劇場公開日 2019年5月3日

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「子供の頃に夢見た世界」名探偵ピカチュウ ヨックモックさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5子供の頃に夢見た世界

2019年6月17日
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おお、これこそが20年前に自分が夢見た世界! 日本人には終ぞ描けなかった夢のポケモンワールドが、アメリカ人の手によって作られようとは。

キッズ誰もが夢見た、ポケモンのいる世界。それを一定のリアリティをもって描こうとする試みは、もしかするとかつて日本にもあって、それらが任天堂と㈱ポケモンに尽く潰されていただけなのかもしれない。しかし事実として、この作品が日本に先行してアメリカで作られたことに、日本のエンタメの限界を感じざるを得ない。
わな感じがする。当たり前のような生物としての面持ちがある。

ちょっとサイバーパンク風味のライムシティも素敵。高層ビルとアジア的屋台とスラムっぽさが同居するエキゾチックな雰囲気。これをポケモンに掛け合わせるセンスの良さよ。

シナリオは褒められたものではない。あらすじはいいとしても、ポケモンと精神を同期した人間の肉体が消えたり現れたりするのは前述した「ポケモンのいるリアリティを伴った世界」には全く馴染まない酷く幼稚で杜撰な設定だし、敵のボスにしたってあまりに油断が過ぎる。折角リアルな世界を描いたのだから、このラストバトルくらいはもう少し真面目に描いて欲しかった。

ポケモン原作へのリスペストも随所に埋め込まれてるのが嬉しいところ。冒頭の導入でレッド(サトシ)と思しきトレーナーが戦ってたり、ミュウツーがカントー地方から20年前に脱走した個体という設定だったり。

ただし1番テンションが跳ね上がったのは、ポケモンメインテーマと杉森建(風?)のイラストに彩られたエンドロールだけどね。

ヨックモック