HELLO WORLDのレビュー・感想・評価
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桃李くんバチクソ上手えな!!
正直、某SAOが大変嫌いなので見送っていた映画。
いやいや全然良かった。
設定がやや荒いというか、容量無限は2037年と言えどいくらなんでも無理あり過ぎで、それはシミュレーション内での設定かも知れないが、マイクロブラックホールもどうなってんのかよく分からんし、宇宙開闢に至ってはもう唸るしかないのだが、全部PC内の出来事だというのなら、辻褄は合う。
ただ、世界の仕組みを知っちゃった主人公は、この先普通に高校生をやれるのだろうか。まあ頭良いしクッソ可愛い彼女いるし安泰か。劇中でも 桃李くんが言ってたが、この世界がシミュレーションだろうがリアルだろうが一般人の世界は何も変わらない。
強いて言えば、展開が読めるのと、困ったらラスボスを巨大怪獣にしちゃうのは日本アニメの悪い癖だと思う。それでもメインは青春なのだから、その辺はまあ分かりやすいに越したことはないし、あれくらい分かりやすくないと青春真っ盛りの若人には伝わらないのも事実だろう。止む無し。
ところで 桃李くんCV上手いね。最初、マジで宮野真守だと思ってた。叫び声とか関智一入ってたから、ああ宮野くんて関さん系列もあるんだーとか思ってた。全然違ぇじゃん。桃李くんかよ。びっくりしました。とんでもなく上手いと思う。
図書委員はいいぞお
評判良かったからハードル高くなってたのに、まさか越えてかれるとは。なんにせよ高校で図書委員やっといてよかった。ウオォォォォやればよかったァァァァアってなるこれは。スピンオフのラノベもタイトルからして良さそう。1番印象的だったセリフはドローンが直実にぶつかったあとの母親の「あれ落ちるんだ」、当たり前のように街中にドローンが飛ぶ世界ならではのセリフで好き。
運命に逆らってでも、僕たちの想いは、新しい世界へ
昨年は多くのアニメ映画が公開されたが、大ヒットした『天気の子』や著名監督の作品以外スルー。
本作なんて『二ノ国』とどっちがどっち?…ってくらいだったが、見てみたら意外と良かった。
ただ、小難しい…。
2027年の京都。
読書好きな内気な男子高校生・直実の前に、10年後の2037年から来たと言う自分=青年のナオミが現れる。
彼曰く、3か月後に恋人同士になる同級生の瑠璃が事故で命を落とすという。
彼女を救う為現れたナオミに、直実は協力するのだが…。
…と、始まり方やメインの話は難無いのだが、難有りなのは世界観や設定。
実はこの2027年の世界は、貴重な歴史やあらゆる過去の出来事を保存するシミュレーター“アルタラ”が造り出した仮想世界。
直実もその中の“記録”に過ぎない。
ナオミは現実世界の2037年からアバターとしてアクセス。(よって、2027年の世界では直実以外には見えない)
世界(=記録)に反してでも、瑠璃の運命を救おうとする。
その為に、アルタラの自動修復システム“狐面”に狙われる。
明かされた現実世界に隠された衝撃の秘密、今と未来、仮想世界と現実世界、青春ラブストーリーとSFが複雑に交錯。
クライマックスはある意味、整理や追い付いていけないほどの展開。
そして、“ラスト1分で全てが覆る”。本当にこのラストは、ど、どーゆー事…!?
SF設定はなかなかに小難しいが、既存のSF作品を数多く彷彿。真っ先に思い付くのは、『マトリックス』。『インセプション』のようなシーンもあり、作り手の好きなSF作品をたっぷり詰め込んだとか。
愛する人の運命を変える…青春ラブストーリーは『君の名は。』の影響濃厚。実際、『君の名は。』のメガヒットを受けて当初の脚本から大幅に変更されたとか。
でも、本作は本作で胸キュン。
同級生でも全く接点の無かった直実と瑠璃。
二人のこれまでが記されたナオミの“最強マニュアル本”と恋の指南によって、恋路がスタート。
“初接触”は最悪。
でも、同じ図書員で同じく読書好きという事もあって、少しずつ距離が縮まっていく。
マニュアル本の中には、時に瑠璃を悲しませる出来事も。
マニュアル通りとは言え、直実はそれに反する。結果、二人の関係が急速に近付く。
普段は八咫烏姿だが、“グッドデザイン”というこの仮想世界で能力を発揮する特訓も。
遂に運命の日…。
瑠璃を死の運命から回避させる事に成功!
