ミルドレッド・ピアースのレビュー・感想・評価
全6件を表示
ウェイトレスあがりって発想ないな
2023年3月27日
映画 #ミルドレッド・ピアース (1945年)鑑賞
主演の #ジョン・クロフォード さんが当時40歳ぐらいで、熟女としての魅力がプンプンする作品です
昔の女優さんは華があるし、貫禄があるなと感心してしまいます
アメリカ資本主義の赤裸々な醜態だ。
アメリカ資本主義の赤裸々な醜態だ。
人の幸せは物で買えない。テーマはすぐ分かる。あまりにもベタ過ぎて、結末は途中で分かった。でも、あからさまで面白い。
フィルム・ノワールだが、日本と海外の違いは、この映画と
『飢餓海峡』と見比べるとハッキリする。日本のドラマではこんなのは無い。面白い。
ミルドレッドの供述
ミルドレッド・ベラゴン(クロフォード)は橋の上から自殺しようとしていたところを、警官が止める。そして、ウォリー・フェイとともに殺害現場であるビーチハウスへ・・・ミルドレッドはその家から逃げ、ウォリーが警官に職質される。ミルドレッドは早速警察へと連れていかれ、そこで前の夫であるピアースと出会う。尋問されるとばかり思っていたミルドレッド。しかし、現夫を殺したのは前夫のバート・ピアース(ブルース・ベネット)であると告げられる・・・
供述の内容がそのままミルドレッドの物語となる。バートと2人の娘に囲まれての幸せな生活は夫バートが共同経営者であるウォリー・フェイ(カーソン)の元を去り、失業者となったことで一転する。別居生活が始まり、ミルドレッドはレストランで働き始め、やがては独立して何店舗も持つ自分のレストランを経営するまでに成功したのだ。ウォリーの求婚も袖に振り、資産家で地主でもあったモンティ・ベラゴン(ザカリー・スコット)とも良好な関係を保つ。やがて次女が肺炎のため幼くして死去。長女のヴィーダ(ブライス)はモンティの影響を受けて贅沢な人生を望むようになってゆく・・・
ヴィーダはわがまま邦題。17歳にして内緒で結婚したり、それが破談となると、妊娠したと偽り多額の慰謝料を得たりする。レストランのウェートレスからも借金。とにかく金がすべての上流気取りで贅沢娘なのだ。そして母と口論となり家出。バーで踊り子なんかをしていた。ミルドレッドの生きがいは今や娘のヴィーダを幸せにすることだけ。なんとか家に戻したいがためにベラゴンと結婚することを決意するのだ。愛のない結婚生活。ベラゴンは元々仕事もしない贅沢三昧の資産家。いつしかベラゴンとヴィーダは関係を持つようになっていた・・・
フィルム・ノワールの代表作。富裕層の人間が堕落していく様子をまざまざと描いていた。光と影、人格の違いが明らかとなるのだが、その過程が面白い。しかし、殺人事件へと発展するのは、アメリカの一般家庭にある拳銃の存在が大きい。また、ファム・ファタールとしての女も必要不可欠であるが、勤勉で家族思いのミルドレッドがどうしても堕ちていかない。結婚したおかげでベラゴンはミルドレッドの財産を食いつぶしていき、彼女は窮地に立たされる・・・動機が確定したか?・・・と、ラストのどんでん返しにおいて、娘ヴィーダの愛憎劇であったとわかる仕組みだ。娘の殺人を知っても、幸せになってもらいたいがために自分が犠牲になろうとするなんて・・・
ラストには別れた夫がやさしくミルドレッドの肩を抱く。2人はよりを戻すのだろうか、といった余韻を残してくれる。
サスペンス。あんまり面白くなかった。誰が犯人か、まあ分かるでしょう...
