劇場公開日 2019年6月22日

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「冒険や革新より Quality にコダワリました。的な。」あいが、そいで、こい bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5冒険や革新より Quality にコダワリました。的な。

2020年2月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

ENBUものって、5,6作は見たと思うんですが。カメ止めを除けば、異質とも言えるくらいの完成度。画の暗さは気になりましたけど。いや、全然良いやん。青春一夏物としては、かなりの出来だと思いました。キュンキュンしたし爽やかに感動もした。いや、爽やかなのは俺じゃ無くって映画です。溺死エピソードだけが蛇足だと言う気がしない事も無いけれど、海猿彷彿で。そんな事はどうでも良くなるくらいに、ポジティブ&ポジティブだった。

リンが可愛いし魅力的。亮がガキでウザい。由衣花がけなげで愛おしい。ずっこけ三人組ですよ。亮とは喧嘩ばっかのイケメンですよ。この青春ものの経典とも言えるキャラ設定が、気負いも気取りも無くて良いです。

横断歩道を使った定点観測。俺、こういうの好きなんです。あそこで「彼ら」を取り巻く状況の変化、心のウツロイ、各人の人格、等々を表現してしまう。ロケーションも好き。ベタだけど好きです。

亮とリンが触れ合って行くエピソード。由衣花の揺れーるう、想いぃ。ずっこけ三人組の仲の良さ、各人の人格表現。亮と健太の関係の変化。リンを受け容れない母。イルカのキーホルダー。描写にブレが無い、つまりは設定と脚本をしっかりと吟味した痕を感じさせる点や、丁寧に取り進めている点、役者さんが脚本を腹落ちさせてカメラの前に立っている事を感じさせる点等々。もう、好き嫌いレベルの話ですが、個人的には、こういうソリッドにきゅっと詰まった感じが好き。

イルカと二人が泳ぐシーンは、VFXでもっともっとゲージュツ的にしてしまいたいところですけどw 水族館で見上げるリンの影。「リーン。イケェ!」の叫びを最後に持って来る、小っちゃい倒置法も好き。

何がどうあれ、二人が幸せになれれば良いね。

と、優しい気分にさせてくれる、せーいしゅん!ものの佳作でした、Bクラスですけどね。ENBUの中にも、派閥みたいなもんがありますか?なんでこれ、もっと宣伝しないんだろうと考えこみながら劇場を後にしました。

だって観客、3人ですよ。少なすぎでしょうがw

他人様には、今週末見たAIよりも、こっちの方を勧めます。

bloodtrail