晴れて二人の気持ちが結ばれた時…、ナオミが現れた真の目的が。
この事故で本来死んだ筈の瑠璃は、実は2037年の現実世界で今も脳死状態。
ナオミの真の目的は、この仮想世界で直実への瑠璃の恋心が100%になった時、2037年の世界へ連れ去り、脳死状態の瑠璃の身体へ上書きする事だった。
この2027年での直実の頑張りも、全てナオミの真の目的の為のお膳立て。
さらに、目的が済んだナオミは、2027年の仮想世界を消そうとするが…、アルタラが暴走。
2027年と2037年、両方の世界消滅の危機…。
青春ラブストーリーを軸に、壮大なスケールと展開に。
“先生”と呼んでいたナオミに裏切られ、無力な自分を痛感する直実。
が、初めて愛した人を救いたい。もう一度、会いたい。あの笑顔が見たい。…
例え自分が仮想世界の記録であっても、世界(=運命)を変える。
それはナオミとて同じ。
頼りがいのある“先生”から一転、自分がヴィランとなるが、ナオミの瑠璃を救いたい、もう一度会いたい、あの笑顔が見たいという強い気持ちに嘘偽りは微塵も無い。図書室で流したあの涙は本物で、胸熱くさせられる。
自分の事を“エキストラ”だと言う直実。
が、終盤でナオミは、自分こそが“エキストラ”と言う。
しかし、“1分で全て覆るラスト”や作品を見終わって思うと、ナオミこそが真の主人公だったと思う。
だって、直実もナオミも同じ人を愛した自分自身なのだから。
本作はオリジナルの作品。
既存の作品の影響や寄せ集め、伏線張られよく練ってあるようでただ複雑な感じも否めないが、オリジナルのSF青春ラブストーリー・アニメーション映画を作ろうとした意欲は評価したい。
直実=北村匠海、ナオミ=松坂桃李、瑠璃=浜辺美波のそのまま実写化も出来そうな人気俳優による声もそう悪くない。
でも、京都が舞台なのに皆、標準語なのは如何ともし難い…。
キャラデザインは『けいおん!』の堀口悠紀子。
好み分かれるキャラデザインだが、自分は『けいおん!』にハマったので、有り!
特に、瑠璃。
クラスでも堂々孤立し、“近付くだけで噛まれそうな孤高の狼”のようだが、美少女。
不器用で、か弱い一面も。
守ってあげたくなるヒロイン。
ふとした時や心を許した時の表情、“もう一度見たかった”笑顔は反則級!
男はこういうギャップに弱いんです。
自分的にはスゲー名字のクラスの可愛い系マドンナこそ“エキストラ”であった。…いや、ただの背景かな。
一途な想い。
何か。わからないけどよかった。
初めはよく内容がわからなかったが2回観て。なるほど。と思った。
松坂桃李、直実の一行への想いが切ないほど伝わった。
京都の町がリアルに描かれていて。また全体を通しても映像が綺麗で感動しました。
アニメならではのストーリーと映像は最高でした。
何か。わからないけど好きな映画です。
SFアニメらしい面白い映画でした
最初は純愛青春アニメのような展開だったが、徐々にSFらしい展開が出てきて面白くなってきます。
最後の結末は結構好きかも!
ある意味どんでん返し!!
そういうことだったのか!!
で、終わります。
既視感バリバリ。みんな、引用作品を観てほしい!!
