「作品の本質を裏切るキービジュアルが残念でならない」ザ・マミー marumeroさんの映画レビュー(感想・評価)
作品の本質を裏切るキービジュアルが残念でならない
キービジュアルに騙されてはいけません。そういうとネタバレになるのかもしれませんが、「ママが殺しにくる」っていうのはどうかと思いますし、「最も怖い」とか「本物の恐怖」とか謳うのも、全く出鱈目とは言いませんがなんか違う気がします。
とにかく、そういうキーワードから想像できるような作品ではありません。
しかし、私が大好きなギレルモ・デル・トロが推すのは納得しました。構成、空気感、テンポ、好きです。
まずは、キービジュアルからの想像もあって、どういう観方が妥当なのかわからず戸惑いました。しかし、そのうちに、想像や偏見を捨てて真っ新な気持ちで、ただ描かれるものを素直に観るべきだと気付かされます。それだけの説得力が描かれるものにちゃんとあります。
セリフ構成、一瞬で惹かれるショット、世界観を調和するテクスチャー、緊張感と悲哀を生み出す非常に練られた構成を持った作品だと感じました。
『猿の手』を下敷きにしているのでしょう。
ー願いが叶うが悲劇的な代償を払うことになる。ー
しかし、「願いが叶った」ということと「代償」というものとを、そのまま捉えるだけではなく少し斜めからも見ることで、面白くなります。
どうみるか、どう感じるか、が大切な作品だと思います。
奥深く示唆に富む作品だと思います。
宣伝が作品の本質を矮小化し裏切り、魅力を覆い隠してしまっていることが残念でなりません。
コメントする