サスペンス。あんまり面白くなかった。誰が犯人か、まあ分かるでしょう。どこかが、なにかがおかしいそんな登場人物ばかり。まあ人間ってそうなのかも。案外いい作品だったのかもしれない(笑)バカ娘、なかなかかわいいです。
生々しい…金の切れ目が縁の切れ目
“What Ever Happened to Baby Jane?” 鑑賞以来のストレスかも…(>_<)。
悪魔のような長女は、母親にねだれば何でも手に入ると信じて生きてきたのでしょうね、自由も、豪邸も、貴族風のライフスタイルまでも…。
悪女Vedaに目が行きがちですが、この親にしてこの子あり、まずは母親Mildredから。
我が家では子供が最優先よ!とするのは決して悪いことではないけれど、彼女の「最優先」は、お金の使い道、投資先としての優先事項なんですね。自分が憧れても出来なかったピアノやバレエを娘達に習わせる。よくあるパターンですが、特に次女はどう見ても、外で泥だらけになってスポーツしている方が向いています。豊かな生活を送らせたいのは当然ですが、子供達の真の姿を探ろうとしないMildred。裏を返せば、それだけ自分が幼少期に金銭的に惨めな思いをしたのでしょう…。
親が子供に自分の夢を託す。
Mildredがなりたかったものは、裕福な家のお嬢様。素敵なドレスにピアノ、バレエ。
お金さえあれば、と何度も夢見たのでしょう。お金があっても、買えないものがあること、幸せとは限らないこと、好人物とは限らないことを知る訳ですが。
加えて、子供に理想を押し付ける以上にいけないのは、子供の自立を全力で阻んでいることです。Mildredのやってることは、娘の幸せを願っていると言いながら、金ヅルと思われてもいいから離さない!という感じ。
野生動物だって、子供が一人で生きていけるよう、獲物を獲る練習をさせます…。
与えるだけでなく、親が子離れして、たまには「与えないこと」も愛だと学ばないといけませんね。
そして母親を意のままに操るVeda。
父親は失業し、浮気までされても母親は台所に立ち働き詰めで、こうはなりたくないと冷めているのかと思って観ていましたが、せっかくの玉の輿をフイにしてしまう所から、ステータスというより単に楽しく遊ぶ金が欲しいだけなんでしょう。大金だけ娘に与えて身なりを良くしても、Mildredがなりたかった「お嬢様」には育たない。中身は薄情で卑しくて浅ましい女に。
自分のために一所懸命働いてくれる母親をディスり、ウェイトレスやメイドをあんなに軽蔑しておきながら、自分は夜の酒場でお腹を出して歌っているくらいですから、Vedaは一人で生きていけるほど十分したたかで逞しい女性に成長したことは間違いないですけどね(¬_¬)。職業に貴賎なしです。
更にIda姐さんが、男に関わらないで生きていけたらねぇ、と呟くほど、周りの男がこれまた皆しょーもない(^_^;)。
①失職しても浮気は継続という元夫。
②下心満載のお調子者、とにかくズル賢い男友達。
③家柄は良くても気位だけが遺産のような、遊ぶことしか能のない、そしてモラルもないヒモ夫。
Wallyは自分だけ不動産業界で生き残ったように、危なくなったらサッサと手を引く。
Montyは自分の財産を食い潰したように、伴侶の事業までも、遊ぶ金欲しさに搾り取る金食い虫。
金もないけど愛もない。
それではどんな賢妻も愛想を尽かします…。
独身で仕事一筋のIda。経済的に自立している女性は縁遠い、オンナとして見てもらえない典型という感じでしたが、誰よりもさっぱりカッコよく「男らしい」のがIda姐さんでした。経済的に成功していくMildredが身に付けた、ストレート一気飲みも男っぽいらしい。
Idaが躊躇うことなくカフェでMildredを雇う所と、Mildredが逆プロポーズでMontyを競り落としたかのように宣言するのがカッコいいです。
作品全体としてみると、既婚女性が働くのはみっともないという時代に、男が頼りないから仕方ないという言い訳は用意されているものの、いくら子供のためでもやはり女性には家庭と仕事の両立が難しい〜良き母と大黒柱の二刀流は無理〜という結論になっているかのようでした。別居後に(結果的には)転落していく所から、夫の浮気くらい許してやれとでも言うような。しかし1945年公開(原作は1941年)ですから、この時代に女性が男を捨て家庭の外に出て自ら新しい人生を切り開くという価値観は、日本ではもっと受け入れられていなかったのではないでしょうか。職歴のない専業主婦がなかなか雇用されないとか、ようやく見つけた仕事もレジ打ちだから恥ずかしいとか、現在でも似たようなことを耳にするなぁと思いました。お子様を一人亡くしたことで、残ったもう一人を溺愛した結果、社会では受け皿が見つからないほど我儘な大人になった家庭も知っています。
黒人の扱いが…無邪気で間抜けなコメディ要素で、これもまた時代を反映しているのでしょうね。
夫の浮気相手の家で次女が亡くなる…。
トラウマものです(>_<)。
もっと悲しんでもいいような。
Joan Crawfordが出る映画は覚悟しないと…(^_^;)。
ストレス満載?見応えのあるドラマでした。
“To the men we have loved!... stinkers.”
全6件を表示