友人と男2人で映画館に見に行きました。
客席には10代の若者が多くて、アラサーの私どもは若干の疎外感を感じながら、鑑賞。
【鑑賞中に思ったこと】
あ、既視感。どこからインスピレーションを得ているか、探すのが楽しい!
(本編そっちのけ)
・街が畳まれていく描写…映画「インセプション」で見た。まさか…
→やっぱり、同じ入れ子の世界構成でした~。まさかオチは…
→やっぱり、まだ外に世界があったって感じですよね~
・キャラデザ…京都アニメーションの「けいおん」とかと同じ?
→2000年代流行の、時代遅れのキャラデザと思うのは、オジサンだから?
・駆除システム…「サマーウォーズ」でみたような造形、彩色
格闘したり、逃げたりする様は、「電脳コイル」
・システム本体…白い半球状=「AKIRA」を連想
【鑑賞後、思ったこと】
・10代の観客には、上記の要素を、この作品オリジナルと、捉えるのだろうか…。
それぞれの引用元をぜひ見てもらいたい…。絶対に何倍もおもしろいから…。
・30代以上の人は、他作品の影がちらつき、楽しむことができず、また映像の完成度に満足できない。
(映像について)
・キャラのズーム、カメラのパンにメリハリが足りず、また、キャラクターの周囲をぐるぐるカメラが回っている場面が無駄に多かった印象。3Dアニメーションだから?さらに3Dでモデリングされたキャラの動きや手の表現に、違和感が…(基本的にもっさりしている)。
・2Dで描いてもらえれば、もう少し映像として楽しめたはず…残念。
京都では再々上映です
京都市も後援し公開時市バス・京阪電車などとのタイアップイベントを行っていましたが、3ケ月経った今月も上映が始まりました 京都の情景が描かれることで地元民はまたみたくなるのでしょう キミスイの2人が再び共演するとあっての興味のみで観ました このレビューでも詳しい方はいろいろと分析されていますが、こういったテーマに「初心者」にはついていけないと思いました それでも内気な主人公が変わっていくところに、気恥ずかしさやら、頼もしさを感じ楽しめはしました 一行さんを演じる浜辺さんのセリフ「だーかーら」、キミスイでも彼女の味の素のコマーシャルでも出てきたフレーズにドッキリ
一緒に図書委員をしているところ、高校の図書館で距離を縮めていくところ、まったく異なる映画なのに、本編とは違うところでにやけました(12月5日 出町座にて鑑賞)
に、兄さん!?
フル3Dアニメとしてややカクカクした動きが気になるもののキャラが可愛いしキャストもスタッフもなかなかの布陣ということで期待。
まずレビューサイトで10年後から主人公がやってくるというかなり大きなネタバレが書いてあるので注意である。
何も見ずに観てよかったと思う。
一言で言うとクラウドシステムの擬人化、データのバックアップシステムがこの世界そのものに適応されているという設定。
クロニクル京都。
ふむ、
SAOも手掛ける伊藤監督の得意分野ではなかろうか。
それはそうと…
ねじりパンください。
動きに関して言えば3Dはさほど気にならないレベル。
アニメーターが足りないから今後はこのような作品が増えるのだろうか。
絵面としては及第点。
特に水を飲むシーンはなかなか色っぽくて好き。
3Dの悪い点は動き過ぎるところだと思うが、そういった違和感が少なかったのはよいと思う。
各キャラの魅力が十分に表現されていたと思う。
主人公
頼りない男の子だが中性的でなかなか可愛らしくてアニメっぽい。
特殊能力で色々なものが錬成陣無しに錬成できるようになる。
おそらく向こう側を見てしまったのだろう。
主人公(大人)
さっきの子がこんなオッサンになるのか…一体何があった。
一行さんと付き合って色々成長したのだろうか。
シンジ君がゲンドウになるようなものである。
花が飛んでてくぁいい女の子
名前が分からない、なんだっけ…
勘解由小路さん
かでのこうじさん
読めないし書けない。京都の町名らしい。
