劇場公開日 2019年4月12日

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「Boys in the Trees」アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年 Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0Boys in the Trees

2019年1月14日
PCから投稿

泣ける

悲しい

この作品は、オーストリアからの援助を受けてアメリカにある映画会社Dark Sky Filmsが制作したダークファンタジー映画として成立している。映画.comの解説でオーストラリアのダークファンタジーホラーと紹介されたのでコーキュートスを背景に描かれた「Boys in the Trees(2016)」のような世界観なのかと思っていると映画を観終わってからこの映画が、オーストリアの国の映画だと気が付いた。ここの映画サイトは、とにかく誤認がはなはだしく、観るものに映画の価値を下げているように受け止められてしまう。
そんな流れでも、ただ批評家からは高い支持を受けているのは確かなのだが、ネットで流れている予告動画を観てからこの映画を観ると大きく裏切られることは間違いないこととなるので注意が必要となる。それはこの映画の性質上ホラー映画、特にゾンビ映画と位置付けてしまうと期待はずれでファンタジー映画と捉えたほうが、受け入れやすいものとなっている。
シナリオ自体から話はゆっくり進んでいくので彼らの微妙な関係を観ていて好感の持てる人以外は避けたほうが無難なのかもしれない。そしてこの映画に興味を持てばラストのシーンもなぜか許してしまっている自分に気づく。
Los Angeles Timesの記者がこの映画を要約して述べている。"「The Dark」がしっくりくるのは(よくあることですが)、それは無視や虐待がどのように人々を恐ろしい獣に変えることができ、そして愛がどのようにそれらを取り戻すことができるかについての感動的で詩的な物語です。”個人的にはグリム童話の「眠れる森の美女」やディズニーの「美女と野獣」をベースにしたダークな物語を想像されたほうがよいかもしれない。
余談かもしれないが、アレックス役のトビーニコルズはこの映画でのメイクが少しひどすぎるが、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」に出演していたジュダ・ルイスのようなパツ金の美少年であるのは確かなことだ。
♪Maybe again he will be alone.....の歌詞で始まるBlonde Redheadの"For the Damaged”は、何か言い知れない不安にさせる。
この配給会社は、たぶん理解して題名をつけていない。これは明言したい。原題の「The Dark」のほうが、この映画の雰囲気に近いと個人的に思われる。

Naaki