

カメ