この子とくっつくのかなと思っていたら完全に噛ませでちょっと残念。
ここまでキャラ立てておいて使わないのか…
一行さん
物凄い愛想の無さだがとてもしっかりと描かれているので異常にかわいい。
アリスのコスプレには思わずクラクラしてしまう。
これがギャップ萌えなのか。
良い…
カラス
お前は鎧の弟だろう。何で鳥に魂定着させてるんだ。
さて
問題はここからだ。
ねじりパンを一口。
肝心のシナリオについては全体的に尺足らず。
恋愛モノをやりたいのか、バトルモノをやりたいのか。
たぶん1クールのアニメならもっと丁寧に作れたんだろうなぁ。
2時間の尺に収めるのならどちらかを犠牲にするしかないと思う。
そして京都の町を舞台にするという大人の事情も見えてくる。
主人公の立場は逆だがいわゆるバックトゥザフューチャーのようなタイムトラベル作品である。
しかしバックトゥザフューチャーはタイムトラベルがテーマであり、それによるタイムパラドックスでトラブルが起こってしまうコメディー映画である。
この作品はさらに派手なバトルも詰め込もうとしている。
とすると、特殊能力を特訓するシーンはダイジェストにしてカットしてもよかった気がする。
恋愛要素も付き合うまでのあらすじは色々と面白かったがバッサリとカットしてもよかった。
開始の15分でどれだけ加速できるかが映画を面白くできるカギである。
ならば始まってすぐに主人公が特殊能力を発動するシーンから始め、付き合っている一行さんを敵から守ろうとするがピンチに追い込まれ、未来から来た自分のアドバイスによって勝利…とか。
視聴者は置いてけぼりだが開始の15分はそれでよい。その後徐々にキャラを掘り下げていけば設定は理解できるはずだ。
一番魅せたいのは何か、それは京都の町で繰り広げられるド派手なアクションではないか。
そこがとにかく物足りない。
そもそも敵がひたすら湧いて来る雑魚キャラのガーディアンの群れというのが退屈。
やはりバトルモノは強大なラスボスがいないと盛り上がらない。
となると勘解由小路さんに恋敵ととして敵になってもらう筋書きしかないのだが、それはさすがに可哀想かもしれない。
嫉妬に狂い壊れていく勘解由小路さん…
もし実現したらある意味すごく印象に残るキャラになるような?
結局未来の自分が敵のような印象が強くなってしまって、助けた方がいいのか見殺しにした方がいいのかよく分からない展開になってしまった。
確かに主人公を裏切って自分の欲望に猛進したのは事実であるが、彼女を守りたいという意思は共通でなければわかりづらいと思う。
それなら最初から敵として登場してもう一人の自分が彼女を奪いに来るという設定でよかった。途中で捻ったせいでどちらの味方をしたらよいのか混乱してしまう。
似たような設定でまどか☆マギカのキュウベエという畜生がいる。
主人公のまどかの力を利用して自らの世界にエネルギーを引き込もうと企む詐欺師である。
最初はヤンデレバカ女に命を狙われ、どうしてこんなかわいいキャラが殺されかけているのか可哀想であるが、その真相が分かると誰が見てもゴミそのものとしか見えない。
ということは、最初から何かおかしい点を視聴者に見せておけば途中で手のひらを返しても理解してもらえるはずだ。
また、キュウベエと魔女は敵ではないが利害関係は一致している。未来から来た自分とガーディアンは利害関係は相反している。
つまり主人公と未来の自分が敵対すると3すくみの関係になり関係がこじれる。
敵ならばしっかりとした敵、味方ならばしっかりとした味方、ここは割り切ってキャラの立場というものを明確にしてほしい。
あと最後のどんでん返しだが、どうも取ってつけた感が否めない。
もう少し途中で伏線を散りばめて、どこかに引っかかる部分を見せつつ最後にその不可解な点が一気に解けて納得できるという作りにできたらよかったなぁ。
なんだか、ああ、そっちなの?という感じ。
記憶だけコピーしたけど並行世界の一行さんは自分のことを他人だと認識してしまう…
じゃあ今までの苦労は何だったの?
