劇場公開日 2019年4月19日

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「これが流行る日本芸能界やばい。」キングダム やんにょむさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0これが流行る日本芸能界やばい。

2019年5月18日
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本作が決して群を抜いてやばかったわけではない。

ただ、面白いものがありふれている映画界において"これが今最も面白い邦画"になっていることが非常にまずい。

まず、漫画に雰囲気がマッチしているか否か。
そこはクリアしているだろう。
しかし、"キャラクター"を観に行き、そこに漫画のまんま出てきたかのような物を人は映画と呼ぶのではないだろうか。

そこにいる人物が、何に喜び何に悲しみ何を食べて美味いと言い、何を思うのか。
"キャラクター"の域を出ないのであれば漫画やアニメでよくないだろうか?
そもそも、漫画家やアニメ作家が各々のメディアを"自分が最も面白く、自分の作品、価値観をアウトプットできる場所"として紙媒体や二次元媒体を選んでいるのだ。
そのまま忠実にという気概で作られても原作の方が面白いと思ってしまうし実写にする意味がないように感じる。

漫画のキャラクターが、もし、実際に存在し、空気を吸い、喜び、悲しんだ時、何を思い何を言うのか。

"生身の人間の奥行き"を描いてなお原作の空気感を大切にする。それがおそらく実写のあるべき姿ではないだろうか?
例えばひょうが、覚悟していますと口にする時、本当に人間は死を覚悟してその場にいるからと言って死に対して恐怖がないか。
否、自分に置き換えてほしい。

人間は本能として恐怖はあるのだ。
そんな人間が死を覚悟していますと口にするから重い。本来ものすごく重いはずです。
例えば、病気で先の長くない男が恋人に僕以外の人を見つけて幸せになってねと口にした時、心の中に一つの淀みもないだろうか?
身が避けるほど苦しいが目の前の人のためにその言葉を絞り出すから人間は美しい。

息を吐くようにセリフの出てくる人間たちはやはり観ていて面白くない。

よって、星1です。

やんにょむ