劇場公開日 2019年4月12日

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「悪夢、確執、恐怖を断ち切れ! ストロード3世代vsブギーマン!」ハロウィン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0悪夢、確執、恐怖を断ち切れ! ストロード3世代vsブギーマン!

2019年9月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

興奮

オリジナルは、ジョン・カーペンターの出世作であり代表作として知られる1978年の名作ホラー。
シリーズ化され、リメイクも作られたが、ちょうど40年目に、第1作の正統な続編が登場。それが、本作。
カーペンター製作総指揮、主演ジェイミー・リー・カーティスらシリーズ縁の面々も関わり、話も40年後の後日談。ファンにしてみれば、決定打と言っていいこれ以上ない歓喜作だろう。

第1作はむか~しに一度見た事があるくらいで、もうほとんど…いや、完全に忘却の彼方。
なので今回、第1作も併せて見ようと思ったら、
何と、近くのレンタル店、何処にも置いてないという!
名作ホラーを…。嘘でしょ!?
仕方なく、この新作のみ鑑賞。
一応見る前に第1作の大まかなあらすじや設定は予習したつもりだが、果たして繋がりなど分かって見れるか…?
とんちんかんな指摘あったらご勘弁を…なレビュー。

マイケル・マイヤーズ。通称、ブギーマン。
6歳の時に姉を殺して殺人デビュー。40年前の惨劇を皮切りに、殺戮と恐怖の足跡。
精神病院に収監されていたが、移送中に脱走。
40年目のハロウィンの夜に、故郷の町へ舞い戻る…。

ローリー・ストロード。
40年前の惨劇を生き残った女性。
が、トラウマを払拭出来ぬまま老境に。
2度の結婚は失敗。孫娘には慕われているが、娘からは疎遠。
そんな彼女に、再び悪夢と宿敵が…。

ここで会ったが…いや、再会したが100年目。
断ち切れぬ宿命か、呪縛か、因縁か、因果か。
今こそ、決着の時!
本当にファンには堪らないだろう。

フレディやジェイソンほどご存知ではないマイケルことブギーマン。
いやはや、おっそろしい…。
その不気味な白マスクもさることながら、無言。
一切喋らず、顔もマスクに隠されている為、一体何を考えているのか…?
その無感情、無表情がより一層恐ろしさを際立たせている。
一応人間である筈なのに、その力は人並み外れ。ブギーマンって、ジェイソン級の不死身怪物なの!?…と、シリーズに疎くて恥ずかしい。
基本はナイフでめった刺しだが、殴殺や踏み付けて顔面潰しなどの荒殺しも。グロと凄惨の殺戮ショー!

かつては“スクリーミング・クイーン”と呼ばれたくらいだから、か弱い女子高生だったローリー。
しかし、宿敵への恐怖と来る再戦への備えが彼女を逞しくした。
人里離れた家の地下には武器を揃え、家自体も要塞化。
あなたはサラ・コナーですか!
トラウマを乗り越えるには、この手でアイツを殺し、自分で終わらす。
その異常なまでの執着心は、キチ○イさんレベル…。
娘に幼い頃した“対策”とか、ありゃあ嫌われても無理ないわ…。

それだけブギーマンが与えた恐怖は闇深いって事。
ストロード一家にとっては呪い。
かのドナルド・プレザンスが演じたルーミス医師の後継者で、現マイケルの主治医も。マイケルの異常性に魅せられたこちらも異常者と言っていい。

ほとほとうんざり、呆れて愛想も尽かしていた悪夢の戯言が、本当に襲い掛かって来た。
母、娘、孫娘…悪夢、確執、恐怖と各々立ち向かう、3世代の物語でもある。

ブギーマンの不気味さや恐ろしさはインパクト大。
が、怖いと言うより、ハラハラドキドキのエンタメ系スリリング。
近年の“死霊館ユニバース”のようなじわじわ来る怖さを期待すると、ちょっと違う感じ。まあ、スプラッター系ホラーだから…。
話も単純で、登場人物たちも少々キチ○イさんやお間抜けさん揃いで、その辺もうちょっと煮詰めて欲しかった。

原点も見ないで本作を見れるか心配したが、これはこれで思いの外見れた。
カーペンターによるあのテーマ曲、知らず知らずの内に聞き慣れていた事にも驚き!
だけどやっぱり、第1作と併せて見たかったなぁ…。
(ひょっとしたら、本作以上に第1作の方を見たかったかもしれない…)

ラストは一応決着付いたようだが…、
予想以上の好評と成績を挙げたので、また現れるかもしれない。
それに、

間もなくハロウィン。
ハロウィンの本当の由来も知らないで、毎年毎年仮装してバカ騒ぎしていいと勘違いしている日本の若者どもよ、
仮装の中に、不気味な白マスクの無言の男が居たら、
気を付けよ…。

近大