と思っていたらこれは全部夢だったんだ…みたいな。
夢落ちはダメです。
ね、ねじりパン…
さて
映像について一つ注文をつけるとするとキャラの動きよりもエフェクトの使い方の方が気になった。
RGBの原色を画面いっぱいに使うのは今すぐやめた方がいい。
原色というのは(255.0.0)(0.255.0)(0.0.255)(255.255.0)(255.0.255)(0.255.255)である。
まあプロメアでも似たような表現があったが、いかんせん安っぽく見えてしまう。
SAOのようなゲームっぽいエフェクトの方がはるかに格好いいのだが…
なぜ3Dの良さを敢えて殺してしまうのだろうか。すごく勿体ないと思う。
次は一行さんが能力に目覚めてバトルするものを作って下さい。
お願いします。
ちょっと説明不足かな
量子記憶の中での出来事だけど、現実ともかかわってきてて、うーん、とてもややこしいね。一応、ハッピーエンドとなっているはずだが、もうちょい「現実」側の方を丁寧に描いた方がよかったかもしれないと思う。昏睡状態の彼女(あるいは主人公)の意思を量子記憶装置を使って取り戻せうとしているのだけれど、なぜそれで取り戻せるのか、理屈がよくわからない。このあたりは、もうちょっとハードSF風に、きちっとした論理づけがほしいと感じる。そうすれば、10年後の主人公や彼女さんの行動や動機も、もっと明確になると思った。ちょっと惜しい感じでしたね。京都の風景は良かったですよ。
アニメ好きに寄せている
SF青春ドラマ。京都市が後援していて京都市内の風景があちこち出てくる。京都人ならよくわかるんだろう。
パラレルワールドと時間移動(タイムリープ)の組み合わせで、「ラスト1秒でひっくり返る」結末まで見終えてもストーリーがわかりにくい。アニメ好きに寄せていて間口が狭い印象。
京都タワーがへし折って投げつけられる場面などはなかなかインパクトがありました。
キャッチコピーを知らず、予備知識も無かったので逆に楽しめました!
予備知識が全く無くSF作品とも考えていなかったのでかなり楽しめました。序盤、大人の主人公が出てきて「入れた」みたいな事を言った段階で、プログラミン等に出てくる「helloworld」と本編タイトルが繋がり仮想現実なのかな?と気付いた感じです(笑)
個人的にはかなりまとまった作品だと思いますし、ラストも2027年の技術面を考えれば納得です。
後で「ラスト1秒」とかいうキャッチコピーを知ったのですが、これは余計だと思います。SF作品の制作側としてはこんなキャッチコピー絶対にタブーだと思いますし、おそらく宣伝側が同時期に公開させれる作品や若い視聴層を意識して話題性を取ろうと付け加えたのではと推測します。作中も視聴者に分かりやすくする為なのかな?って描写が所々見受けられた印象ですが、これは想像して少し後に答え合わせをしてと言った感じで・・まぁ、ある意味楽しめました!
作品としてはここ近年のアニメ映画に流された印象もありますが、かなり楽しめる作品です。この先観る予定がある方、内容について調べるのは厳禁です!
かつて感じたことのない切なさに彩られた完璧なSF思春期ジュブナイル
2027年の京都。そこでは無限の容量を持つ量子記憶装置アルタラを使って京都に起こった過去の全事象を記録する事業”クロニクル京都”が進められていた。読書好きで内気な高校生堅書は道端に現れた三本足の奇妙なカラスに持っていた本を奪われて後を追うと、そこに現れたのは奇妙な男ナオミ。ナオミは自分は10年後の未来から来た堅書本人で、クラスメイトのエキセントリックな美少女瑠璃と堅書は付き合うが彼女は事故で死んでしまう運命になっているのでそれを変えたいのだと告げる。半信半疑ながらナオミに協力することにした堅書だったがやがて自分が住んでいる世界の秘密を思い知らされる。
主人公がイーガンやディックを読み込んでいるガチのSFファンという設定からして数多のSF作品へのオマージュが溢れている。そもそもカラスを追うとそこにはというツカミからして『マトリックス』。モーフィアスでありネオである主人公がトリニティを救う話と言ってしまうと語弊がありますがまずはそんな導入。イチイチ選択を迫られたネオに対してこちらはとにかく与えられた答え通りに行動し、ナオミが現れたことで既に書き換わってしまったシナリオにどう臨機応変に対応するかというスリルを追っていくうちに『マトリックス』が到達できなかった地平までたどり着いてしまい、そこからの展開は今まで観たことのない切なさに満ちていて、胸が締めつけられる結末の余韻に滲むセンスオブワンダーに涙が溢れました。完璧な思春期ジュブナイルです。
各所に様々な含みを持たせた世界観の中を駆け抜ける主人公達の姿にかつての自分を重ねて、人生をやり直すことを夢想する下卑た大人にとってのファンタジーとしても一級品、個人的には『天気の子』よりこっちの方が好きです。
雰囲気で楽しみましょう
個人的にはこの様な展開は大好きな部類です。
意味や時系列を追いかけてしまうと取り残されるので、ただ何の疑問を持たずに鑑賞するのが良いかと。
矛盾があったっていいじゃない 映画だもの。
電脳コイルにスミス乱入みたいな
青春ものとしても面白い。
京都だけを舞台にしている時点で無理がある。と思ってるうちに収拾がつかなくなりあのような結末に。一行さんの行く末を案じてるうちにもう一段ぶっ飛んだ結末に。すでにぶっ飛んだ世界なのでどんな結末もあり得ますが…。
さすが野崎まど、千古博士にシステム(世界観)の破綻を宣言させるとは。
何層にも重なった世界の王道ラブストーリー
近未来の京都を舞台に繰り広げられる、少年少女のSFラブストーリー。監督は「ソードアート・オンライン」シリーズの伊藤智彦、キャラクターデザインは「けいおん!」シリーズの堀口悠紀子。学生時代僕が4年間過ごした京都が舞台、しかも監督・キャラデザのファンとしては見逃すわけには行かない!と、早起きして朝一の上映に行ってきました。
物語は2027年、アルタラ(量子記憶装置)によって街の記憶が始まった近未来の京都。主人公の堅書直実は引っ込み思案の内気な高校生。そんな彼の前に謎の男が現れます。それは10年後の自分自身。もう一人の”ナオミ”は彼に言うのです。「お前は彼女を作りたがっている!」そしてこう続けます。「彼女は出来る。同級生の一行瑠璃だ。でも彼女は3ヶ月後の花火大会の日に落雷を受けてしまう。どうかお前の力で彼女を助けてくれ!」と。そして10年後のナオミを先生として、一行瑠璃を助けるために恋にスキルに奮闘努力が始まるのです。
このお話は、いわゆる「大好きな女の子のために男の子が命がけで頑張る」という、昔から有る王道ラブストーリーです。古くは「天空の城ラピュタ」であり、最近では「君の名は。」や、今上映中の「天気の子」がこれに当たります。これらの作品の肝は、観客にどれだけヒロインが可愛いかと思わせることと、主人公にどれだけ感情移入させられるかと言うこと。
まずヒロインの一行瑠璃ですが、これが非情に可愛い!実は最初主人公は同じ同級生の勘解由小路三鈴に淡い恋心を抱いています。彼女は明るく社交的な学校のアイドル。それと比べると瑠璃は見た目こそ美人系だけれど、無口で表情が乏しく社交的で無いため、一部の人間からは本好きの変人扱いをされています。しかし、先生(ナオミ)の指示に従って彼女と親密になっていくにつれ、その可愛らしさが発見されていくのです。無表情に見えるけど、実は目がくるくる変わり表情が豊かなこと。本が本当に好きで本の話では饒舌になること。図書館の新刊のカードに最初に名前を書くのがとても嬉しいこと。次第に心引かれる主人公と一緒に、観ている我々観客も彼女の虜になっていくのです。そして古書祭りの後の告白シーンで、彼の告白に応じて真っ赤になる彼女を観て、我々も胸をズキュンと射貫かれてしまいます。順を追って親密度が増していくこの演出が実に心憎い!
次に主人公ですが、二人のナオミ(高校生の直実と10年後のナオミ)が存在することによって、幅広い層から感情移入しやすい話になっています。若者は当然高校生の直実に素直に感情移入するでしょうし、僕のような年配の人間は10年後のナオミに感情移入してしまいます。純粋に初めての恋を突き進む直実と、一度大切な人を失い、必死になってもう一度彼女を取り戻そうとするナオミ。個人的にはやはり大人のナオミの方に僕は感情移入してしまいました。大切な肉親を失った経験者としては、もう一度愛する人に会いたい思いは、本当に心に突き刺さってくるのです。
さて、物語は瑠璃を落雷から助けた瞬間から大きく動き始めます。今まで自分の味方と思っていたナオミ(10年後の自分)が、自分を裏切って瑠璃を連れ去ってしまいます。彼の目的は過去のデータ世界(高校生の直実がいる世界)から未来に瑠璃を連れて行き、植物状態の彼女を目覚めさせること。そのためには過去の自分を犠牲にしても構わないと考えています。一度は諦めそうになる高校生の直実。しかし、瑠璃のことを心の底から大切だと思った直実は、八咫烏(電脳パートナー)の力を借りて10年後の世界に向かいます。
そしてさらに驚愕の事実が!?なんと、その世界もデータ世界だったのです。イレギュラーである瑠璃と直実を消そうとする修復システムが大挙して二人に襲いかかります。その時、彼を助けたのは一度自分を裏切った10年後のナオミ。彼は言います。「俺を消せ!俺が消えれば二人の直実が存在するイレギュラーが無くなる。それで世界が救われる。」と。
正直この後半はちょっとガチャガチャしています。アクションシーンをテンポ良く見せようとするがあまり、時空転移の説明が不足がちになり、パラレルワールド物に慣れていない人は理解不能で頭抱えるかも。その結果、最後の大どんでん返しを「夢落ち」と勘違いしている人も多いようです。実際レビューでも「なんだよ、夢落ちかよ!」と怒っている人もちらほら。よく観れば、シンクロゲージが100%に到達するシーンと、大人になった一行瑠璃が「やってやりました!」と泣く台詞があるので、瑠璃が現実世界で何かしらアクションを起こして直実を助け出したことが分かるはずなのですが。あそこは多少ラストが冗長になっても種明かしがあった方が良かったのでは?と思いました。
まあ、かく言う僕も完全に理解出来たわけではありません。瑠璃が助け出したのは、高校時代の直実だったのか?(その場合、落雷に遭ったのは瑠璃ではなく実は直実だった)それとも、10年後の世界で高校生の二人を助けるために自ら消えたナオミだったのか?これはもう一度観に行くか、BDが出たら何回も見直して理解するしかないのかも。
それと、元京都市民としては、京都の街中の距離感がおかしいことにツッコミを入れたくなりました。冒頭で八咫烏を伏見稲荷まで走って追いかけるシーンがありますが、どまんなか(京都市中心部)から伏見稲荷までどんだけあると思ってんねん!?と心で突っ込んでしまったというか。伏見はもう別の街やで!(苦笑)あと、SFとしても、イレギュラーの存在をシステムが消そうとするなら、なぜ最初にシステムは10年後の世界から来たナオミを第一に消しに来なかったのか?ナオミが管理者権限でそれを防いでいたなら、その説明が欲しかったです。何にせよ説明不足の分ご都合主義に見えてしまったのが残念でなりません。
ツッコミどころも多数有りましたが、全体としてはとても満足出来た作品でした。だってこの作品は一行瑠璃にどれだけ萌えるかの作品なのだから。その意味では満点つけても良いのかなと思います。(笑)
最後に。映画を観ながら何度も瑠璃が「けいおん!」のあずにゃんに見えて仕方がなかったです。同じキャラクターデザインだから仕方がないけど。(笑笑)
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